平成 28 年 6 月 9 日発行 兵庫県感染症発生動向調査週報(速報) 平成 28 年第 22 週(5 月 30 日~6 月 5 日) 兵庫県感染症情報センタ-(兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センター) Hyogo Infectious Diseases Weekly Report 全国の情報は国立感染症研究所感染症疫学センタ-ホ-ムペ-ジにてご覧ください。 http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html 定点把握感染症(指定された医療機関から報告を求める感染症です) A 群 溶血性レンサ球菌咽頭炎 流行性耳下腺炎 定点あたり患者数は今週 2.28 人(先週 2.28 人)と 定点あたり患者数は今週 1.27 人(先週 0.89 人)と 変わっていません。地域的には、姫路市保健所管内 増加し、今年最大となりました。地域的には、明石 で警報レベル開始基準値(定点あたり患者数 8 人) 保健所管内で注意報レベル基準値(定点あたり患者 を超え、伊丹、加東、赤穂、朝来、丹波、洲本の 6 数 3 人)以上、芦屋、伊丹、加古川、龍野の 4 保健 保健所管内で定点あたり患者数 2 人以上となってい 所管内で定点あたり患者数 2 人以上となっています。 ます。 今年、県内の定点医療機関から報告された流行性 今年、県内の定点医療機関から報告された A 群溶 耳下腺炎の患者数は 2,439 人となり、その年齢分布 血性レンサ球菌咽頭炎の患者数は 5,500 人となり、 は、5 歳 17%、4 歳 15%、6 歳 13%の順で、3~8 歳 その年齢分布は、5 歳 15%、4 歳と 6 歳 12%、7 歳 10% が全体の 74%を占めています。 の順で、2~9 歳が全体の 79%を占めています。 流行性耳下腺炎は、ムンプスウイルスによる感染 学童・生徒を中心に学校、家族など集団での発生が 症で、痛みを伴う急性の唾液腺腫脹が特徴です。発 多く、マスクを着用し、鼻汁・唾液中の菌の飛散によ 症前後 1~2 週間は唾液にウイルスが排出されるた るヒトからヒトへの感染を防ぐことが重要です。 め、感染を起こしやすくなります。予防対策として、 ムンプスワクチンの接種が有効です。 3.5 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の 定点あたり患者発生状況(県内) 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 3 2.5 人 流行性耳下腺炎の定点あたり患者発生状況(県内) 2.5 2 平成22年 平成24年 平成26年 平成28年 2 平成23年 平成25年 平成27年 1.5 人 1 1.5 1 0.5 0.5 0 0 1 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 定点あたり患者数の上位 10 位の疾病 疾病名 定点あたり患者数 今週 増減 疾病名 先週 定点あたり患者数 今週 増減 先週 1位 感染性胃腸炎 7.71 7.71 ±0.00 6位 水痘 0.47 0.65 -0.18 2位 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 2.28 2.28 ±0.00 7位 咽頭結膜熱 0.46 0.61 -0.15 3位 流行性耳下腺炎 1.27 0.89 +0.38 8位 伝染性紅斑 0.34 0.32 +0.02 4位 マイコプラズマ肺炎 0.64 0.18 +0.46 9位 ヘルパンギ-ナ 0.30 0.18 +0.12 5位 突発性発しん 0.55 0.51 +0.04 10 位 流行性角結膜炎 0.23 0.43 -0.20 平成 28 年 6 月 9 日発行 全数把握感染症(すべての医療機関から報告を求める感染症です) 1 類感染症 2 類感染症 3 類感染症 4 類感染症 5 類感染症 平成 28 年 21 週までに診断 されたものの 報告遅れ 報告はありません。 結核 26名(神戸市 10 名、尼崎市 3 名、姫路市 3 名、西宮市 1 名、伊丹保健所管内 1 名、 宝塚保健所管内 1 名、明石保健所管内 2 名、加古川保健所管内 1 名、加東保健所管内 1 名、 龍野保健所管内 2 名、豊岡保健所管内 1 名) 腸管出血性大腸菌感染症 3名(有症者 3 名、うち HUS 0 名)(①神戸市;O157 VT2;女 性 40 歳代、②神戸市;O157 VT2;男性 50 歳代、③姫路市;O157 VT2;女性 3 歳)(累積 報告数 8 名;有症者 6 名、うち HUS 0 名) レジオネラ症 1名(姫路市;肺炎型;男性 60 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:水系感 染) 劇症型溶血性レンサ球菌感染症 1名(加古川保健所管内;女性 60 歳代;感染地域:兵庫県; 感染経路:創傷感染) ジアルジア症 1名(神戸市;男性 70 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:不明) 侵襲性インフルエンザ菌感染症 1名(神戸市;女性 0 歳;感染地域:兵庫県;感染経路: 不明) 侵襲性肺炎球菌感染症 3名(①神戸市;女性 30 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:飛沫・ 飛沫核感染、②神戸市;男性 80 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:不明、③赤穂保健所管 内;女性 7 歳;感染地域:兵庫県;感染経路:不明) 梅毒 2名(①神戸市;無症状病原体保有者;女性 20 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路: 異性間性的接触、②尼崎市;早期顕症梅毒Ⅱ期;男性 20 歳代;感染地域:国内;感染経路: 異性間性的接触) 結核 2名 ウイルス性肝炎 1名 梅毒 3名 目で見る動向(県内) ヘルパンギーナの定点あたり患者発生状況(県内) マイコプラズマ肺炎の定点あたり患者発生状況(県内) 8 2 平成24年 平成24年 平成25年 平成25年 6 1.5 平成26年 平成26年 平成27年 平成27年 平成28年 平成28年 人 人 4 1 0.5 2 0 0 1 4 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 週 梅毒の週別患者数(県内) 腸管出血性大腸菌感染症の週別患者数(県内) 7 16 14 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成24年 平成25年 6 12 平成26年 平成27年 5 10 平成28年 人 人 8 4 3 6 2 4 1 2 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 この週報は兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センタ-ホ-ムペ-ジ http://www.hyogo-iphes.jp/ にも掲載しています。 また、http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html から国立感染症研究所感染症疫学センタ-の週報(IDWR)がダウンロ-ドできます。
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