円高進行の中、日経平均株価は下落

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2016年5月2日作成
日米の金融政策が維持され、円高進行の中、日経平均株価は下落
今回のポイント
 4月28日、日銀の政策維持を受け市場参加者からの失望売りもあり、日経平均株価は大きく売られ、為
替市場では一時1米ドル=107円台に円高が進みました。その後の海外市場でも円高米ドル安基調が続
き、29日には一時2014年10月以来の1米ドル=106円台前半をつけました。
 日本株式市場は、5月26∼27日の伊勢志摩サミットを控えて、各国の金融・財政政策が景気に与える
影響を探る展開を予想します。なお、原油市場は回復傾向にあり、欧米社債市場は引続き活況なことか
ら、2月にみられたような世界的な信用リスクに対する懸念が再び強まる可能性は今のところ低いとみ
ています。ゴールデンウィーク中に一段の円高進行の可能性もありますが、米ドル/円は一昨年の日銀
の追加緩和実施時期の水準まで調整しており、日本株および米ドルは徐々に下値を試す展開から、レン
ジ形成入りへ移行するとみています。
足元の金融市場動向
米ドル高 (円)
(円安) 130
4月26∼27日のFOMC(米連邦公開市場委員
会)の景気の現状判断の下方修正と政策姿勢維
125
持により、早期の利上げ観測はやや後退しまし
た。28日の日銀の金融政策決定会合では従来
120
の金融政策姿勢が維持され、黒田総裁は会見で、 為替
レート 115
消費者物価の前年比が「物価安定の目標」であ
る2%程度に達する時期は「2017年度中」との
110
予想と貸出支援基金のマイナス金利は議論され
105
ていないことなどに言及しました。
28日の東京市場では日銀の政策維持を受け、
市場参加者からの失望売りも誘発され、日経平
均株価は大きく売られ、為替市場では一時1米
ドル=107円台に円高が進みました。
海外市場では、28日公表の米国の1-3月期の
GDP(国内総生産)が予想を下回ったことで、
円高米ドル安基調が続き、株式市場では著名投
資家のアップル株の売却報道が伝わる中、株式
は売られる展開となりました。日本が休日とな
る29日は、為替市場では投資家のリスク回避
の動きを受けて、円が買われ、一時2014年10
月以来の1米ドル=106円台前半をつけました。
5月2日、東京市場では海外市場の流れを受け、
日経平均株価は一時16,000円台を割り込むな
ど大きく売られ、10年国債利回りは低下して
始まっています。
米ドル安
(円高)
為替の推移
(2015年4月28日~2016年4月28日)
100
15/4
15/7
15/10
16/1
16/4
(年/月)
日米の株価指数の推移
(円)
22,000
(2015年4月28日~2016年4月28日)
(米ドル)
日本(左軸)
米国(右軸)
20,000
19,000
18,000
18,000
17,000
16,000
16,000
14,000
15,000
15/4
15/8
15/12
16/4
(年/月)
※日本は日経平均株価、米国はダウ・ジョーンズ工業株価平均を使用。
(出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成)
※上記は、将来の市場動向を示唆・保証するものではありません。※巻末のご注意事項等を必ずご確認ください。
商 号 等 / DIAMアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第324号
加入協会/ 一般社団法人投資信託協会
一般社団法人日本投資顧問業協会
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今後の市場見通し
今後ゴールデンウィークで日本の市場参加者
が休日となる中、米国の財務省が4月29日に公
表した為替報告書でも、米ドル/円市場は秩序
的であり、主要国の為替政策についてはコミッ
トメントを遵守すべきとの立場が示されており、
円高米ドル安水準を試す場面も想定されます。
また、日本株式市場については、足元業績発表
の内容は円高進行の影響もあり、下振れが続い
ていますが、5月26∼27日の伊勢志摩サミット
を控えて、徐々に追加的財政政策の規模へ焦点
が移る展開を予想します。なお、原油等商品市
況はかなり水準訂正を果たし、欧米社債市場が
活況なことから、年初に見られたように世界的
な信用リスクへの警戒感が再び強まる可能性は
今のところ低いとみています。
目先の注目材料としては、2日に米ISM製造
業景況指数、3日の中国製造業PMI(購買担当
者景況指数)、6日にオーストラリアの金融政
策決定会合と米雇用統計などが予定されていま
す。また、安倍首相の欧州を中心とした歴訪を
めぐる動きや、産油国による原油増産の動き、
6月に国民投票を控えるイギリスのEU(欧州連
合)離脱動向が注目されます。
日本では2016年度の業績見通しにおいて、
製造業を中心に厳しい内容となっています。ま
た政策動向については、5月の伊勢志摩サミッ
トや7月頃の参議院選挙を控え、財政政策や成
長戦略の規模・内容が注目材料となると思われ
ます。
為替については、先日発表の米為替報告書で、
日本だけでなく、ドイツに対しても指摘事項が
付加される等、米国の為替・金融政策スタンス
が修正されてきたことや、日銀の金融政策に対
する不信も加わり、しばらくは円高を試す展開
も想定されます。しかしながら、既に米ドル/
円は一昨年10月の大規模な追加金融緩和前後
の水準まで調整していることや、サミットを控
え政府・日銀も財政・金融両面での需要創出策
策定に向けた動きを加速させていることから、
当面は日本株および米ドルは、下値を試す展開
からレンジ形成へ移行する展開を予想します。
原油価格の推移
(2015年4月28日~2016年4月28日)
(米ドル/バレル)
70
60
50
40
30
20
15/4
15/7
15/10
16/1
16/4
(年/月)
※WTI原油先物価格を使用。
金利の推移
(%)
(2015年4月28日~2016年4月28日)
(%)
2.6
0.6
0.4
2.3
0.2
2.0
0.0
1.7
日本(左軸)
米国(右軸)
-0.2
15/4
15/7
15/10
1.4
16/1
16/4
(年/月)
※金利は日本10年国債利回り、米国10年国債利回りを使用。
(出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成)
※上記は、将来の市場動向を示唆・保証するものではありません。※巻末のご注意事項等を必ずご確認ください。
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