兵庫県感染症発生動向調査週報(速報) - 兵庫県立健康生活科学研究所

平成 28 年 8 月 12 日発行
兵庫県感染症発生動向調査週報(速報)
平成 28 年第 31 週(8 月 1 日~8 月 7 日)
兵庫県感染症情報センタ-(兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センター)
Hyogo Infectious Diseases Weekly Report
全国の情報は国立感染症研究所感染症疫学センタ-ホ-ムペ-ジにてご覧ください。 http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html
定点把握感染症(指定された医療機関から報告を求める感染症です)
流行性耳下腺炎
マイコプラズマ肺炎
定点あたり患者数は今週 1.49 人(先週 1.52 人)と
定点あたり患者数は今週 1.18 人(先週 1.36 人)と
わずかに減少しました。地域的には、伊丹及び明石
減少しました。地域的には、加古川及び赤穂保健所
保健所管内で注意報レベル基準値(定点あたり患者
管内の基幹定点(300 床以上の病院)から、直近 5
数 3 人)以上となっています。
週間に 10 人以上の患者が報告されています。
直近 5 週間の患者 868 人の年齢分布は、5 歳 16%、
直近 5 週間の患者 60 人の年齢分布は、5~9 歳
6 歳 15%、4 歳 13%の順で、3~8 歳が全体の 75%を
38%、1~4 歳 23%、10~14 歳 20%の順で、20 歳未
占めています。
満が全体の 87%を占めています。
流行性耳下腺炎は、ムンプスウイルスによる感染
マイコプラズマ肺炎は、肺炎マイコプラズマの飛
症で、痛みを伴う急性の唾液腺腫脹が特徴です。発
沫感染によって生じる肺炎で、頑固で長期にわたる
症前後 1~2 週間は唾液にウイルスが排出されるた
咳が特徴です。予防対策として、患者との濃厚な接
め、感染を起こしやすくなります。予防対策として、 触を避け、手洗い、うがいなどを励行することが重
ムンプスワクチンの接種が有効です。
要です。
マイコプラズマ肺炎の定点あたり患者発生状況(県内)
流行性耳下腺炎の定点あたり患者発生状況(県内)
2.5
2
平成22年
平成24年
平成26年
平成28年
2
平成23年
平成25年
平成27年
平成24年
平成25年
平成26年
1.5
平成27年
平成28年
1.5
人
人
1
1
0.5
0.5
0
0
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
週
週
定点あたり患者数の上位 10 位の疾病
疾病名
定点あたり患者数
今週
増減
疾病名
先週
定点あたり患者数
今週
増減
先週
1位
感染性胃腸炎
4.43
4.91
-0.48
6位
手足口病
0.52
0.47
+0.05
2位
ヘルパンギ-ナ
2.54
2.84
-0.30
7位
流行性角結膜炎
0.49
0.54
-0.05
3位
流行性耳下腺炎
1.49
1.52
-0.03
8位
咽頭結膜熱
0.45
0.55
-0.10
4位
マイコプラズマ肺炎
1.18
1.36
-0.18
9位
突発性発しん
0.41
0.47
-0.06
5位
A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎
1.02
1.21
-0.19
10 位
水痘
0.35
0.22
+0.13
平成 28 年 8 月 12 日発行
全数把握感染症(すべての医療機関から報告を求める感染症です)
腸管出血性大腸菌感染症
今週 21 名の報告があり、今年の累積患者数は 87
名となりました。O 血清群別では、O157 が 48 名、
O26 が 38 名、O121 が 1 名から検出されました。
年齢階級別では、10 歳未満 51%、30 歳代 16%、40
歳代 9%の順で多くなっています。
推定感染経路として、肉の喫食による経口感染が
18 名、家族等との接触感染疑いが 38 名報告されて
います。
夏期の流行期に入っています。肉・レバーなどの
食品はよく加熱し、生食は控える、箸を使い分ける、
普段から手洗いを励行するなどの感染予防が大切で
す。溶血性尿毒症症候群(HUS)等の重篤な合併症
を発症しやすい小児・高齢者は特に注意が必要です。
1 類感染症
2 類感染症
3 類感染症
4 類感染症
5 類感染症
平成 28 年 30
週までに診断
されたものの
報告遅れ
腸管出血性大腸菌感染症の週別患者数(県内)
25
平成24年
平成25年
平成26年
20
平成27年
人
平成28年
15
10
5
0
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
週
報告はありません。
結核 19名(神戸市 6 名、尼崎市 3 名、姫路市 3 名、伊丹保健所管内 1 名、加古川保健所
管内 3 名、加東保健所管内 1 名、赤穂保健所管内 1 名、朝来保健所管内 1 名)
腸管出血性大腸菌感染症 21名(有症者 9 名、うち HUS 0 名)(①宝塚保健所管内;O157
VT2;女性 3 歳、②加古川保健所管内;O157 VT1VT2;女性 9 歳、③加古川保健所管内;O157
VT2;女性 60 歳代、④加東保健所管内;O157 VT1VT2;女性 5 歳、⑤~㉑加東保健所管内;
O26 VT1;性別:男性 7 名、女性 10 名;年齢群:10 歳未満 7 名、10 歳代 2 名、20 歳代 1 名、
30 歳代 6 名、40 歳代 1 名)(累積報告数 87 名;有症者 54 名、うち HUS 0 名)
デング熱 2名(①西宮市;デング熱;女性 20 歳代;感染地域:フィリピン;感染経路:蚊
からの感染、②西宮市;デング熱;男性 20 歳代;感染地域:スリランカ、モルディブ;感染
経路:蚊からの感染)
侵襲性肺炎球菌感染症 2名(①西宮市;女性 70 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:飛沫・
飛沫核感染、②加古川保健所管内;男性 1 歳;感染地域:兵庫県;感染経路:不明)
梅毒 6名(①神戸市;早期顕症梅毒Ⅰ期;男性 50 歳代;感染地域:国内;感染経路:異性
間性的接触、②神戸市;早期顕症梅毒Ⅰ期;男性 30 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:異
性間性的接触、③神戸市;早期顕症梅毒Ⅰ期;男性 40 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:
異性間性的接触、④姫路市;無症状病原体保有者;女性 80 歳代;感染地域:兵庫県;感染経
路:不明、⑤宝塚保健所管内;早期顕症梅毒Ⅰ期;男性 20 歳代;感染地域:兵庫県;感染経
路:性的接触、⑥明石保健所管内;早期顕症梅毒Ⅱ期;男性 40 歳代;感染地域:国内;感染
経路:性的接触)
結核 1名
腸管出血性大腸菌感染症 2名
カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症 1名
後天性免疫不全症候群
梅毒 1名
1名
検査情報(兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センター)
ヘルパンギーナ患者 3名(2歳, 6/20 咽頭ぬぐい液採取、3歳, 7/11 咽頭ぬぐい液採取、1歳, 7/12 鼻腔ぬ
ぐい液採取)からコクサッキーウイルスA4を検出しました。
手足口病患者 1名(3歳, 6/22 咽頭ぬぐい液採取)からコクサッキーウイルスA9を検出しました。
気管支炎患者 1名(7歳, 7/5 咽頭ぬぐい液採取)からコクサッキーウイルスB5を検出しました。
扁桃炎患者 3名のうち、2名(3歳, 7/14 咽頭ぬぐい液採取、3歳, 7/13 咽頭ぬぐい液採取)からアデノウ
イルス2型を、1名(4歳, 7/13 咽頭ぬぐい液採取)からアデノウイルス4型を検出しました。
フィリピンへの渡航歴があるデング熱患者 1名(女性20歳代, 8/1 血液・尿採取)からデングウイルス3型
を、スリランカとモルディブへの渡航歴があるデング熱患者 1名(男性20歳代, 8/3 血液・尿採取)からデン
グウイルス2型を検出しました。
平成 28 年 8 月 12 日発行
目で見る動向(県内)
ヘルパンギーナの定点あたり患者発生状況(県内)
8
手足口病の定点あたり患者発生状況(県内)
12
平成24年
平成24年
平成25年
6
10
平成25年
平成26年
平成26年
平成27年
平成28年
人 4
8
平成27年
平成28年
人 6
4
2
2
0
0
1
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
4
7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
週
週
福崎保健所管内で、定点あたり患者数が警報レベル
開始基準値である 5 人以上となっています。
デング熱の累積患者数(県内)
平成24年
人
12
平成25年
10
平成26年
8
梅毒の累積患者数(県内)
90
14
80
70
平成27年
60
平成28年
人 50
40
6
平成24年
平成25年
平成26年
平成27年
平成28年
30
4
20
2
10
0
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
週
0
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
週
この週報は兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センタ-ホ-ムペ-ジ http://www.hyogo-iphes.jp/ にも掲載しています。
また、http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html から国立感染症研究所感染症疫学センタ-の週報(IDWR)がダウンロ-ドできます。