平成 28 年 11 月 17 日発行 兵庫県感染症発生動向調査週報(速報) 平成 28 年第 45 週(11 月 7 日~11 月 13 日) 兵庫県感染症情報センタ-(兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センター) Hyogo Infectious Diseases Weekly Report 全国の情報は国立感染症研究所感染症疫学センタ-ホ-ムペ-ジにてご覧ください。 http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html 定点把握感染症(指定された医療機関から報告を求める感染症です) 感染性胃腸炎 インフルエンザ 定点あたり患者数は、今週 11.55 人(先週 8.02 人) 定点あたり患者数は、今週 0.49 人(先週 0.36 人) と増加しました。地域的には、姫路市及び加東保健所 と例年より早く増加し、丹波保健所管内では、流行 管内で警報レベル開始基準値(定点あたり患者数 20 開始の目安とされる定点あたり患者数 1 人以上とな 人)以上となっています。 っています。学級閉鎖の報告が、今週、北播磨及び 施設・学校における感染症集団発生状況では、今 週4件(北播磨 2 件、西播磨 1 件、阪神北 1 件)の 丹波の小学校各 1 校からありました。 インフルエンザの入院患者を対象とするサーベイ ランスでは今シーズン 7 人の報告があり、うち 2 名 集団発生が報告されています。 感染性胃腸炎は多種多様な原因による症候群です が頭部 CT 検査等を利用しています。 が、この時期の患者はノロウイルスによるものが多 当研究所では今シーズン、県内の患者から 10 件の いと言われています。ノロウイルスは患者の大便や AH3N2 亜型(A 香港型)インフルエンザウイルスを 吐物中に大量に含まれており、感染力が非常に強い 検出しています。 ウイルスです。感染を拡大させないためには、手洗 インフルエンザの予防として、手洗い、うがい、 いの励行を基本に、吐物などの後始末を素手で行わ 咳エチケットの励行、マスクの着用など、インフル ない、二枚貝類は十分に加熱して食べるなどの注意 エンザに罹らない、広げない対策が重要です。また、 が重要です。 感染が疑われる場合は早めの受診が重要です。 感染性胃腸炎の定点あたり患者発生状況(県内) 20 1 平成24年 18 平成25年 16 平成26年 14 平成27年 12 平成28年 インフルエンザの定点あたり患者発生状況(県内) (27週~53週の拡大図) 平成24年 平成25年 0.8 平成26年 平成27年 0.6 人 10 平成28年 人 8 0.4 6 4 0.2 2 0 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 27 30 33 36 39 42 45 48 51 週 定点あたり患者数の上位 10 位の疾病 疾病名 定点あたり患者数 今週 1位 感染性胃腸炎 2位 増減 疾病名 先週 定点あたり患者数 今週 増減 先週 11.55 8.02 +3.53 6位 水痘 0.66 0.28 +0.38 流行性耳下腺炎 1.48 1.73 -0.25 7位 インフルエンザ 0.49 0.36 +0.13 3位 RS ウイルス感染症 1.33 1.39 -0.06 8位 流行性角結膜炎 0.40 0.34 +0.06 4位 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 1.09 1.03 +0.06 9位 手足口病 0.37 0.45 -0.08 5位 マイコプラズマ肺炎 0.73 1.09 -0.36 10 位 突発性発しん 0.31 0.34 -0.03 平成 28 年 11 月 17 日発行 全数把握感染症(すべての医療機関から報告を求める感染症です) 梅毒 今週 7 名の報告があり、今年の累積患者数 151 名、 男性 119 名(79%) 、女性 32 名(21%)となりまし た。他府県と比較すると、累積患者数が全国第 6 位、 人口 10 万対では、男性が東京・大阪に次いで第 3 位、 女性は第 18 位となっています。 年齢階級別では、男性は 30 歳代 24%、40 歳代 23% の順で多く、女性は 20 歳代が 56%を占めています。 病型別では、先天梅毒が 1 名、早期顕症梅毒のⅠ 期が 68 名、Ⅱ期が 49 名、晩期顕症梅毒が 6 名、無 症状病原体保有者が 27 名となっています。 感染原因として、性的接触(異性間 103 名、同性 間 5 名、不明 29 名)が計 137 名から報告され、感染 地域は、国内 148 名、国外 1 名、不明 2 名でした。 梅毒の累積患者数(県内) 160 140 120 100 人 80 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 60 40 20 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 1 類感染症 報告はありません。 2 類感染症 結核 31名(神戸市 11 名、尼崎市 1 名、姫路市 3 名、西宮市 3 名、芦屋保健所管内 2 名、 伊丹保健所管内 1 名、宝塚保健所管内 5 名、明石保健所管内 2 名、加古川保健所管内 2 名、 赤穂保健所管内 1 名) 3 類感染症 報告はありません。 4 類感染症 5 類感染症 平成 28 年 44 週までに診断 されたものの 報告遅れ つつが虫病 1名(朝来保健所管内;女性 80 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:動物・蚊・ 昆虫等からの感染) レジオネラ症 1名(丹波保健所管内;肺炎型;男性 70 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路: 不明) アメーバ赤痢 1名(姫路市;腸管アメーバ症;男性 50 歳代;感染地域:国内;感染経路: 不明) カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症 4名(①神戸市;男性 70 歳代; Citrobacter koseri;感染地域:兵庫県;感染経路:以前からの保菌、②神戸市;女性 70 歳代;Enterobacter aerogenes;感染地域:兵庫県;感染経路:胆道感染、③加古川保健所管内;女性 60 歳代; Enterobacter aerogenes;感染地域:兵庫県;感染経路:以前からの保菌、④加東保健所管 内;男性 50 歳代;Enterobacter aerogenes;感染地域:兵庫県;感染経路:院外) 急性脳炎 1名(豊岡保健所管内;Staphylococcus lugdunensis;男性 60 歳代;感染地域: 兵庫県;感染経路:不明) 後天性免疫不全症候群 1名(無症状病原体保有者;感染地域:国内;感染経路:異性間性 的接触) 梅毒 7名(①神戸市;早期顕症梅毒Ⅱ期;男性 40 歳代;感染地域:国内;感染経路:性的 接触、②神戸市;早期顕症梅毒Ⅱ期;女性 20 歳代;感染地域:国内;感染経路:異性間性的 接触、③尼崎市;早期顕症梅毒Ⅱ期;女性 20 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:異性間性 的接触、④西宮市;早期顕症梅毒Ⅰ期;男性 40 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:異性間 性的接触、⑤宝塚保健所管内;早期顕症梅毒Ⅰ期;女性 30 歳代;感染地域:兵庫県;感染経 路:異性間性的接触、⑥加古川保健所管内;早期顕症梅毒Ⅰ期;男性 20 歳代;感染地域:国 内;感染経路:異性間性的接触、⑦龍野保健所管内;早期顕症梅毒Ⅰ期;男性 20 歳代;感染 地域:兵庫県;感染経路:異性間性的接触) 結核 1名 日本紅斑熱 1名 検査情報(兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センター) つつが虫病患者 1 名(女性 80 歳代, 11/7 血液及び痂皮採取)から Orientia tsutsugamushi の遺伝子 (Kawasaki 株類似)を検出しました。 平成 28 年 11 月 17 日発行 目で見る動向(県内) 流行性耳下腺炎の定点あたり患者発生状況(県内) 2.5 2 平成22年 平成24年 平成26年 平成28年 RSウイルス感染症の定点あたり患者発生状況(県内) 平成23年 平成25年 平成27年 4 平成24年 3.5 平成25年 3 平成26年 平成27年 2.5 1.5 人 人 平成28年 2 1 1.5 1 0.5 0.5 0 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 週 加東保健所管内で、定点あたり患者数が注意報レベ ル基準値である 3 人以上となっています。 3.5 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の 定点あたり患者発生状況(県内) 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 3 2.5 人 2 マイコプラズマ肺炎の定点あたり患者発生状況(県内) 2.5 平成24年 平成25年 2 平成26年 平成27年 人 平成28年 1.5 1.5 1 1 0.5 0.5 0 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症の累積患者数(県内) 日本紅斑熱の累積患者数(県内) 12 平成24年 10 平成25年 平成26年 8 人 6 70 平成26年 60 平成27年 平成28年 平成27年 50 平成28年 人 40 30 4 20 2 10 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 この週報は兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センタ-ホ-ムペ-ジ http://www.hyogo-iphes.jp/ にも掲載しています。 また、http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html から国立感染症研究所感染症疫学センタ-の週報(IDWR)がダウンロ-ドできます。
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