平成 27 年 12 月 25 日発行 兵庫県感染症発生動向調査週報(速報) 平成 27 年第 51 週(12 月 14 日~12 月 20 日) 兵庫県感染症情報センタ-(兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センター) Hyogo Infectious Diseases Weekly Report 全国の情報は国立感染症研究所感染症疫学センタ-ホ-ムペ-ジにてご覧ください。 http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html 定点把握感染症(指定された医療機関から報告を求める感染症です) 感染性胃腸炎 インフルエンザ 定点あたり患者数は、今週 13.69 人(先週 14.87 定点あたり患者数は、今週 0.48 人(先週 0.32 人) 人)とやや減少しました。地域的には、姫路市、加東、 と増加を続けており、宝塚及び龍野保健所管内では、 福崎、豊岡の 4 保健所管内で警報レベル開始基準値 流行開始の目安とされる定点あたり患者数 1 人とな (定点あたり患者数 20 人)以上となっています。施 っています。学級閉鎖等の状況では、今週、小学校 設・学校における感染症集団発生状況では、今週 9 で学年閉鎖が 1 件、小学校及び中学校で学級閉鎖が 件(先週 3 件)の集団発生が報告されています。 計 6 件報告されました。 12 月に県内で発生した 2 件の食中毒事例では、当 当研究所では今シーズン、県内の患者から AH3N2 研究所での検査でノロウイルス GⅡ.4 を検出しまし 亜型(A 香港型)7 件、AH1N1pdm09 1 件のインフ た。ノロウイルスは患者の大便や吐物中に大量に含 ルエンザウイルスを検出しています。 まれており、感染力が非常に強いウイルスです。感 インフルエンザの予防として、手洗い、うがい、 染を拡大させないためには、手洗いの励行を基本に、 咳エチケットの励行、マスクの着用など、インフル 吐物などの後始末を素手で行わない、二枚貝類は十 エンザに罹らない、広げない対策が重要です。また、 分に加熱して食べるなどの注意が重要です。 感染が疑われる場合は早めの受診が重要です。 感染性胃腸炎の定点あたり患者発生状況(県内) 20 インフルエンザの定点あたり患者発生状況(県内) 平成23年 18 平成24年 16 平成25年 14 平成26年 12 平成27年 平成23年 40 平成24年 平成25年 30 平成26年 平成27年 人 人 10 20 8 6 10 4 2 0 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 週 定点あたり患者数の上位 10 位の疾病 疾病名 定点あたり患者数 今週 1位 感染性胃腸炎 2位 増減 疾病名 先週 定点あたり患者数 今週 増減 先週 13.69 14.87 -1.18 6位 流行性角結膜炎 0.69 0.60 +0.09 RS ウイルス感染症 3.57 4.01 -0.44 7位 伝染性紅斑 0.53 0.52 +0.01 3位 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 2.49 2.67 -0.18 8位 インフルエンザ 0.48 0.32 +0.16 4位 流行性耳下腺炎 0.81 0.78 +0.03 9位 マイコプラズマ肺炎 0.45 0.82 -0.37 5位 水痘 0.71 0.71 ±0.00 10 位 咽頭結膜熱 0.42 0.69 -0.27 平成 27 年 12 月 25 日発行 全数把握感染症(すべての医療機関から報告を求める感染症です) 梅毒 今週 3 名の報告があり、今年の累積患者数は 86 名 となりました。その内訳は、男性 65 名、女性 21 名 で、昨年と比べて男性は 2.0 倍、女性は 2.6 倍に増加 梅毒の累積患者数(県内) 90 が多く、特に女性は 20 歳代が全体の 52%を占めて います。 平成23年 80 しています。 年齢階級別では、男女ともに 20~30 歳代の患者数 人 平成24年 70 平成25年 60 平成26年 50 平成27年 40 病型別では、早期顕症梅毒のⅠ期が 34 名、Ⅱ期が 23 名、晩期顕症梅毒が 3 名、無症状病原体保有者が 26 名となっています。 感染原因として、性的接触(異性間 47 名、同性間 30 20 10 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 7 名、不明 12 名)が計 66 名(77%)から報告され、 週 感染地域はすべて国内と推定されています。 1 類感染症 2 類感染症 3 類感染症 報告はありません。 結核 18名(神戸市 9 名、尼崎市 2 名、姫路市 2 名、明石保健所管内 1 名、加東保健所管 内 1 名、洲本保健所管内 3 名) 腸管出血性大腸菌感染症 2名(有症者 1 名、うち HUS 0 名)(①神戸市;O157 VT1VT2; 男性 30 歳代、②神戸市;O26 VT1;男性 20 歳代)(累積報告数 103 名;有症者 74 名、うち HUS 6 名) 4 類感染症 報告はありません。 5 類感染症 侵襲性肺炎球菌感染症 2名(①姫路市;男性 1 歳;感染地域:兵庫県;感染経路:不明、 ②西宮市;女性 90 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:飛沫・飛沫核感染) 梅毒 3名(①神戸市;無症状病原体保有者;男性 30 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路: 不明、②尼崎市;早期顕症梅毒Ⅱ期;男性 50 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:異性間性 的接触、③姫路市;早期顕症梅毒Ⅰ期;男性 40 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:性的接 触) 平成 27 年 50 週までに診断 されたものの 報告遅れ 結核 1名 レジオネラ症 1名 カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症 1名 侵襲性肺炎球菌感染症 梅毒 5名 1名 目で見る動向(県内) 流行性耳下腺炎の定点あたり患者発生状況(県内) RSウイルス感染症の定点あたり患者発生状況(県内) 4 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成23年 3.5 平成24年 3 平成25年 2.5 人 2 1.5 平成26年 平成27年 人 2 1 1.5 0.5 1 0.5 0 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 週 芦屋及び豊岡保健所管内で、定点あたり患者数が注 意報レベル基準値である 3 人以上となっています。 この週報は兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センタ-ホ-ムペ-ジ http://www.hyogo-iphes.jp/ にも掲載しています。 また、http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html から国立感染症研究所感染症疫学センタ-の週報(IDWR)がダウンロ-ドできます。
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