小テスト⑧解答

『振動と波動』小テスト
学籍番号
氏
名
評 点
【問題】右下図に示すように、はりの左端が単純支持、右端がバネ定数 k の質量のないバネで支持され
ているとき、このはりの曲げ振動の振動数方程式を導け。
ただし、はりの曲げ剛性は EI,単位体積質量は w,断面積は A で一定とする。
はりの曲げ振動の振動形の一般解は、

X  C1 cos  x  C2 sin  x  C3 cosh  x  C4 sinh  x
EI  2
4
で与えられる。ここに、 v 
, 2   である。
wA v
3
また、 EI    と置くものとする。
x
2
【解答】
バネ定数 k
y, X
【解答Ⅰ】
はりの曲げ振動の振動形の一般解は、X  C1 cos  x  C2 sin  x  C3 cosh  x  C4 sinh  x で与えられる。
ここに、 C1 , C2 , C3 , C4 は積分定数である。
境界条件としては、以下の 4 条件がある。
(1) x  0 のとき、 X  0 (たわみがゼロ)より
C1  C3  0
………①
(2) x  0 のとき、 X   0 (曲げモーメントがゼロ)より、  C1   C3  0
2
2
∴ C1  C3  0
………②
①と②より、 C1  C3  0 だから、振動形の一般解は、以後、 X  C2 sin  x  C4 sinh  x とする。
(3) x   のとき、 X   0 (曲げモーメントがゼロ)より、  C2 sin     C4 sinh    0
2
2
∴ C2 sin    C4 sinh    0
………③
(4) x   のとき、たわみを  とすると、 X   より、 C2 sin    C4 sinh    
また、このとき、せん断力 Q は、バネによる支持力 k と逆向きで大きさが等しいから、
Q  k   EIX   k   EI   3C2 cos     3C4 cosh     k  0
ここで、   EI  とおき、  を消去すると、次のようになる。
3
  C2 cos    C4 cosh     k  C2 sin    C4 sinh     0
∴ C2   k sin     cos     C4   k sinh     cosh     0
………④
③と④をマトリックス・ベクトル表示すると、次のようになる
 sin  
sinh  

 C2  0 


 k sin     cos  
  k sinh     cosh    C4  0 

C2 , C4 が有義解をもつ必要十分条件は、係数の行列式の値が 0 になることであるから、
 sin  
sinh  
 k sin     cos     k sinh     cosh   
0
これを展開すると、
 sin     k sinh     cosh     sinh     k sin     cos     0
∴ sin     k sinh     cosh     sinh     k sin     cos     0
これを変形すると、
  cos   sinh    sin   cosh     2k sin   sinh    0
よって、一端単純支持・他端弾性支持ばりの曲げ振動に関する振動数方程式は、以下のように表される。
  cos   sinh    sin   cosh     2k sin   sinh    0
または、
  sin   cosh    cos   sinh     2k sin   sinh    0
【解答Ⅱ】
はりの曲げ振動の振動形の一般解は、X  C1 cos  x  C2 sin  x  C3 cosh  x  C4 sinh  x で与えられる。
ここに、 C1 , C2 , C3 , C4 は積分定数である。
境界条件としては、以下の 4 条件がある。
(1) x  0 のとき、 X   0 (曲げモーメントがゼロ)より、
 2C1   2C3  0
∴ C1  C3  0
………①
(2) x   のとき、 X   0 (曲げモーメントがゼロ)より、
 2C1 cos     2C2 sin     2C3 cosh     2C4 sinh    0
………②
∴ C1 cos    C2 sin    C3 cosh    C4 sinh    0
C1  C3  0
………③
(3) x  0 のとき、 X  0 (たわみがゼロ)より
(4) x   のとき、たわみを  とすると、X   より、C1 cos    C2 sin    C3 cosh    C4 sinh    
また、このとき、せん断力 Q は、バネによる支持力 k と逆向きで大きさが等しいから、
Q  k   EIX   k
  EI   3C1 sin     3C2 cos     3C3 sinh     3C4 cosh     k  0
ここで、   EI  とおき、  を消去すると、次のようになる。
3
  C1 sin    C2 cos    C3 sinh    C4 cosh   
 k  C1 cos    C2 sin    C3 cosh    C4 sinh     0
∴   C1 sin    C2 cos    C3 sinh    C4 cosh   
 k  C1 cos    C2 sin    C3 cosh    C4 sinh   
………④
①と③より、 C1  C3  0 だから、解法の方針としては、 C2 を C4 で表すようにする。
②より、 C2 sin    C4 sinh    0
∴ C2 sin    C4 sinh    0
………②’
④より、   C2 cos    C4 cosh     k  C2 sin    C4 sinh   
∴   cos    k sin    C2   cosh    k sinh    C4  0
………④’
②’と④’から、 C2 を消去すると、
C2  cos    k sin    sin    C4  cos    k sin    sinh    0
)  C2  cos    k sin    sin    C4  cosh    k sinh    sin    0
C4   sin   cosh     cos   sinh    2k sin   sinh   
 C4   sin   cosh    cos   sinh     2k sin   sinh    0
ここで、 C4  0 だから、
  sin   cosh    cos   sinh     2k sin   sinh    0
よって、一端単純支持・他端弾性支持ばりの曲げ振動に関する振動数方程式は、以下のように表される。
  sin   cosh    cos   sinh     2k sin   sinh    0