兵庫県感染症発生動向調査週報(速報) - 兵庫県立健康生活科学研究所

平成 28 年 3 月 10 日発行
兵庫県感染症発生動向調査週報(速報)
平成 28 年第 9 週(2 月 29 日~3 月 6 日)
兵庫県感染症情報センタ-(兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センター)
Hyogo Infectious Diseases Weekly Report
全国の情報は国立感染症研究所感染症疫学センタ-ホ-ムペ-ジにてご覧ください。 http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html
定点把握感染症(指定された医療機関から報告を求める感染症です)
インフルエンザ
定点あたり患者数は今週 41.20 人(先週 40.83 人)とわずかながら増加し、最盛期の流行が 4 週間継続し
ています。県下 17 保健所管内中、姫路市、福崎、朝来の 3 保健所管内で定点あたり患者数が 50 人以上、11
保健所管内で 30 人(警報レベル開始基準値)以上、西宮市、芦屋、丹波の 3 保健所管内で 10 人(注意報レ
ベル基準値)以上となっています。
直近の 5 週間に報告された患者 37,914 人の年齢分布は、5~9 歳 37%、4 歳以下 20%、10~14 歳 18%の
順で、15 歳未満が全体の 76%を占めています。
インフルエンザの入院患者を対象とするサーベイランスでは今シーズン 346 人の報告があり、うち 54 人
が集中治療室、人工呼吸器、頭部 CT 検査等を利用しています。患者の年齢分布は 1~9 歳 51%、10 歳代、
70 歳代、80 歳以上各 7%の順となっています。また、インフルエンザウイルスが原因と推定される急性脳炎
患者が今年になって 7 人報告されています。
学級閉鎖等の状況では、今週は 365 件(先週 431 件)の臨時休業が報告されています。内訳は休校 2 件、
学年閉鎖 57 件、学級閉鎖 306 件、施設別では幼稚園 41 件、小学校 265 件、中学校 52 件、高等学校 4 件、
その他 3 件で、県下全域から報告されています。
当研究所では今シーズン県内の患者から 103 件のインフルエンザウイルスを検出しており、その内訳は
AH1pdm09 47 件、AH3N2 亜型(A 香港型)17 件、B 型(Victoria 系統)17 件、B 型(山形系統)22 件
となっています。直近 5 週間の採取検体からは 46 件のウイルスが検出され、AH1N1pdm09 35%、B 型(山
形系統)33%、B 型(Victoria 系統)26%、AH3N2 亜型(A 香港型)7%と B 型の割合が増えています。
インフルエンザの予防として、手洗い、うがい、咳エチケットの励行、マスクの着用など、インフルエン
ザに罹らない、広げない対策が重要です。また、感染が疑われる場合は早めの受診が重要です。
インフルエンザの定点あたり患者発生状況(県内)
(ランク)
(ランク)
44
33
22
11
平成24年
40
平成25年
平成26年
30
平成27年
平成28年
人
20
10
7週
0
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
8週
9週
(例年の地域別患者数を基準に流行状況を色分けしています。
)
週
定点あたり患者数の上位 10 位の疾病
疾病名
定点あたり患者数
今週
1位
インフルエンザ
2位
増減
疾病名
先週
定点あたり患者数
今週
00
先週
20km
増減
20km
41.20
40.83
+0.37
6位
咽頭結膜熱
0.64
0.48
+0.16
感染性胃腸炎
7.05
6.60
+0.45
7位
流行性角結膜炎
0.46
0.26
+0.20
3位
A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎
2.40
2.52
-0.12
8位
伝染性紅斑
0.43
0.34
+0.09
4位
感染性胃腸炎(ロタウイルス)
1.73
1.09
+0.64
9位
水痘
0.30
0.22
+0.08
5位
流行性耳下腺炎
0.81
0.87
-0.06
10 位
突発性発しん
0.29
0.20
+0.09
平成 28 年 3 月 10 日発行
全数把握感染症(すべての医療機関から報告を求める感染症です)
1 類感染症
2 類感染症
3 類感染症
4 類感染症
5 類感染症
平成 28 年 8
週までに診断
されたものの
報告遅れ
報告はありません。
結核 19名(神戸市 13 名、西宮市 1 名、伊丹保健所管内 1 名、宝塚保健所管内 1 名、加
古川保健所管内 1 名、龍野保健所管内 1 名、丹波保健所管内 1 名)
細菌性赤痢 1名(尼崎市;女性 20 歳代;Shigella sonnei;感染地域:国外;感染経路:経
口感染)
つつが虫病 1名(洲本保健所管内;女性 60 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:動物・蚊・
昆虫等からの感染)
レジオネラ症 2名(①伊丹保健所管内;肺炎型;男性 50 歳代;感染地域:兵庫県;感染経
路:不明、②龍野保健所管内;肺炎型;男性 70 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:不明)
カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症 1名(神戸市;男性 50 歳代;Enterobacter
aerogenes;感染地域:兵庫県;感染経路:以前からの保菌、院内感染)
急性脳炎 1名(神戸市;インフルエンザウイルス A;女性 7 歳;感染地域:兵庫県;感染
経路:飛沫・飛沫核感染、接触感染)
後天性免疫不全症候群 1名(無症候性キャリア;感染地域:国内;感染経路:異性間性的
接触)
侵襲性インフルエンザ菌感染症 1名(姫路市;男性 50 歳代;感染地域:兵庫県;感染経
路:飛沫・飛沫核感染)
侵襲性肺炎球菌感染症 3名(①神戸市;男性 5 歳;感染地域:兵庫県;感染経路:不明、
②姫路市;女性 70 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:不明、③西宮市;女性 90 歳代;感
染地域:国内;感染経路:不明)
結核 2名
アメーバ赤痢 2名
後天性免疫不全症候群
2名
目で見る動向(県内)
感染性胃腸炎の定点あたり患者発生状況(県内)
20
感染性胃腸炎(病原体がロタウイルスによるものに限る)の
定点あたり患者発生状況(県内)
平成24年
1.8
18
平成25年
1.6
16
平成26年
1.4
14
平成27年
平成26年
12
平成28年
1.2
平成27年
1
平成28年
人
人 10
平成25年
0.8
8
0.6
6
4
0.4
2
0.2
0
0
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
週
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
週
咽頭結膜熱の定点あたり患者発生状況(県内)
流行性耳下腺炎の定点あたり患者発生状況(県内)
2.5
1.5
平成24年
平成25年
2
平成26年
1
平成27年
平成23年
平成25年
平成27年
1.5
平成28年
人
平成22年
平成24年
平成26年
平成28年
人
1
0.5
0.5
0
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
週
0
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
週
加東保健所管内で、警報レベル(定点あたり患者数
朝来保健所管内で、定点あたり患者数が注意報レベ
3 人以上)が継続しています。
ル基準値である 3 人となっています。
この週報は兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センタ-ホ-ムペ-ジ http://www.hyogo-iphes.jp/ にも掲載しています。
また、http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html から国立感染症研究所感染症疫学センタ-の週報(IDWR)がダウンロ-ドできます。