平成 28 年 12 月 8 日発行 兵庫県感染症発生動向調査週報(速報) 平成 28 年第 48 週(11 月 28 日~12 月 4 日) 兵庫県感染症情報センタ-(兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センター) Hyogo Infectious Diseases Weekly Report 全国の情報は国立感染症研究所感染症疫学センタ-ホ-ムペ-ジにてご覧ください。 http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html 定点把握感染症(指定された医療機関から報告を求める感染症です) インフルエンザ 定点あたり患者数は今週 1.89 人(先週 1.08 人)と増加しました。地域的には、県下 17 保健所管内中、 福崎、朝来、豊岡、丹波、洲本の 5 保健所管内を除く 12 保健所管内で流行開始の目安とされる定点あたり 患者数が 1 人以上となっています。 直近の 5 週間に報告された患者 903 人の年齢分布は、5~9 歳 29%、4 歳以下 17%、10~14 歳 16%の順で、 15 歳未満が全体の 62%を占めています。 インフルエンザの入院患者を対象とするサーベイランスでは今シーズン 17 人の報告があり、うち 3 人が 頭部 CT 検査等を利用しています。患者の年齢分布は 80 歳以上 5 人、10 歳代 4 人の順で多くなっています。 今週は 10 件の学級閉鎖(先週は学年閉鎖 2 件、学級閉鎖 3 件)が阪神南、阪神北、東播磨及び神戸市か ら報告されています。施設別では小学校 8 件、中学校 2 件となっています。 当研究所では今シーズン、県内の患者から 19 件の AH3N2 亜型(A 香港型)インフルエンザウイルスを 検出し、AH1pdm09 及び B 型のウイルスはまだ検出されていません。 インフルエンザの予防として、手洗い、うがい、咳エチケットの励行、マスクの着用など、インフルエン ザに罹らない、広げない対策が重要です。また、感染が疑われる場合は早めの受診が重要です。 インフルエンザの定点あたり患者発生状況(県内) 10 平成24年 (ランク) (ランク) 44 33 22 11 平成25年 8 平成26年 平成27年 6 平成28年 人 4 46 週 2 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 47 週 48 週 (例年の地域別患者数を基準に流行状況を色分けしています。 ) 週 感染性胃腸炎 定点あたり患者数は、今週 20.12 人(先週 15.72 人)と増加し、警報レベル開始基準値(定点あたり 0 20km ウイルスです。感染を拡大させないためには、手洗 いの励行を基本に、吐物などの後始末を素手で行わ 患者数 20 人)を超えました。地域的には、姫路市、 ない、二枚貝類は十分に加熱して食べるなどの注意 西宮市、伊丹、宝塚及び加東保健所管内で警報レベ が重要です。 ルとなっています。 感染性胃腸炎の定点あたり患者発生状況(県内) 直近の 5 週間に報告された患者 9,161 人の年齢分 20 平成24年 布は、5 歳以下が全体の 59%を占めています。 18 平成25年 16 平成26年 施設・学校における感染症集団発生状況では、今 平成27年 14 週 10 件(先週 4 件)の集団発生が報告されています。 平成28年 12 人 10 その内訳は、保育所等 5 件、学校 3 件、高齢者施設 8 等 1 件、医療機関 1 件となっています。 6 感染性胃腸炎は多種多様な原因による症候群です が、この時期の患者はノロウイルスによるものが多 いと言われています。ノロウイルスは患者の大便や 吐物中に大量に含まれており、感染力が非常に強い 4 2 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 平成 28 年 12 月 8 日発行 定点あたり患者数の上位 10 位の疾病 疾病名 定点あたり患者数 今週 1位 感染性胃腸炎 2位 増減 疾病名 先週 定点あたり患者数 今週 増減 先週 20.12 15.72 +4.40 6位 マイコプラズマ肺炎 0.73 1.00 -0.27 インフルエンザ 1.89 1.08 +0.81 7位 水痘 0.66 0.71 -0.05 3位 流行性耳下腺炎 1.35 1.54 -0.19 8位 流行性角結膜炎 0.54 0.31 +0.23 4位 RS ウイルス感染症 1.30 1.40 -0.10 9位 突発性発しん 0.40 0.33 +0.07 5位 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 1.27 1.12 +0.15 10 位 咽頭結膜熱 0.35 0.30 +0.05 全数把握感染症(すべての医療機関から報告を求める感染症です) 1 類感染症 2 類感染症 3 類感染症 4 類感染症 5 類感染症 平成 28 年 47 週までに診断 されたものの 報告遅れ 報告はありません。 結核 23名(神戸市 10 名、尼崎市 1 名、姫路市 1 名、西宮市 2 名、芦屋保健所管内 1 名、 宝塚保健所管内 1 名、明石保健所管内 2 名、加古川保健所管内 4 名、赤穂保健所管内 1 名) 腸管出血性大腸菌感染症 2名(有症者 1 名、うち HUS 0 名)(①神戸市;O157 VT2;男 性 50 歳代、②姫路市;O157 VT1;男性 20 歳代)(累積報告数 126 名;有症者 84 名、うち HUS 2 名) デング熱 1名(豊岡保健所管内;デング熱;男性 50 歳代;感染地域:ミャンマー;感染経 路:蚊からの感染) カルバペネム耐性腸内細菌科 細菌感染症 1名(加古川保健所管内 ;女性 80 歳代; Enterobacter aerogenes;感染地域:兵庫県;感染経路:以前からの保菌) 侵襲性肺炎球菌感染症 2名(①神戸市;男性 70 歳代;感染地域:国内;感染経路:不明、 ②神戸市;男性 10 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:不明) 水痘(入院例) 1名(姫路市;臨床診断例;女性 20 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路: 不明) 梅毒 4名(①尼崎市;早期顕症梅毒Ⅰ期;男性 40 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:異 性間性的接触、②尼崎市;早期顕症梅毒Ⅱ期;男性 20 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路: 異性間性的接触、③芦屋保健所管内;早期顕症梅毒Ⅱ期;男性 40 歳代;感染地域:兵庫県; 感染経路:異性間性的接触、④宝塚保健所管内;無症状病原体保有者;男性 40 歳代;感染地 域:兵庫県;感染経路:不明) 結核 3名 腸管出血性大腸菌感染症 1名 検査情報(兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センター) 感染性胃腸炎患者 1 名(15 歳, 11/17 便採取)からノロウイルス GⅡ.6、1 名(4 歳, 12/1 便採取)から ノロウイルス GⅡ.2 を検出しました。 ミャンマーへの渡航歴があるデング熱患者 1 名(男性 50 歳代, 11/28 血液採取)からデングウイルス 3 型 を検出しました。 平成 28 年 12 月 8 日発行 目で見る動向(県内) RSウイルス感染症の定点あたり患者発生状況(県内) 流行性耳下腺炎の定点あたり患者発生状況(県内) 2.5 平成22年 平成24年 平成26年 平成28年 2 平成23年 平成25年 平成27年 4 平成24年 3.5 平成25年 3 平成26年 平成27年 2.5 1.5 人 人 1 平成28年 2 1.5 1 0.5 0.5 0 0 1 3.5 4 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 2.5 2 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の 定点あたり患者発生状況(県内) 3 人 1 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 水痘の定点あたり患者発生状況(県内) 3 平成24年 平成25年 平成26年 2 平成27年 平成28年 人 1.5 1 1 0.5 0 1 0 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 週 腸管出血性大腸菌感染症の週別患者数(県内) 25 20 梅毒の週別患者数(県内) 8 平成24年 平成25年 7 平成26年 6 平成27年 人 15 平成24年 平成26年 平成28年 平成25年 平成27年 5 平成28年 人 4 10 3 5 2 1 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 この週報は兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センタ-ホ-ムペ-ジ http://www.hyogo-iphes.jp/ にも掲載しています。 また、http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html から国立感染症研究所感染症疫学センタ-の週報(IDWR)がダウンロ-ドできます。
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