短期予報解説資料1 2016年10月13日15時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①日本付近は、 日本海と黄海に中 心を持つ高気圧に覆われている。 高気圧の中心が、 やや北に偏って いるため、 東よりの湿った空気の 入りやすい、 関東や西日本太平洋 側を中心に、 雲が広がり雨の降っ ている所もある。 ②バイカル湖の東には、 500hPa5400m付近の-30℃の寒気 を伴うトラフがあって、 東進して いる。衛星水蒸気画像では、トラ フに対応するバウンダリーが見 られ、暗化が進んでいる。 ③南西諸島では、北東風と、東よ りの風によるシアーが形成され、 沖縄の東海上では対流雲が発達して、発雷検知し、激しい雨を解析。 ④バシー海峡付近には、寒冷渦があって北上中。衛星水蒸気画像では、対応する循環が確認できる。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①14 日にかけて、西日本・東日本は 1 項①の高気圧に覆われて晴れる所が多いが、500hPa5700~5760m 付近の強風帯が上空に位置しており、強風帯に対応する中上層雲が広がりやすい。また、太平洋側の 東よりの湿った空気の入りやすい場所では、陸風との収束による雨の強まりに留意。 ②1 項①の高気圧と日本の南の前線の間では、気圧の傾きが大きく、風が強まり、吹送距離の長い東よ りの風のため波高が高まる見込み。南西諸島~東日本の太平洋側では、強風や高波に注意。 ③1 項②のトラフは、14 日日中北日本を通過する見込み。トラフの深まりはなく、広範囲での不安定 とはならない予想だが、今後のトラフに対応する衛星の暗域の動向にも注視し、北海道を中心に、落 雷や突風、短時間強雨に注意。 ④南西諸島には、1 項③のシアーが 14 日にかけて停滞する見込み。下層には、850hPaθe345K 以上の 暖湿気が流入し、大気の状態が不安定。14 日には、1 項④の寒冷渦が南西諸島に到達するため、さら に不安定化するおそれ。落雷や突風、短時間強雨に注意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は最新の GSM を基本とする。風や雨の予想は MSM を参考にする。 4.防災関連事項 [量的予報と根拠] ①大雨ポテンシャル(18 時からの 24 時間):高い所(100mm 以上)はないが、2 項の短時間強雨に注意。 ②波浪(明日まで):奄美・沖縄 4、伊豆諸島・九州南部 3m。 ③高潮(明日まで):大潮時期。西日本で、注意報基準に接近・超過する所がある。 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はありません。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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