やはり俺の軽音マネジメントは間違っている 沢野ゆず ︻注意事項︼ このPDFファイルは﹁ハーメルン﹂で掲載中の作品を自動的にP DF化したものです。 小説の作者、 ﹁ハーメルン﹂の運営者に無断でPDFファイル及び作 品を引用の範囲を超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁 じます。 ︻あらすじ︼ 勢いで書いた。反省と後悔はしています。なのでチラシ裏投稿。 目 次 やはり俺の軽音マネジメントは間違っている ││││││││ 1 やはり俺の軽音マネジメントは間違っている ﹃中学校生活で身についた知識とそれについての考察 1│2 17番 比企谷八幡 集団とは、嘘であり、悪である。場合によっては世界への冒涜にも なりうる、忌むべき存在である。 集団に身を置く者達は、常に自己と周囲を欺く。そしてその記憶を 楽しい思い出として心に刻むのだ。彼等に掛かればイジメも、嘘告白 もボディペイントも異物混入︵体内︶も万引きも傷害も、そして裁判 でさえも、輝かしくも楽しく、そして美しい思い出でしかない。 例を挙げよう。仮に集団でいることでイジメも裁判でさえも罪の 意識なく行えてしまうのであれば、大規模テロやクーデター、大虐殺 ﹂ ⋮⋮ごめんなさい、調子乗りました。 反省 してるしてる。ハチマン、ウソ、ツカナイ。 してくれやがったのは恩師の平塚先生だ。因みに独身で、口癖は﹃結 婚﹄。え ? だったかな ﹂ ﹁比企谷、私が君達新一年生に最初の現国の授業で課した宿題は何 ﹁はあ、作文ですが﹂ ? ? 1 でさえも正当なものになるはずだ。だがそれを彼らは認めようとし ないだろう。簡単な話である。ご都合主義、要は彼らは自分さえよけ れば良いのだ。 違うであろう。テロも殺人も糾弾されるべき重罪だ。 結論を言おう。 これはなんだ、比企谷 ぼっちこそ至高にして究極の存在である。リア充爆発しろ。﹄ ﹁それで ? こんにちは、俺の名前は比企谷八幡。ピッカピカの高校一年生だぜ ? そんなちょっぴりお茶目ボーイ比企谷八幡の作文を職員室で朗読 ! 現国担当のくせして白衣が異常に似合う︵着用中︶の俺達の担任教 師は俺が内容を忘れたとでも思っているのか、呆れながらも訊いてく る。きちんと理解した上で書いたはずなのだが。 ﹁はあ、たしか⋮⋮二週間後、つまり今日までに﹃中学校三年間﹄を 題材に自由なテーマで400字詰め原稿用紙半分以上作文する。恋 愛のテーマは減点対象だったはずですが﹂ ﹁合っているな。正しくそのとおりだ、君の記憶力はなかなかのも のだ﹂ ﹁はあ⋮⋮﹂ こちらとしては恋愛のテーマが減点対象であることに若干の私怨 と残りの嫉妬を感じざる負えない。なにそれ全部妬みじゃねぇか。 ﹂ ﹁で、だ。どうしてそれがこうなる 本格的なテロリストなのか と疑ってしまうぞ﹂ ﹁ペr⋮⋮ダメでしたでしょうか ﹁そこでだ。君にはいくつかの選択肢がある。一つ、3日間の教師 欲しいのであろう。 つまりは﹃これこれをして、この生徒は反省しました﹄という事実が 確かに教師がそういうことを言うのはあまりよろしくないだろう。 ﹁なるほど﹂ 処をせねばならないのだよ﹂ ﹁幾ら個人としては賛同できるとはいえ、教師としては何らかの対 帰って折れた心を癒したい。俺ってニートなのか⋮⋮。 だからという訳では無いのだが、今日はいつも以上に早く帰りたい。 ﹃部活してないとニートになる﹄という暴論が飛び交っていたのだ。 今日は入学かる二週間後。それはあまり関係ないが、後ろの席で ﹁ならなんで呼び出したんですか﹂ 一つでしかないのだし、私個人としては概ね賛成だ﹂ いたまえ。││ダメではないよ。比企谷の考えもまた多くの考えの ﹁教師としてはあのようなアニメはオススメ出来ないな。学外でい ? の雑用。二つ、ボランティア活動を最長一日行う。三つ、部活動に加 入する﹂ 2 ? ふむ。一番人と関わらずに済むのはボランティア活動か。でも屋 外のボランティアは絶対に嫌だな。となると、部活動か。教師苦手だ し。部活動かー、文芸部とか美術部とかの人数少なくて特に活動も無 いような部活があればいいけどな∼。ニート嫌だし。ここは部活に 入ってニート脱出しかない。俺の夢は専業主夫であってニートでは ない。ニートではない︵迫真︶。 と、俺が唸っていると平塚先生は言った、 ﹁なに、焦って決めることは無い。今日一日悩んでみることだ。家 族と相談してみるのもありだな﹂ ﹁分かりました﹂ ﹁答えは明日の放課後に聞くとしよう﹂ ﹁⋮⋮失礼します﹂ とりあえず帰って妹の小町と相談しよう。両親はどうせ興味ない だろうし。もう無関心過ぎて家族旅行の時も俺だけ置いていっちゃ お兄ちゃんが ﹂ !? ﹁ちょっと待ってて⋮⋮。││OK。あ、あの﹃働いたら負け﹄とか その涙はセルフで出して欲しかったな﹂ 言って、将来の夢が専業主夫のお兄ちゃんが⋮⋮﹂ ﹁小町、小町 がった。んなことしなくても可愛いのは⋮⋮ゲフンゲフン、メガイタ この妹、わざわざ席から立って棚から出した目薬で涙を演出しや ? 3 うレベル。プリキュア見れるからいいがな。 ﹂ 下らない思考に浸りながら帰路につく俺であった。 ﹁なぁ小町よ﹂ ﹁なぁにお兄ちゃん ﹁ええ ﹁お兄ちゃん部活に入ろうかと思うんだが﹂ りする。 で食事をするのである。小町が小さい頃はその関係で一悶着あった 因みに今は夕食をとっている途中。うちは共働きなので基本二人 お、おおう、なんでちょっと食い気味なんだよ。 ? そんなに驚くかね。たかが部活だぞ、妹よ。あ、驚きますね。 !? 小町は嬉しすぎて感激だよ ﹂ ⋮⋮まぁ、その入る部活を相談 ! カッタンダローナー。いや、無いか。 ﹁何部に入るの 日本語怪しいぞー しようと思ってな﹂ ﹁小町ー ? ﹂ の欄である。 ﹁小町。俺が楽器なんてできるわけないだろ ﹂ ﹂ ってあるし、上 俺だぞ ﹁うわー、凄い説得力。でもでも、ここに廃部寸前 手く行けば上手くいくんじゃない ? エンジェル な。さすが我が 妹 、小町。 ﹁それに桜ヶ丘って今年から共学になったんでしょ ﹁そうだな、軽音部にしよう﹂ そんな簡単でいいの だな。なにそれ小町が穢れる。 い ﹂ ﹂ 俺 の 人 生 の 中 心 は だ い た い 小 町。小 町 の 中 心 は ⋮⋮ 自 分 な に ﹁嬉しいこと言ってくれますのぅお兄ちゃん。小町的にポイント高 ﹁小町が決めてくれたことだしな﹂ ﹁あれ ﹂ たの。八幡検定一級当てちゃう。禁断の恋に手を伸ばせば免許皆伝 ばいいということか。やだこの子いつからこんなに使える子になっ 男子が壊滅的に少ないが故に、女子が活動してるときの雑用になれ ? 確かに。一人で部活やってりゃ活動なんてしなくていいだろうし ! ? 小町が指で指したのは俺が持って帰ったプリントの一角、 ﹃軽音部﹄ じゃない ﹁さすがお兄ちゃん、文化部は確定なんだね。ウ∼ン、こことかいん ﹁文化部の中でも楽なのがいいんだが⋮⋮﹂ 外。あ、邪魔ですね、すみません。 ホントに大丈夫だろうかこの子は。今度勉強教えてやろう、理系以 ? ? ? 星なのだ。ぼっち最高。 ﹂ ﹁そっか。小町も部活入ろっかな∼。どっかのマネージャーとか﹂ ﹁小町は新聞部とかいいんじゃないか ? 4 ? ? ? その太陽系。因みに俺には衛生どころか生物すら住まない。孤高の ? ! うん、向いてると思う。決してタッチ的展開を阻止しようとしてい るとかじゃない。断じて違う。 それはともかく、小町が部活に入るのは大歓迎だったりする。実は 家で一人の小町が心配だったのだ。小町ももう中学生なのだが、小町 にもいろいろあるのだ。詳しくは言わん。 ﹂ そんなに簡単で﹂ ﹁いいね∼。じゃそこにしよっと﹂ ﹁おいおい、いいのか 俺が聞くと小町はニヤッと笑って、 ﹁お兄ちゃんが決めてくれたことだしねっ た、たしかに⋮⋮﹂ ﹁﹁ご馳走様でした﹂﹂ わーてきとうだなー。 ﹁あーはいはい﹂ ﹁でも八幡的にポイントカンストだぞ ﹂ 納得しちゃうのか、お兄ちゃん泣いちゃうよ ﹁はっ ﹁小町、残念だが俺にだけはその言葉は当てはまらない﹂ 町ちゃんっ と 言 っ た。俺 っ て そ ん な ド ヤ 顔 し て た で し ょ う か ⋮⋮。答 え て 小 ! ? ? ていたアニメを一話消化して寝た。下ネタになりたいってなんだよ 綾女さん。あんたかっこいいよ。 ﹁軽音部に入部しようと思います﹂ 時間をたーくさん飛ばしてまーきのっ。という訳で、最近見たテレ ビ並に時間を飛ばして翌日の放課後。べ、別に名前を忘れたとかじゃ 無いんだからねっ なって初めての新入生、しかも予想より男子少なめ、という時点でお まあ、男子部を作ろうと思えば作れるのだが、女子校から共学に 女子と柔道なんて出来ませんもんね。おい誰だ期待してたやつ。 男子の人数的に無理があったりはするが﹂ ﹁ふむ、君の性格上、まさかとは思っていたが⋮⋮。まぁ、運動部は ! 5 ! なんて言ってるうちに、二人でご飯を食べ終わり、その後は録画し ? ! 察しである。俺も入学式の時見たが、想像より少なかった。決して人 数忘れたとかじゃない。ましてやクラスでの人数とクラス数で大体 よろしい。少しここで待っていたまえ﹂ も出せないとかじゃない。ハチマンスウガクニガテ。 ﹁印鑑は持ってるかね ﹁ひゃいっ ﹂ ﹁あなたが比企谷君 ﹂ を疑うまである。裏がない人なんていないが。 の先生や生徒からでさえも受けがいい。人気過ぎてちょっと裏の顔 だ。整った顔に栗色の髪、確か名前は山中先生だ。下は知らんが、他 系美人の平塚先生とは違い、その人はまさにお淑やかといった感じ 巨乳なのにも関わらず、タバコと白衣が良く似合う所謂かっこいい なのかなにやら綺麗な先生を呼びに行った。 俺がポケットから出した印鑑を確認した平塚先生は、軽音部の顧問 ? 何かしらそれ 時はマッ缶下さい﹂。 ﹁ま、マッ缶⋮⋮ ﹂ ? け ら れ る と 声 が 変 に な り ま す。気 を 付 け ま し ょ う。 餌 を 与 え る プロぼっち志望、ぼっち中級者比企谷八幡。いきなり美人に話しか ? ﹂ ? ﹁そ、そう⋮⋮今度見つけたら飲んでみるわね﹂ じゃなかろうか。こんどHPから送ってみるか。 フッ、決まった。俺的キャッチフレーズ。これもう公式でもいいん は苦いから、コーヒーくらいは甘くてもいい﹂ ﹁確かに悪いですが、一日に何本と決めておけば大丈夫です。人生 ﹁体に悪いんじゃない ﹁甘いといっても、今先生が想像されている甘さの十倍程ですよ﹂ ﹁あ、甘そうね⋮⋮﹂ いいますが、コーヒー缶に入ったものを略してマッ缶です﹂ にコーヒーを加えた究極の飲み物です。正式にはMAXコーヒーと ばマッ缶かそれ以外ですね。コーヒーに練乳を入れた⋮⋮いえ、練乳 ﹁千葉県民のソウルドリンクです。寧ろ、千葉県民の飲み物といえ なので布教してみるか。 おっといけない。俺としたことが、声に出ていたらしい。せっかく ? 6 ! ﹁慣れないうちは他の飲み物も用意しといた方がいいですよ﹂ ﹂ ﹁なんか逆に飲んでみたくなっちゃったわ。それで、比企谷君は 軽音部に入りたいの マネージャーだと 貴様まさか音楽舐 ってなるかもだし。ならないですね、はい。 !? ﹂ ? 平塚先生も美人だし。違うんだからね。ぜ、絶対なんだからねっ あれか 元女子校だから﹃やだこれかわいー﹄﹃分か おいおい、自分が自分を 確かに可愛らしいのは認めるが俺 俺自分嫌いなの るぅー﹄ ﹃それあるぅー﹄ってやつ の妄想が腹立つな。あれ 否定したら誰が肯定してくれんだよ、俺の場合。 ? のだろう それにしても、この学校の階段にはなんで亀と兎のオブジェがある ! そう言って、俺は部屋を出た。別に美人に緊張したわけじゃない。 ﹁はい。失礼します﹂ 室は三階の、音楽準備室だから。行き方は分かる ﹁良かったぁ∼。実はね、軽音部が廃部寸前で困ってたのよ∼。部 めてんのかKILL ほら、あれだし。アァ ﹁はい。ですが、一度見学に行きたいな、と思いまして﹂ ヘッ☆⋮⋮似合わねー。 お っ と、す っ か り マ ッ 缶 話 に 熱 が 入 っ て し ま っ た。失 敗 失 敗。テ ? !! ? ﹂﹁へ ﹂﹁あら ﹂ ﹁失礼します。見学させてください﹂ ﹁お ? ? にお茶を飲んでいた。⋮⋮なんでや。 7 !? ? ? ? 下らない思考に耽りながら入った部屋の中では、三人の少女が優雅 ?
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