短期予報解説資料1 2016年 9月19日03時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①非常に強い台風第 16 号は、東 シナ海を北東に進んでいる。18 日夜から眼が明瞭となった。 台風 周辺には活発な対流雲域が形成 されている。 ②前線が西日本から東日本に停 滞。 前線上の低気圧が日本の東を 東北東進中。前線に向かって、台 風第 16 号の東側を回り込む下層 暖湿気(850hPaの相当温位 345K 以上)が流れ込み、西日本の前線 近傍及び暖域側では非常に激し い雨を解析。発雷も検知。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①台風第 16 号は東シナ海を北東に進み、予報円の中心を進むと、19 日夜遅くから 20 日未明にかけて、 強い勢力で九州に上陸するおそれがある。台風は 20 日には次第に勢力を弱めながら西日本の太平洋側 を東北東進する。19 日午後から 20 日にかけて、九州を中心とした西日本では、暴風やうねりを伴った 高波、大雨に警戒。高潮に警戒・注意。21 日前半には、台風は東日本の太平洋側を東北東進する見込 み。21 日には東日本を中心に、暴風(強風)や高波、大雨に警戒・注意。21 日午後には、台風は日本の 東に抜け、21 日夜までには温帯低気圧に変わる見込み。 ②1 項②の前線は、台風の接近に伴い、下層暖湿気の流入が強まり、活動が活発となる。19 日は西日 本を中心に、20 日は西日本・東日本の広い範囲で、雷を伴った非常に激しい雨や、局地的には猛烈な 雨が降り、大雨となるおそれがある。とくに 20 日は前線による降水に加えて台風本体の影響も受ける ため、雨量が増える見込み。これまでの大雨により地盤の緩んでいる所もあり、土砂災害に厳重に警 戒し、低い土地の浸水、河川の増水やはん濫に警戒。落雷や竜巻などの激しい突風に注意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は最新 GSM を基本とするが、雨や風の分布・強度は MSM も参考にする。台風に伴う風や波 の予想は最新の台風情報に基づき適宜修正。 4.防災関連事項 [量的予報と根拠] ①大雨ポテンシャル(06 時からの 24 時間):九州南部 300、九州 北部 250、四国 150、中国 120、近畿・伊豆諸島・奄美 100 ㎜②波浪(明日まで):九州南部・奄美・四国・ 近畿 7、東海 6、九州北部・沖縄 5、中国 4、関東・伊豆諸島・東北 3m。③高潮(明日まで):大潮の時 期。九州や瀬戸内海では警報基準に接近・超過の所がある。 5.全般気象情報発表の有無 「台風第 16 号に関する情報(総合情報) 」を 5 時頃に発表予定。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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