平成28年8月2日 長崎県内経済情勢報告 平成28年8月 財務省福岡財務支局 長崎財務事務所 〔問い合わせ先〕 財務省 福岡財務支局 長崎財務事務所 財務課 TEL 095-827-7095 FAX 095-811-7030 【総 論】 県内経済は、一部に弱さがみられるものの、持ち直しつつある。 先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、景気回 復に向かうことが期待される。ただし、中国等の海外景気の下振れなど景気を下押しするリスク や英国のEU離脱問題の影響のほか、平成28 年(2016 年)熊本地震による影響からの回復の動き などに注視する必要がある。 【総括判断】 前回(28 年 4 月判断) 総 括 判 断 持ち直しつつある 今回(28 年 7 月判断) 一部に弱さがみられる ものの、持ち直しつつ ある 総括判断の要点 前回との比較 個人消費は緩やかに持ち直 しつつあるほか、生産は持 ち直しつつあり、雇用は緩 やかに改善しつつある 【各項目の判断】 前回(28 年 4 月判断) 今回(28 年 7 月判断) 個 人 消 費 持ち直しつつある 緩やかに持ち直しつつある 生 産 活 動 持ち直しつつある 持ち直しつつある 雇 用 情 勢 緩やかに改善しつつある 緩やかに改善しつつある 住 宅 建 設 前年を上回っている 前年を上回っている 設 備 投 資 27 年度は減少見込み 28 年度は減少見通し 公 共 事 業 前年度を下回っている 前年度を上回っている 企 業 収 益 27 年度は増益見込み 28 年度は減益見通し (注)28 年 7 月判断は、前回4 月判断以降、足下(7 月末)の状況までを含めた期間で判断している。 1 前回 比較 【各 論】 (主要項目) 個人消費 【緩やかに持ち直しつつある】 個人消費をみると、百貨店・スーパー販売額は、衣料品で引き続き動きが鈍いことなどから、前年を 下回っている。乗用車販売は、全体では前年を下回っているなか、新型車効果などから普通車や小型車 が前年を上回っている。主要観光施設の入場者数・主要地区の宿泊者数は、平成 28 年(2016 年)熊本 地震の影響から、前年を下回っている。なお、足下では、九州ふっこう割の効果などから持ち直しの動 きがみられる。 生産活動 【持ち直しつつある】 生産活動を主要業種でみると、はん用・生産用機械は発電プラント向けを中心に高操業を続けており、 電子部品・デバイスはおおむね横ばいとなっている。造船はこれまでの受注残を背景に高操業を維持し ていることなどから持ち直している。 雇用情勢 【緩やかに改善しつつある】 雇用情勢をみると、新規求人数は、医療・福祉業、製造業等で増加していることから、前年を上回っ ている。新規求職者数は、前年を下回っている。また、有効求人倍率は、上昇している。 (その他項目) ○ 住宅建設を新設住宅着工戸数でみると、前年を上回っている。 ○ 設備投資を法人企業景気予測調査(28年4~6月期調査)でみると、28年度は、製造業は前年比 15.4% の増加見通し、非製造業は同 13.1%の減少見通しとなっており、全産業では同 1.2%の減少見通しとなってい る。規模別にみると、大企業は増加見通し、中堅企業、中小企業は減少見通しとなっている。 ○ 公共事業を公共工事前払金保証請負金額(28年度累計)でみると、前年度を上回っている。 ○ 企業収益を法人企業景気予測調査(28年4~6月期調査)でみると、28年度の経常利益(「電 気・ガス・水道業」及び「金融業、保険業」を除く)は、製造業は前年比 51.4%の減益見通し、 非製造業は同 3.6%の増益見通しとなっており、全産業では同 30.0%の減益見通しとなっている。 規模別にみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも減益見通しとなっている。 ○ 企業の景況感を法人企業景気予測調査(28年4~6月期調査)の景況判断BSIでみると、28年4~ 6月期は、 「下降」超幅が拡大している。業種別にみると、製造業は「上昇」超に転じており、非製造業では 「下降」超幅が拡大している。規模別にみると、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「下降」超幅が拡大し ている。先行きについては、28年7~9月期は、大企業、中堅企業は「上昇」超に転じ、中小企業は「下降」 超幅が縮小する見通しとなっている。 ○ 企業倒産の件数は、前年を下回っている。 ○ 消費者物価(長崎市)は、前年を下回っている。 2 【県内景気に関する地域の声】 個人消費について ○ 婦人服等の衣料品の売上が不調であり、4~6 月の売上は前年より減少した。 (小売 中堅企業) ○ 熊本地震の影響で、修学旅行や団体客のキャンセルが多数出たことにより、4~6 月の売 上は前年を大きく下回っている。 (宿泊 中小企業) 生産活動について ○ これまでの受注残の生産を行っており、生産の現場では引き続き高操業を維持している。 (輸送用機械器具 大企業) ○ 生産の動向は、発電プラント向けを中心に高操業を続けている。 (はん用・生産用機械 大企業) 雇用情勢について ○ 造船及び関連する製造業の求人が増えていることで、製造業全体の新規求人数が増えている。 (労働局) ○ パートが不足している。賃金等の待遇を改善し募集をしているが、なかなか集まらない。 (小売 中堅企業) 3
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