県 内 経 済 情 勢 報 告 - 近畿財務局

県 内 経 済 情 勢 報 告
【奈良経済情勢報告】
【平成 28 年 10 月判断】
本報告は、経済指標、法人企業景気予測調査や企業ヒアリング等をも
とに、前回 28 年 7 月判断以降、28 年 10 月に入ってからの足下の状況
までを含めた期間で判断し、県内経済の概況をとりまとめたもの。
平成 28 年 10 月 25 日
財務省近畿財務局
奈 良 財 務 事 務 所
〔連絡・問い合わせ先〕
近畿財務局 奈良財務事務所 財務課
℡
0742-27-3162(直通)
奈良財務事務所ホームページアドレス
http://kinki.mof.go.jp/237.html
財務省近畿財務局
奈良財務事務所
Nara Finance Office Kinki Local Finance Bureau Ministry of Finance
平成 28 年 10 月 25 日
- 県内経済は、緩やかに持ち直しつつある -
( 県内経済情勢報告 平成 28 年 10 月判断:奈良県分 )
先行きについては、各種政策効果もあり、県内経済が持ち直していくことが期待される。ただし、中国
をはじめとする海外経済の景気の下振れリスクの影響について注視していく必要がある。
【総括判断】
前回(28 年 7 月判断)
総 括 判 断
緩やかに持ち直しつつ
ある
今回(28 年 10 月判断)
前回
比較
緩やかに持ち直しつつ
ある
総括判断の要点
生産は弱含んでいるものの、個人
消費は緩やかに持ち直しており、
雇用は改善しつつあるなど、全体
としては緩やかに持ち直しつつあ
る。
【各項目の判断】
前回(28 年 7 月判断)
今回(28 年 10 月判断)
個 人 消 費
緩やかに持ち直している
緩やかに持ち直している
設 備 投 資
28 年度通期は前年度を上回る計画
28 年度通期は前年度を上回る計画
生 産 活 動
弱含んでいる
弱含んでいる
企 業 収 益
28 年度通期は減益見通し
28 年度通期は減益見通し
企業の景況感
「下降」超で推移している
「上昇」と「下降」が均衡している
雇 用 情 勢
改善しつつある
改善しつつある
前回
比較
≪ 主な項目 ≫
個人消費
<緩やかに持ち直している>
百貨店・スーパー販売額は、惣菜をはじめ中食の増加などにより飲食料品が堅調に推移している一方、猛暑の影響
等で衣料品が不振であったことなどから、全体で前年をわずかに下回っている。
乗用車新車登録届出台数は、普通自動車で前年を上回るものの、小型自動車で新車販売が伸び悩んだことから前年
を下回り、全体で前年を下回っている。
観光動向は、奈良市内のホテル客室稼働率をみると、外国人観光客の増加などから堅調に推移する中で、前年の宿
泊者限定キャッシュバックキャンペーンの反動減から、前年を下回っている。
このように、一部で弱い動きがみられるものの、全体では緩やかに持ち直している。
設備投資
<28 年度通期は前年度を上回る計画>
法人企業景気予測調査(平成 28 年 7~9 月期調査)でみると、28 年度通期の設備投資は全産業で前年度を上回る
計画となっている。
産業別では、製造業で前年度を下回り、非製造業で前年度を上回る計画となっている。
生産活動
<弱含んでいる>
鉱工業生産指数でみると、リチウムイオン電池関連や住宅資材にかかる受注が増加していることなどから、一般機
械やプラスチック、木材などで上昇しているものの、液晶テレビや太陽光発電関連の需要が低迷していることなどか
ら、電気機械や金属製品などで低下しており、全体では弱含んでいる。
企業収益
<28 年度通期は減益見通し>
法人企業景気予測調査(平成 28 年 7~9 月期調査)でみると、28 年度通期の経常利益は全産業で減益見通しとな
っている。
産業別では、製造業で減益見通し、非製造業で増益見通しとなっている。
企業の景況感
<「上昇」と「下降」が均衡している>
法人企業景気予測調査(平成 28 年 7~9 月期調査)でみると、景況判断BSI(現状判断)は全産業で「上昇」と
「下降」が均衡している。
産業別では、製造業で「上昇」超、非製造業で「下降」超となっている。
雇用情勢
<改善しつつある>
雇用情勢をみると、医療・福祉分野で新規求人の増加が続いていることなどから、有効求人倍率が 1.1 倍以上と堅
調に推移していることに加え、事業者都合による離職者の減少が続くなど、全体としては改善しつつある。
≪ その他の項目 ≫
住宅建設
公共事業
企業倒産
新設住宅着工戸数でみると、分譲で前年を下回っているものの、持家・貸家で前年を
上回っていることから、全体では前年を上回っている。
前払金保証請負金額でみると、国や市町村などで前年を下回っているものの、県や地
方公社で前年を上回っていることから、全体では前年を上回っている。
倒産件数、負債総額ともに前年を大幅に下回っている。
県内の経済情勢に関する生の声 <ヒアリング結果>
個人消費
タオルやスキンケア用品などシーズン商品が好調に推移したほか、猛暑により飲料などの売上が増加したも
のの、例年より気温が高かったことから秋物衣料を中心に衣料品が前年を大きく下回っている。
(小売業)
7 月はクリアランスセールの売れ行きが良かったものの、8 月は山の日の制定により祝日が増えているにも関
わらず猛暑により秋物衣料の売れ行きが伸び悩み、9 月は台風などの影響で来店客数が減少するなど、全体では
厳しい状況。
(小売業)
天候不順による野菜の価格高騰などで生鮮食品をはじめ厳しい状況が続くなか、中食志向の高まりにより惣
菜が堅調であることに加え、猛暑の影響により飲料が好調に推移。
(小売業)
昨年の宿泊者限定キャッシュバックキャンペーンによる反動減から客室稼働率は前年を下回ったものの、外
国人宿泊客が増加しており客室単価も上がっていることから、全体では堅調に推移。
(宿泊業)
生産活動
リチウムイオン電池にかかる電子部品関連製造装置の受注が伸びていることから、全体で好調に推移。
(製造業)
法改正の影響で非住宅向けの資材受注が好調に推移していることに加えて、足元で戸建を中心に一般住宅向
けの資材受注が持ち直してきており、全体として好調に推移。
(製造業)
液晶関連は受注先である中国の取引先が設備投資を一段落させており、低調に推移している。
(製造業)
企業収益
中国やアジア新興国経済減速などの影響により、工作機械の受注が減少しており減益見込み。
(製造業)
庁舎や文化センターなどの官庁関係に加えて、マンションや医療・福祉施設など民間関係も堅調であること
から増益見込み。
(建設業)
雇用情勢
パートの人材が不足しているものの、募集をかけても応募がない。そのため、配膳などで人手が不足してい
る状態が続く。
(宿泊業)
雇用条件が良い他社へ人が流れており、人手の確保が難しい状況。
(製造業)