短期予報解説資料1 2016年12月2日15時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①500hPa5100m 付近のカットオ フした-36℃以下の寒気を伴うト ラフは、 サハリン付近をゆっくり 北東進。トラフに対応して、急速 に発達中の低気圧が、 オホーツク 海を北東に進んでいる。 ②500hPa の気温は、1 日 21 時に 比べて 2 日 9 時は、稚内-32.9℃ から-35.3℃に下降したが、輪島 では-26.3℃から-25.1℃へ上昇 し、 中層の寒気による北日本への 影響は弱まり傾向。変わって、北 日本では冬型の気圧配置が強ま り、850hPa の気温は、1 日 21 時 に比べて 2 日 9 時は、稚内-5.1℃から-11.1℃、札幌-3.7℃から-9.3℃、秋田-2.3℃から-6.5℃へと、そ れぞれ下降し、下層寒気移流が強まっている。衛星画像では、北日本の日本海側から太平洋側にかけ て、寒気の吹き出しによる筋状雲が確認でき、宗谷岬や襟裳岬では、20m/s を超える非常に強い風を観 測し、東北でも 18m/s 前後の強い風を観測、北日本の海は 6m を超える大しけとなっている。3 時間降 雪量は、北海道で 5cm 程度、東北で 1 ㎝程度を観測。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①1 項①の低気圧は、2 日夜にかけて発達しながらオホーツク海を北東に進み、中心気圧は 960hPa に 達する見込み。3 日は、1 項①のトラフに取り込まれ、低気圧は衰弱傾向となるが、1 項②の冬型の気 圧配置の強い状態は、3 日はじめにかけて続く。北海道を中心に、3 日明け方にかけて、暴風、猛ふぶ きや吹きだまりによる交通障害、高波に警戒し、大雪による交通障害やなだれに注意。その他、2 日は 北日本中心に強風に注意し、3 日にかけて、北日本や南西諸島を中心に高波に注意。 ②3 日は、大陸の高気圧が移動性となって、日本付近を覆うため、北日本の冬型の気圧配置も午後は次 第に緩む。3 日午後からは、高気圧の中心が日本の東に移り、日本付近には湿った空気が流入し始め、 4 日朝には、500hPa5700m 付近の華中のトラフに対応して、九州西海上に低気圧が発生する見込み。ト ラフの深まりは弱く、激しい雨など強雨の予想はないが、降水の予想には不確実性があることに留意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 総観場は最新 GSM を基本とする。雨・雪の強度や分布・降水種別、風は MSM も参考にする。 4.防災関連事項 [量的予報と根拠] ①大雪ポテンシャル(18 時からの 24 時間):北海道 15、東北 10cm。 ②波浪(明日まで):北海道・東北 6、北陸 5、沖縄 3m。 ③高潮(明日まで):大潮時期。北海道太平洋側では、注意報基準に近づく所がある。 5.全般気象情報発表の有無 「暴風雪と高波に関する全般気象情報」を 17 時頃に発表予定。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
© Copyright 2024 ExpyDoc