ポーランド・マクロ経済情勢

ポーランド・マクロ経済情勢
1 経済は堅調
2016年9月
在ポーランド日本国大使館
経 済 班
ポイント
2015年のGDP成長率は3.6%、2016年第2四半期のGDP成長率は3.1%で、3%台の堅調な経済成長が概ね
維持されている。2016年6月は18億ズロチの貿易黒字。政策金利は史上最低の1.5%を維持している。
2 生産は縮小、景況感は横ばい
7月の鉱工業生産は前年同月比3.4%減で、6月の前年同月比6.0%増から減少した。7月の新規受注は、前年同月比0.
4%増で、6月の前年同月比30.4%増から暴落した。8月の購買担当者景況指数(PMI)は51.5ポイントで、7月の
50.3ポイントから1.2ポイント増加した。
3 消費は上昇、物価は引き続き下落傾向
7月の小売販売は、実質で前年同月比4.4%増。7月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比0.9%減、前月比
0.1ポイント減で、中央銀行のインフレ目標値2.5±1%の下限を43か月連続で下回っている。7月のコア・インフレ率
は0.4%減で、前月比0.2ポイント減小となった。
4 失業率は改善基調を維持
7月の失業率は8.6%で、6月の8.8%から更に改善した。7月の倒産件数は73件で6月の61件から悪化した。7月
の平均賃金上昇率は前年同月比4.8%増となり、インフレ率の-0.9%を大きく上回っている。
GDP成長率は2013年第1四半期から回復し始め、2014年以降は
3%台で安定して推移。2015年は3.6%。
鉱工業生産は2014年後半から増加傾向で、7月は前年同月比3.
4%減。新規受注は前年同月比0.4%増、前月比30ポイント減。
小売販売は2015年4月に前年同月比1.5%までに下がった後回
復、 7月は前年同月比で実質ベースで4.4%増となり、前月比では
2.1ポイントの減少。
失業率は長年悪化傾向にあったものの、2014年から大きく改善して
いる。7月は前月の8.8%から8.6%に改善した。平均賃金上昇率
は、前年同月比で4.8%増。
消費者物価指数(CPI)は、2013年2月より中央銀行のインフレ目
標範囲(2.5±1%)を下回っている。7月は前年同月比0.9%減、
前月比0.1ポイント減で、依然として低インフレ状態が続いている。
政策金利は、2012年11月から段階的な利下げを実施し、3月に史
上最低金利を更新する1.5%まで利下げし、9月に入ってもこの金利
を維持している。
為替は、8月平均では対日本円で3.84ズロチ(100円)。 対ユーロ
では4.30ズロチ、対ドルでは3.79ズロチ。
貿易収支は2015年1月から増加傾向にあり、6月の輸出は670億ズ
ロチ(5月は610億ズロチ)、輸入は652億ズロチ(同595億ズロチ)
で18億ズロチの貿易黒字。