演習7

複素関数論 第 7 回小テスト解答例
担当: 南
問. 複素関数
f (z) = cos z
について、以下の問いに答えよ。
(1) z = x + iy (x, y ∈ R) とするとき、f (z) の実部 u, 虚部 v を x, y の関数として表せ。できれ
ば自分で導出した方がよいが、できなければ教科書を見てもよい。符号に注意すること。
複素三角関数の定義より
eiz + e−iz
ei(x+iy) + e−i(x+iy)
1
=
= (e−y eix + ey e−ix )
2
2
2
1 −y
e−y + ey
e−y − ey
= [e (cos x + i sin x) + ey (cos x − i sin x)] =
cos x + i
sin x
2
2
2
= cos x cosh y − i sin x sinh y
cos z =
である [教科書 p. 36 (6.10)] から、
u(x, y) =
cos x cosh y ,
v(x, y) =
− sin x sinh y
(2) u, v が点 z0 = x0 + iy0 (x0 , y0 ∈ R) でコーシー・リーマンの関係式を満たすか確かめよ。
ux (x0 , y0 ) = − sin x0 cosh y0 ,
uy (x0 , y0 ) = cos x0 sinh y0
vx (x0 , y0 ) = − cos x0 sinh y0 ,
vy (x0 , y0 ) = − sin x0 cosh y0
であるから、C-R
ux (x0 , y0 ) = vy (x0 , y0 ),
を
uy (x0 , y0 ) = −vx (x0 , y0 )
満たす。
(3) f (z) は点 z0 で微分可能か否か理由とともに述べ、微分可能なら微分係数を記せ。
(2) より u, v はコーシー・リーマンの関係式を満たす (し、また 1 階偏導関数が連続である) ので、
f (z) は点 z0 で
微分可能である。微分係数は
f ′ (z0 ) = ux (x0 , y0 ) + ivx (x0 , y0 ) = − sin x0 cosh y0 − i cos x0 sinh y0
=
− sin z0