情報提供資料 マーケットレポート 2016年6月14日作成 英国のEU離脱の懸念が強まり、円高進行の中、日経平均株価は下落 今回のポイント 英国のEU(欧州連合)からの離脱への懸念が高まる中、6月10日から金融市場ではリスク回避の動き が一段と進展しました。為替は、英ポンドとユーロへの警戒感が高まる中、円高米ドル安が進行、主要 国の株式が売られました。14日の東京市場では日経平均株価は5月6日以来となる15,000円台へ下落 して始まり、終値は15,859.00円となりました。為替市場では1米ドル=106円台を挟んだ展開となっ ています。 日米で金融政策決定が予定されていますが、追加的な政策が打ち出される可能性は低いと考えられ、金 融市場は当面神経質な展開が続くと考えています。 既に米ドル/円は一昨年10月の大規模な追加金融緩和前後の水準まで調整していることや、英国のEU 離脱の場合の主要国の政策対応は準備されていると考えられます。日本株および米ドルは、徐々に下値 を試す展開からレンジ形成へ移行する展開を予想します。 足元の金融市場動向 6月23日の英国のEU(欧州連合)離脱の是非 を問う国民投票と、米国大統領選挙動向に加え、 米国など主要国の金融政策が注目される中、世 界の政治経済に対する先行き不透明感が金融市 場の重石になっている状況です。 そのような中、6月10日に発表された英国の 世論調査が、英国の離脱支持が55%と4月の調 査から4%上昇し、残留支持の45%を大幅に上 回っていることが報道されました。 米ドル高 (円) (円安) 130 為替の推移 (2015年6月12日~2016年6月13日) 125 120 為替 レート 115 110 105 10日の為替市場では、英ポンドとユーロの先 米ドル安 100 15/6 行き警戒感が強まる中、円高米ドル安が進行し、 (円高) 欧米などの主要国株式は下落、ドイツ10年国 現地通貨高 債利回りは一時過去最低の0.009%まで低下し (円安) 210 ました。 13日の東京市場では5月3日以来の1米ドル= 105円台に円高ドル安が進行、日経平均株価は 16,019.18円と前日比582.18円(-3.51%)下 落した水準で取引を終えました。海外市場でも VIX指数が20台に上昇するなど投資家のリスク 許容度は低下し、欧米の株式は続落となり、米 10年国債利回りは1.61%に低下しました。 14日の東京市場では、日経平均株価は取引時 間中で5月6日以来となる15,000円台に下落し て始まり、終値は15,859.00円となり前日比 160.18円下落しました。また10年国債利回り は−0.163%となり、為替では1米ドル=106 円を挟んだ展開となっています。 15/9 15/12 16/6 (年/月) 英ポンド 190 為替 レート 16/3 ユーロ 170 150 130 110 現地通貨安 15/6 (円高) 15/9 15/12 16/3 16/6 (年/月) (出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成) ※上記は、将来の市場動向を示唆・保証するものではありません。※巻末のご注意事項等を必ずご確認ください。 商 号 等 / DIAMアセットマネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第324号 加入協会/ 一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 1/3 マーケットレポート 今後の市場見通し 今週は、日米で金融政策決定会合が予定され その動向が注目されますが、英国の国民投票結 果を控えていることなどから追加的な政策が打 ち出される可能性は低いと考えられます。基本 的には英国の国民投票結果が待たれる環境で、 それまで市場参加者はリスクを抑えることから 当面金融市場は神経質な展開が続くものと考え ています。 国民投 票でEU離脱を 決定し た場合 には 、 キャメロン首相はEU条約に則り離脱について 直ちにEU理事会に通告することになります。 通告から2年はEU法が適用されることになりま すので、現状の枠組みの中で英国はEUと離脱 と新協定の交渉が進められる予定です。しかし、 EU以外の日米中などとも個別のFTA(自由貿易 協定)の交渉も想定され、各国の政治状況など を考えると新しい枠組み作りは容易ではなく相 当な議論の時間が必要だと考えられます。離脱 に伴うデメリットも国民投票に向け現政権から 一段と強調されていくものと考えられます。 今後の予定では、14-15日にFOMC(米連邦 公開市場委員会)、15-16日に日銀の金融政策 決定会合が予定され、23日の英国民投票動向 が日本では24日から報道されるとみられます。 為替については、4月発表の米為替報告書で、 米国がドル高是正スタンスとなっていることや、 日銀の金融政策に対する不信もしばらくは円高 要因となっていました。しかしながら、既に米 ドル/円は一昨年10月の大規模な追加金融緩和 前後の水準まで調整していることや、英国の EU離脱リスクは主要国の政策当局では、先月 下旬に行われた伊勢志摩サミットで共有されて いると考えられ、その場合の政策対応は準備さ れていると考えています。また、現状の原油等 商品市況の水準修正と、欧米社債市場が活況な ことから、年初にみられたように世界的な信用 リスクへの警戒感が再び強まる可能性は今のと ころ低いとみています。 引き続き、日本株および米ドルは、徐々に下 値を試す展開からレンジ形成へ移行する展開を 予想します。 情報提供資料 日米の株価指数の推移 (円) (2015年6月12日~2016年6月13日) 22,000 日本(左軸) 米国(右軸) 20,000 (米ドル) 19,000 18,000 18,000 17,000 16,000 16,000 14,000 15,000 15/6 15/10 16/2 16/6 (年/月) ※日本は日経平均株価、米国はダウ・ジョーンズ工業株価平均を使用。 原油価格の推移 (2015年6月12日~2016年6月13日) (米ドル/バレル) 70 60 50 40 30 20 15/6 15/9 15/12 16/3 ※WTI原油先物価格を使用。 16/6 (年/月) 金利の推移 (%)(2015年6月12日~2016年6月13日)(%) 0.6 2.6 0.4 2.3 0.2 2.0 0.0 1.7 日本(左軸) 米国(右軸) -0.2 15/6 15/9 15/12 1.4 16/3 16/6 (年/月) ※金利は日本10年国債利回り、米国10年国債利回りを使用。 (出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成) ※上記は、将来の市場動向を示唆・保証するものではありません。※巻末のご注意事項等を必ずご確認ください。 2/3 マーケットレポート 情報提供資料 【各指数の著作権等】 • 日経平均株価(日経平均)は、株式会社日本経済新聞社によって独自に開発された手法によって算出される著作物であり、株 式会社日本経済新聞社は、日経平均自体及び日経平均を算定する手法に対して、著作権その他一切の知的財産権を有します。 • Standard & Poor s®並びにS&P®は、スタンダード&プアーズ・ファイナンシャル・サービシーズLLC(以下「S&P」)の登 録商標です。Dow Jones®は、ダウ・ジョーンズ・トレードマーク・ホールディングズLLC(以下「ダウ・ジョーンズ」)の 登録商標です。これらはS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスLLCに対して使用許諾が与えられており、DIAMアセットマネ ジメント株式会社に対しては特定の目的のために使用するサブライセンスが与えられています。 ダウ・ジョーンズ工業株価 平均はS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスLLCが所有しており、DIAMアセットマネジメント株式会社に対して使用許諾が 与えられています。S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスLLC、ダウ・ジョーンズ、S&Pおよびその関連会社は、DIAMア セットマネジメント株式会社の商品を支持、推奨、販売、販売促進するものではなく、また投資適合性についていかなる表明 をするものではありません。 160614情報日経平均円高-1 3/3
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