平成 27 年 1 月 15 日発行 兵庫県感染症発生動向調査週報(速報) 平成 27 年第 2 週(1 月 5 日~1 月 11 日) 兵庫県感染症情報センタ-(兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センター) Hyogo Infectious Diseases Weekly Report 全国の情報は国立感染症研究所感染症疫学センタ-ホ-ムペ-ジにてご覧ください。 http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html 定点把握感染症(指定された医療機関から報告を求める感染症です) インフルエンザ 定点あたり患者数は今週 34.63 人(先週は 13.31 人)と急増し、昨年末の患者数 31.21 人を上回りまし た。地域的には、県下 17 保健所管内中 12 保健所管内が警報レベル開始基準値(定点あたり患者数 30 人) 以上で、その他の 5 保健所管内もすべて定点あたり患者数 20 人以上となっています。 直近の 5 週間に報告された患者 19625 人の年齢分布は、5~9 歳 27%、10~14 歳 21%、4 歳以下 17%の 順です。15 歳未満が 65%を占めていますが、52 週以降では 20 歳以上の患者が急増しています。 インフルエンザの入院患者を対象とするサーベイランスでは今シーズン 117 人の報告があり、うち 14 人 が集中治療室、人工呼吸器、脳波検査等を利用しています。患者の年齢分布は、80 歳以上 36%、1~9 歳 17%、 70 歳代 15%、60 歳代 9%、1 歳未満 8%の順となっています。 学級閉鎖等の状況では、今週は、東播磨地域の小学校から学級閉鎖が 1 件報告されています。 当研究所では今シーズン、県内の患者から AH3N2 亜型(A 香港型)47 件、B 型(山形系統)1 件のイン フルエンザウイルスを検出しています。 インフルエンザの予防として、手洗い、うがい、咳エチケットの励行、マスクの着用など、インフルエン ザに罹らない、広げない対策が重要です。また、感染が疑われる場合は早めの受診が重要です。 インフルエンザの定点あたり患者発生状況(県内) 50 平成23年 平成24年 40 平成25年 平成26年 30 1 2 3 4 平成27年 人 20 10 52 週 1週 2週 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 (例年の地域別患者数を基準に流行状況を色分けしています。) 週 感染性胃腸炎 定点あたり患者数は今週 8.74 人(先週は 2.46 人) と増加しました。 感染性胃腸炎の定点あたり患者発生状況(県内) 20 平成23年 施設・学校における感染症集団発生状況では、今 18 平成24年 週は、高齢者等社会福祉施設から感染性胃腸炎の集 16 平成25年 14 平成26年 12 平成27年 団発生が 1 件報告されています。 感染性胃腸炎は多種多様な原因による症候群です が、この時期の患者はノロウイルスによるものが多 いと言われています。ノロウイルスは患者の大便や 吐物中に大量に含まれており、感染力が非常に強い ウイルスです。感染を拡大させないためには、手洗 いの励行を基本に、吐物などの後始末を素手で行わ ない、二枚貝類は十分に加熱して食べるなどの注意 が重要です。 人 10 8 6 4 2 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 ~ ~ ~ ~ ~ 平成 27 年 1 月 15 日発行 定点あたり患者数の上位 10 位の疾病 定点あたり患者数 疾病名 今週 1位 インフルエンザ 2位 増減 疾病名 先週 定点あたり患者数 今週 増減 先週 34.63 13.31 +21.32 6位 咽頭結膜熱 0.50 0.20 +0.30 感染性胃腸炎 8.74 2.45 +6.29 7位 流行性角結膜炎 0.49 0.09 +0.40 3位 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 1.76 0.30 +1.46 8位 突発性発しん 0.37 0.03 +0.34 4位 RS ウイルス感染症 1.65 0.90 +0.75 9位 手足口病 0.29 0.04 +0.25 5位 水痘 1.21 0.35 +0.86 10 位 流行性耳下腺炎 0.19 0.06 +0.13 全数把握感染症(すべての医療機関から報告を求める感染症です) 1 類感染症 報告はありません。 2 類感染症 結核 20名(神戸市 7 名、尼崎市 2 名、姫路市 1 名、西宮市 2 名、伊丹保健所管内 1 名、 宝塚保健所管内 1 名、加古川保健所管内 1 名、龍野保健所管内 2 名、赤穂保健所管内 1 名、 洲本保健所管内 2 名) 3 類感染症 報告はありません。 4 類感染症 報告はありません。 5 類感染症 ウイルス性肝炎 1名(神戸市;B 型;女性 20 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:異性間 性的接触) 急性脳炎 1名(尼崎市;病原体不明;女性 1 歳;感染地域:兵庫県;感染経路:経口感染) 侵襲性肺炎球菌感染症 4名(①神戸市;女性 80 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:不明、 ②神戸市;男性 90 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:不明、③伊丹保健所管内;男性 40 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:飛沫・飛沫核感染、④宝塚保健所管内;女性 90 歳代; 感染地域:兵庫県;感染経路:不明) 平成 27 年 1 週までに診断 されたものの 報告遅れ 結核 1名 アメーバ赤痢 1名 侵襲性肺炎球菌感染症 2名 検査情報(兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センター) 感染性胃腸炎患者 1 名 (2 歳, 12/6 便採取) からノロウイルス GⅡを検出しました。 目で見る動向(県内) A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の 定点あたり患者発生状況(県内) RSウイルス感染症の定点あたり患者発生状況(県内) 4 3.5 3 平成23年 平成23年 平成24年 3 平成25年 2.5 平成26年 2.5 平成25年 2 平成27年 人 平成24年 2 平成26年 平成27年 人 1.5 1.5 1 1 0.5 0.5 0 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 週 この週報は兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センタ-ホ-ムペ-ジ http://www.hyogo-iphes.jp/ にも掲載しています。 また、http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html から国立感染症研究所感染症疫学センタ-の週報(IDWR)がダウンロ-ドできます。
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