財務省近畿財務局 News Release 和歌山財務事務所 Kinki Local Finance Bureau Ministry of Finance 平成 29 年 1 月 25 日 和歌山県内経済は、緩やかに持ち直している (和歌山県内経済情勢報告) 先行きについては、各種政策効果などを背景に、県内経済が回復に向かうことが期待され る。ただし、海外景気の下振れなど、県内景気が下押しされるリスクが存在しており、これ らの動向を注視していく必要がある。 【総括判断】 【各項目の判断】 ※ 29 年 1 月判断は、前回 28 年 10 月判断以降、29 年 1 月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判断している。 (連絡・問い合せ先) 財務省 近畿財務局 和歌山財務事務所 財務課 ℡:073-422-6142 【主な項目】 個人消費・・・緩やかに持ち直している 百貨店・スーパー販売額(既存店ベース)は、飲食料品は前年を上回っているものの、 衣料品、身の回り品、家具・家電・家庭用品が前年を下回っており、全体では前年を下回 っている。 コンビニエンスストア販売額等(全店ベース)は、カウンター商品や惣菜が好調であり、 前年を上回っている。 自動車新車登録届出台数は、普通車、小型車は新型車などを中心に好調であり前年を上 回っているものの、軽自動車は前年を下回っており、全体では前年をわずかに下回ってい る。 観光の動向は、国内観光客、外国人観光客ともに堅調に推移している。 生産活動・・・回復しつつある 企業の生産活動は、鉱工業生産指数では主要業種である、鉄鋼業では上昇しており、機 械工業、化学工業では下降しているものの引続き高水準で推移していることから、総じて みると回復しつつある 。 雇用情勢・・・緩やかに改善しつつある 雇用情勢は、新規求人数は減少の動きがみられるものの、有効求人倍率は引続き高い水 準で推移しているなど、緩やかに改善しつつある。 設備投資・・・28 年度は前年を上回る計画 企業の設備投資は、法人企業景気予測調査(28 年 10-12 月期)でみると、28 年度通期の 設備投資は、全産業で前年を上回る計画となっている。産業別では、製造業、非製造業と もに前年を上回る計画となっている。 企業収益・・・28 年度は減益見込み 企業収益は、法人企業景気予測調査(28 年 10-12 月期)でみると、28 年度通期の経常利 益は、全産業で減益見込みとなっている。産業別では、非製造業では増益見込みとなって いるものの、製造業では減益見込みとなっている。 【その他項目】 住宅建設・・・前年を上回る 住宅建設は、新設住宅着工戸数(3 ヶ月後方移動平均値)でみると、全体では前年を上回 っており、内訳では、貸家で前年を下回っているものの、持家、分譲で前年を上回ってい る。 公共事業・・・前年を下回る 公共事業は、前払金保証請負金額(年度累計額)でみると、前年を下回っている。内訳 でみると、県で前年を上回っているものの、国、市町村、独立行政法人等で前年を下回っ ている。 企業倒産・・・倒産件数、負債総額ともに前年を下回る 企業倒産は、倒産件数、負債総額ともに前年を下回っている。 景況判断・・・「下降」超となっている 企業の景況判断は、法人企業景気予測調査(28 年 10-12 月期)の景況判断 BSI でみると、 全産業で「下降」超となっている。 産業別では、製造業では「上昇」超となっているものの、非製造業では「下降」超とな っている。 規模別では、中堅企業では「上昇」超となっているものの、大企業、中小企業では「下 降」超となっている。 (参 考) 和歌山県内の経済情勢に関する「生の声」【ヒアリング結果】 (個人消費) ○ 10 月上旬をボトムに売上は回復している。特に 11 月から気温低下の影響もあり、衣 料品は売れ始めている。 ○ (小売業) 同じ商品であればより安さを求めて他店を回る客が増えている印象はあるものの、 客数、客単価ともにほぼ横ばい。 ○ (小売業・中小企業) 前年比で購入客数や客単価は横ばいか若干のマイナスであるが、9 月以前よりも客単 価のマイナス幅は縮小している。 ○ (小売業) 既存店では客数の減少がみられるものの、コーヒーなどのカウンター商品や惣菜が好 調で、客単価は上昇している。 ○ (小売業) 競合が厳しいことに変わりはないものの、新車販売の売上は新型車を中心に好調で 前期と比べると伸びている。 ○ (自動車販売・中小企業) 白物家電を中心に旧型製品の売れ行きが好調であり、売上は前年比でプラス。 (家電販売) ○ 国体による特需や、宿泊施設が耐震工事により休館した影響で、前年比でみると宿 泊客は減少したが、例年よりは宿泊客が来ている。 (観光関係団体) (生産活動) ○ 主要取引先の自動車販売が中国市場で好調であることから、受注が増え工場はフル 稼働の状態。 ○ (機械工業・中小企業) 一部主力商品の販売数量が伸びていることから、生産は堅調である。 (化学工業) ○ 自動車や建設分野の需要が緩やかながら回復している。但し、主力商品の需要回復 の動きはまだ見られない。 (鉄鋼業) (雇用情勢) ○ 社会保険適用拡大により、労働時間を短縮するパートが増えてシフト調整が難しく なっており、人手不足が続いている。 ○ 社員の平均年齢が高くなってきており、技術継承が懸念事項。高卒の採用を増やし ている。 ○ (小売業・大企業) (機械工業・中小企業) 失業による求職というより、より良い条件の職を求める求職者が増えてきている。 (人材派遣業)
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