平成 28 年 8 月 2 日 佐賀県内経済情勢報告 平成２８年８月 財務省福岡財務支局 佐賀財務事務所 ＜お問い合わせ先＞ 佐賀市駅前中央 3 丁目 3 番 20 号 佐賀第 2 合同庁舎 財務省福岡財務支局 佐賀財務事務所 電話 財務課 （０９５２）３２－７１６１ ホームページアドレス http://fukuoka.mof.go.jp/html/saga/ １．総論 県内経済は、持ち直しつつある。 先行きについては、雇用環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩 やかに景気回復に向かうことが期待される。ただし、中国をはじめとするアジア新 興国等の景気の下振れなど、景気を下押しするリスクや金融資本市場の変動の影響 に注視する必要がある。 【総括判断】 前回(28 年 4 月判断) 今回(28 年 7 月判断) 前回と 総括判断の要点 の比較 個 人 消 費 は緩 や か に 持ち直しつつある。生 産は平成 28 年（2016 総 括 判 断 持ち直しつつある 年）熊本地震による影 持ち直しつつある 響 が 一 部 にみ ら れ た ものの、持ち直しつつ ある。また、雇用は緩 やかに改善している。 【各項目の判断】 項 目 個 人 消 費 前回 今回 前回と （28 年 4 月判断） （28 年 7 月判断） の比較 緩やかに持ち直しつつある 緩やかに持ち直しつつある 熊本地震による影響が一部にみ 生 産 活 動 持ち直しつつある られたものの、持ち直しつつあ る 雇 用 情 勢 改善しつつある 緩やかに改善している 住 宅 建 設 前年を下回っている 前年を上回っている 設 備 投 資 27 年度は前年度を上回る見込み 28 年度は前年度を上回る見通し 公 共 事 業 前年度を下回っている 前年度を上回っている 企 業 収 益 27 年度は減益見込み 28 年度は減益見通し （注）28 年 7 月判断は、前回 28 年 4 月判断以降、28 年 7 月に入ってからの足下の状況までを含めた期 間で判断している。 １ ２．各論 （主要項目） 個人消費 【緩やかに持ち直しつつある】 個人消費をみると、百貨店・スーパー販売は、衣料品は前年を下回ったものの、飲食料品では イベント関連商品や季節商品等が好調で、前年を上回っていることから、全体では前年を上回っ ている。コンビニエンスストア販売は、引き続き好調となっている。乗用車販売は、普通車は前 年を上回っているものの、小型車、軽自動車が前年を下回っており、全体では前年を下回ってい る。家電販売は、エアコン等が好調である。 生産活動 【熊本地震による影響が一部にみられたものの、持ち直しつつある】 生産活動は、鉱工業生産指数をみると、一般機械、輸送機械等で低下していることから、全体 では低下しているものの、食料品等で上昇しているほか、電気機械器具は高い水準にある。また、 生コンクリート出荷数量は、前年を下回っている。 雇用情勢 【緩やかに改善している】 雇用情勢は、有効求人倍率は、上昇している。新規求人数は、宿泊業・飲食サービス業、建設 業等で増加していることから前年を上回っている。新規求職者数は、前年を下回っている。 （その他項目） ○ 住宅建設は、新設住宅着工戸数をみると、前年を上回っている。 ○ 設備投資を法人企業景気予測調査(２８年４～６月期)でみると、２８年度は、製造業は前年比 41.8％の増加見通し、非製造業は同 12.1％の増加見通しとなっており、全産業では同 30.1％の 増加見通しとなっている。規模別にみると、大企業、中小企業は増加見通し、中堅企業は減少見 通しとなっている。 ○ 公共事業は、公共工事前払金保証請負金額（２８年度累計）をみると、前年度を上回っている。 ○ 企業収益を法人企業景気予測調査(２８年４～６月期)でみると、２８年度の経常利益(｢電気･ ガス･水道業」及び「金融業、保険業」を除く）は、製造業は前年比4.6％の減益見通し、非製造 業は同24.2％の減益見通しとなっており、全産業では同9.9％の減益見通しとなっている。規模 別にみると、大企業、中堅企業は減益見通し、中小企業は増益見通しとなっている。 ○ 企業の景況感を法人企業景気予測調査(２８年４～６月期)の景況判断ＢＳＩでみると、２８年 ４～６月期は、全産業では「下降」超に転じている。業種別にみると、製造業は「下降」超に転 じており、非製造業は引き続き「下降」超となっている。規模別にみると、大企業、中堅企業は 「下降」超となり、中小企業は「下降」超に転じている。先行きについては、２８年７～９月期 は、全産業では「上昇」超に転じる見通しとなっている。 ○ 企業倒産は、件数は前年を上回っている。 ○ 消費者物価（佐賀市）は、前年を上回っている。 ２ ３．県内景気に関する地域の声 個人消費について ○ 熊本地震で供給が寸断された結果、商品の入荷に影響し売上が減少したものの、イベン ト関連商品の売上が好調であるほか、素材の高級感をアピールした食品が好調であった。 （小売、大型店） ○ 飲食料品の売れ行きがよく、特に季節商品の売上が好調であり、全体では前年を上回っ ている。 （小売、大型店） ○ 飲食料品等の売れ行きは前年と比べて堅調に推移しているものの、衣料品は低調となっ ており、全体では前年を下回っている。 （小売、大型店） ○ 熊本地震の影響によるインバウンド需要の落ち込みがみられる一方で、エアコン等の季 節商品の売上が好調であった。 （小売、家電量販店） ○ 普通車は、新型車が好調で前年を上回っているものの、小型車、軽自動車は、引き続き 厳しい状況にある。 （自動車販売団体） 生産活動について ○ 熊本地震の影響により、一時的に操業を停止したことから、４月の生産量が計画の半分 ほどに減少したものの、５月以降の生産量を増やしており、足下では高操業の状態が続い ている。 （輸送機械、中堅企業） ○ 取引先の設備投資が進まず、国内向けの受注が減少したため、全体では前年を下回って いる。生産は、前四半期までと比較すると操業度は低下しているものの、高い水準となっ ている。 （一般機械、中小企業） ○ 一般向けの受注はやや減少しているものの、電力会社向けは引き続き好調で全体として は高い水準であり、生産は高操業の状態が続いている。 （電気機械器具、大企業） 雇用情勢について ○ 派遣社員が退職したため、工場の製造部門で不足感がある。ハローワーク等で募集して いるが、充足していない。 （食料品製造業、中堅企業） ○ 新規出店を行った店舗において人員が不足しているため、常に募集をしているが、応募 がなく充足していない。今後も新規出店を行う予定であるので、従業員数を更に増加させ る見通しである。 （小売業、大企業） ○ 有効求人倍率は引き続き上昇しているほか、正社員の有効求人倍率が高い水準で推移し ていることから、雇用環境は良い状況が続いている。（労働局） ３
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