平成 28 年 9 月 8 日発行兵庫県感染症発生動向調査週報(速報) 平成 28 年第 35 週（8 月 29 日～9 月 4 日）兵庫県感染症情報センタ－（兵庫県立健康生活科学研究所：健康科学研究センター） Hyogo Infectious Diseases Weekly Report 全国の情報は国立感染症研究所感染症疫学センタ－ホ－ムペ－ジにてご覧ください。 http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html 全数把握感染症（すべての医療機関から報告を求める感染症です）麻しん今週 4 名の報告があり、今年の累積患者数は 10 名となりました。麻しんの初期症状は発熱と咳、咽頭痛、鼻水、眼球結膜の充血、目やに等のカタル症状です。これらの症状が数日続いたあと、発疹が出始めます。麻しんウイルスは極めて感染力が強く、約 10 ～12 日の潜伏期間を経て発症します。麻しんが疑われる場合は外出を控え、医療機関に事前に連絡してから受診してください。感染予防対策として、麻しん含有ワクチンの接種が重要です。麻しんの累積患者数（県内） 20 平成24年平成25年平成26年平成27年平成28年 15 人 10 5 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週腸管出血性大腸菌感染症今週 5 名の報告があり、今年の累積患者数は 106 名となりました。O 血清群別では、O157 が 67 名、 O26 が 38 名、O121 が 1 名から検出されました。年齢階級別では、10 歳未満 46％、30 歳代 18%、40 歳代 8%の順で多くなっています。推定感染経路として、肉の喫食による経口感染が 23 名、家族等との接触感染疑いが 43 名報告されています。肉・レバーなどの食品はよく加熱し、生食は控える、箸を使い分ける、普段から手洗いを励行するなどの感染予防が大切です。溶血性尿毒症症候群（HUS）等の重篤な合併症を発症しやすい小児・高齢者は特に注意が必要です。 1 類感染症 2 類感染症 3 類感染症 4 類感染症腸管出血性大腸菌感染症の累積患者数（県内） 180 160 平成24年平成25年 140 平成26年 120 平成27年人 100 80 平成28年 60 40 20 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週報告はありません。結核２３名（神戸市 7 名、尼崎市 2 名、姫路市 3 名、西宮市 2 名、伊丹保健所管内 2 名、宝塚保健所管内 1 名、明石保健所管内 1 名、加古川保健所管内 1 名、加東保健所管内 2 名、龍野保健所管内 1 名、洲本保健所管内 1 名）腸管出血性大腸菌感染症５名（有症者 5 名、うち HUS 0 名）（①神戸市；O157 VT1VT2；男性 30 歳代、②神戸市；O157 VT1VT2；男性 2 歳、③神戸市；O157 VT1VT2；男性 6 歳、④ 神戸市；O157 VT1VT2；女性 30 歳代、⑤尼崎市；O157 VT2；女性 70 歳代）（累積報告数 106 名；有症者 68 名、うち HUS 0 名）デング熱１名（加古川保健所管内；デング熱；男性 8 歳；感染地域：フィリピン；感染経路：動物・蚊・昆虫等からの感染）レジオネラ症１名（洲本保健所管内；肺炎型；男性 60 歳代；感染地域：兵庫県；感染経路：不明）平成 28 年 9 月 8 日発行 5 類感染症急性脳炎３名（①神戸市；病原体不明；男性 0 歳；感染地域：兵庫県；感染経路：不明、 ②神戸市；病原体不明；女性 0 歳；感染地域：兵庫県；感染経路：不明、③豊岡保健所管内；病原体不明；男性 60 歳代；感染地域：兵庫県；感染経路：不明）後天性免疫不全症候群１名（無症状病原体保有者；感染地域：不明；感染経路：不明）侵襲性肺炎球菌感染症２名（①神戸市；男性 2 歳；感染地域：兵庫県；感染経路：不明、 ②神戸市；男性 0 歳；感染地域：兵庫県；感染経路：不明）梅毒６名（①神戸市；早期顕症梅毒Ⅰ期；男性 30 歳代；感染地域：兵庫県；感染経路：異性間性的接触、②神戸市；無症状病原体保有者；女性 20 歳代；感染地域：兵庫県；感染経路：異性間性的接触、③神戸市；無症状病原体保有者；女性 20 歳代；感染地域：兵庫県；感染経路：性的接触、④神戸市；無症状病原体保有者；男性 70 歳代；感染地域：兵庫県；感染経路：異性間性的接触、⑤加東保健所管内；早期顕症梅毒Ⅰ期；男性 30 歳代；感染地域：兵庫県；感染経路：異性間性的接触、⑥加東保健所管内；早期顕症梅毒Ⅱ期；男性 50 歳代；感染地域：兵庫県；感染経路：異性間性的接触）麻しん４名（①神戸市；検査診断例；女性 40 歳代；感染地域：国内または中国；感染経路：接触感染；ワクチン接種歴：不明、②尼崎市；検査診断例；女性 20 歳代；感染地域：国内；感染経路：飛沫・飛沫核感染、接触感染；ワクチン接種歴：1 回目有、2 回目有、③尼崎市；検査診断例；男性 5 歳；感染地域：兵庫県；感染経路：不明；ワクチン接種歴：1 回目有、2 回目無、④西宮市；検査診断例；女性 10 歳代；感染地域：兵庫県；感染経路：飛沫・飛沫核感染；ワクチン接種歴：無）平成 28 年 34 週までに診断されたものの報告遅れ結核梅毒１名２名検査情報（兵庫県立健康生活科学研究所：健康科学研究センター）フィリピンへの渡航歴があるデング熱患者 1 名（男性 8 歳, 8/26 血液採取）からデングウイルス１型を検出しました。定点把握感染症（指定された医療機関から報告を求める感染症です）流行性耳下腺炎マイコプラズマ肺炎定点あたり患者数は今週 1.36 人（先週 1.37 人）と定点あたり患者数は今週 1.29 人（先週 1.27 人）とわずかに減少し、注意報レベル基準値（定点あたり増加しました。地域的には、加古川及び赤穂保健所患者数 3 人）以上の地域はなくなりました。管内の基幹定点（300 床以上の病院）から、直近 5 直近 5 週間の患者 864 人の年齢分布は、5 歳 16%、週間に 10 人以上の患者が報告されています。 6 歳 15%、4 歳 14%の順で、3～8 歳が全体の 74%を直近 5 週間の患者 69 人の年齢分布は、1～4 歳 36%、5～9 歳 33%、10～14 歳 16%の順で、20 歳未占めています。流行性耳下腺炎は、ムンプスウイルスによる感染満が全体の 87%を占めています。症で、痛みを伴う急性の唾液腺腫脹が特徴です。発マイコプラズマ肺炎は、肺炎マイコプラズマの飛症前後 1～2 週間は唾液にウイルスが排出されるた沫感染によって生じる肺炎で、頑固で長期にわたるめ、感染を起こしやすくなります。予防対策として、咳が特徴です。予防対策として、患者との濃厚な接ムンプスワクチンの接種が有効です。触を避け、手洗い、うがいなどを励行することが重要です。マイコプラズマ肺炎の定点あたり患者発生状況（県内）流行性耳下腺炎の定点あたり患者発生状況(県内) 2.5 平成22年平成24年平成26年平成28年 2 平成23年平成25年平成27年 2 平成24年平成25年平成26年 1.5 平成27年平成28年 1.5 人 1 人 1 0.5 0.5 0 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週平成 28 年 9 月 8 日発行定点あたり患者数の上位 10 位の疾病定点あたり患者数疾病名今週増減疾病名先週定点あたり患者数今週増減先週 1位感染性胃腸炎 5.41 4.77 ＋0.64 6位ヘルパンギ－ナ 0.58 0.87 －0.29 2位流行性耳下腺炎 1.36 1.37 －0.01 7位 RS ウイルス感染症 0.48 0.38 ＋0.10 3位ﾏｲｺﾌﾟﾗｽﾞﾏ肺炎 1.29 1.27 ＋0.02 8位突発性発しん 0.45 0.45 ±0.00 咽頭結膜熱 0.70 0.42 ＋0.28 9位流行性角結膜炎 0.34 0.54 －0.20 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 0.70 0.84 －0.14 10 位水痘 0.32 0.31 ＋0.01 4位目で見る動向（県内）咽頭結膜熱の定点あたり患者発生状況（県内） RSウイルス感染症の定点あたり患者発生状況（県内） 1.5 4 平成24年 1 3.5 平成25年平成26年 3 平成26年平成27年平成28年人平成24年平成25年平成27年 2.5 人平成28年 2 1.5 0.5 1 0.5 0 0 1 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週週急性脳炎の累積患者数（県内） 35 30 25 人平成24年平成25年平成26年平成27年平成28年 20 15 10 5 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週梅毒の累積患者数（県内） 100 90 80 70 60 人 50 40 30 20 10 0 平成24年平成25年平成26年平成27年平成28年 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週この週報は兵庫県立健康生活科学研究所：健康科学研究センタ－ホ－ムペ－ジ http://www.hyogo-iphes.jp/ にも掲載しています。また、http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html から国立感染症研究所感染症疫学センタ－の週報（IDWR）がダウンロ－ドできます。