兵庫県感染症発生動向調査週報(速報) - 兵庫県立健康生活科学研究所

平成 28 年 8 月 25 日発行
兵庫県感染症発生動向調査週報(速報)
平成 28 年第 33 週(8 月 15 日~8 月 21 日)
兵庫県感染症情報センタ-(兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センター)
Hyogo Infectious Diseases Weekly Report
全国の情報は国立感染症研究所感染症疫学センタ-ホ-ムペ-ジにてご覧ください。 http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html
定点把握感染症(指定された医療機関から報告を求める感染症です)
流行性耳下腺炎
マイコプラズマ肺炎
定点あたり患者数は今週 1.57 人(先週 0.97 人)と
定点あたり患者数は今週 0.82 人(先週 1.36 人)と
増加しました。地域的には、伊丹保健所管内で注意
減少しました。地域的には、加古川及び赤穂保健所
報レベル基準値(定点あたり患者数 3 人)以上とな
管内の基幹定点(300 床以上の病院)から、直近 5
っています。
週間に 10 人以上の患者が報告されています。
直近 5 週間の患者 896 人の年齢分布は、6 歳 17%、
直近 5 週間の患者 67 人の年齢分布は、5~9 歳
5 歳 16%、4 歳 14%の順で、3~8 歳が全体の 76%を
43%、1~4 歳 24%、10~14 歳 16%の順で、20 歳未
占めています。
満が全体の 88%を占めています。
流行性耳下腺炎は、ムンプスウイルスによる感染
マイコプラズマ肺炎は、肺炎マイコプラズマの飛
症で、痛みを伴う急性の唾液腺腫脹が特徴です。発
沫感染によって生じる肺炎で、頑固で長期にわたる
症前後 1~2 週間は唾液にウイルスが排出されるた
咳が特徴です。予防対策として、患者との濃厚な接
め、感染を起こしやすくなります。予防対策として、 触を避け、手洗い、うがいなどを励行することが重
ムンプスワクチンの接種が有効です。
要です。
マイコプラズマ肺炎の定点あたり患者発生状況(県内)
流行性耳下腺炎の定点あたり患者発生状況(県内)
2.5
2
平成22年
平成24年
平成26年
平成28年
2
平成23年
平成25年
平成27年
平成24年
平成25年
平成26年
1.5
平成27年
平成28年
1.5
人 1
人
1
0.5
0.5
0
0
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
週
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
週
定点あたり患者数の上位 10 位の疾病
疾病名
定点あたり患者数
今週
増減
疾病名
先週
定点あたり患者数
今週
増減
先週
1位
感染性胃腸炎
3.75
3.92
-0.17
6位
突発性発しん
0.48
0.39
+0.09
2位
流行性耳下腺炎
1.57
0.97
+0.60
7位
咽頭結膜熱
0.45
0.34
+0.11
3位
マイコプラズマ肺炎
0.82
1.36
-0.54
8位
水痘
0.36
0.27
+0.09
A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎
0.63
0.78
-0.15
9位
流行性角結膜炎
0.29
0.17
+0.12
ヘルパンギ-ナ
0.63
1.42
-0.79
10 位
RS ウイルス感染症
0.23
0.34
-0.11
4位
平成 28 年 8 月 25 日発行
全数把握感染症(すべての医療機関から報告を求める感染症です)
腸管出血性大腸菌感染症
今週 5 名の報告があり、今年の累積患者数は 95 名
となりました。O 血清群別では、O157 が 56 名、O26
が 38 名、O121 が 1 名から検出されました。
年齢階級別では、10 歳未満 49%、30 歳代 15%の順
で多くなっています。推定感染経路として、肉の喫食
による経口感染が 23 名、家族等との接触感染疑いが
38 名報告されています。
肉・レバーなどの食品はよく加熱し、生食は控え
る、箸を使い分ける、普段から手洗いを励行するな
ど の 感 染 予防 が 大 切で す 。 溶血 性 尿 毒症 症 候 群
(HUS)等の重篤な合併症を発症しやすい小児・高
齢者は特に注意が必要です。
1 類感染症
2 類感染症
3 類感染症
腸管出血性大腸菌感染症の週別患者数(県内)
25
平成24年
平成25年
平成26年
20
平成27年
人
平成28年
15
10
5
0
1
4
7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
週
報告はありません。
結核 32名(神戸市 15 名、尼崎市 4 名、姫路市 1 名、西宮市 1 名、伊丹保健所管内 4 名、
宝塚保健所管内 1 名、加古川保健所管内 1 名、龍野保健所管内 1 名、赤穂保健所管内 1 名、
豊岡保健所管内 1 名、丹波保健所管内 1 名、洲本保健所管内 1 名)
腸管出血性大腸菌感染症 5名(有症者 5 名、うち HUS 0 名)(①姫路市;O157 VT1VT2;
女性 20 歳代、②姫路市;O157 VT1VT2;女性 2 歳、③伊丹保健所管内;O157 VT1VT2;女性
2 歳、④加古川保健所管内;O157 VT1VT2;男性 20 歳代、⑤加東保健所管内;O157 VT2;男
性 4 歳)(累積報告数 95 名;有症者 61 名、うち HUS 0 名)
1名(神戸市;肺炎型;男性 60 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:不明)
4 類感染症
レジオネラ症
5 類感染症
アメーバ赤痢 2名(①神戸市;腸管アメーバ症;男性 60 歳代;感染地域:兵庫県;感染経
路:不明、②龍野保健所管内;腸管アメーバ症;男性 50 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:
経口感染)
劇症型溶血性レンサ球菌感染症 1名(龍野保健所管内;女性 80 歳代;感染地域:兵庫県;
感染経路:不明)
侵襲性肺炎球菌感染症 1名(神戸市;女性 80 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:その他)
梅毒 1名(神戸市;早期顕症梅毒Ⅰ期;男性 40 歳代;感染地域:国内;感染経路:異性間
性的接触)
麻しん 1名(西宮市;検査診断例;男性 10 歳代;感染地域:インドネシア;感染経路:
飛沫・飛沫核感染;ワクチン接種歴:無)
平成 28 年 32
週までに診断
されたものの
報告遅れ
結核
梅毒
3名
1名
目で見る動向(県内)
アメーバ赤痢の累積患者数(県内)
40
30
梅毒の累積患者数(県内)
90
平成24年
平成25年
80
平成26年
70
平成27年
60
平成28年
人 50
40
人
20
平成24年
平成25年
平成26年
平成27年
平成28年
30
10
20
10
0
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
週
0
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
週
この週報は兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センタ-ホ-ムペ-ジ http://www.hyogo-iphes.jp/ にも掲載しています。
また、http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html から国立感染症研究所感染症疫学センタ-の週報(IDWR)がダウンロ-ドできます。