情報提供資料 マーケットレポート 2016年7月21日作成 市場環境見通し(2016年夏) 国内株式 株主還元姿勢の強化が下支えも、円高リスクなどが残る展開を想定 国内株式市場の動向と見通し 内需の不振や海外各国の不透明感、円高進行を背景に、企業決 算の下振れが予想され、決算発表期前後にかけて下押し圧力も 想定されます。ただし、マイナス金利の適用から豊富なキャッ シュを背景とした自社株買いなどの株主還元姿勢の強化が進む こと、および参議院選挙後の政府や日銀による緩和政策の発動 が下支えし、年初来の下値圏でのレンジ推移が続くと考えます。 企業業績は、為替相場が円高方向にシフトすることにより、下 方修正の継続、回復時期の後ずれが見込まれます。1ドル= 100~105円の為替水準と当社の景気見通しを前提とすると、 今年度は小幅な増益もしくは小幅な減益となるリスクが予想さ れます。 株価の上振れ要因としては、予想を上回る追加金融緩和、大型 の景気対策が挙げられます。景気対策の時期は今秋以降にずれ 込むとみられることから、目先は相場の下支え効果も限定的と なると考えられ、今年度後半から景気に対する持ち直し期待が 高まることが想定されます。 予想 実績 日経平均 株価 予想範囲 2016年 2016年 2017年 6月末 9月末 3月末 15,575.92 14,750 17,000 単位:円 13,000~ 19,000 ※2016/7~2017/3 日経平均株価の推移 (円) 22,000 日経平均株価 20,000 18,000 16,000 14,000 12,000 14/3 国内債券 2016年度(※) 14/9 15/3 16/3 (年/月) 15/9 ※期間:2014年3月末~2016年6月末 金融緩和姿勢が揺るぎないことから、金利はマイナス水準の継続を想定 国内債券市場の動向と見通し 円高の進行や国内の個人消費が盛り上がりに欠く環境の中、国 内の景況感は悪化しています。加えて欧州をはじめとする海外 各国の景況感への不安から、ECB(欧州中央銀行)は金融緩和 姿勢を継続し、FRB(米連邦準備制度理事会)は金利の引き上 げを慎重に行い、世界的に金利が低下する環境下、10年国債 利回りはマイナス水準が常態化し、国内金利は過去最低水準を 更新していくとみられます。 10年国債 利回り 補正予算や追加金融緩和などによる財政・金融両面での景気下 支えが見込まれるものの、内需がさえないことや海外各国の不 透明感の継続、円高進行を背景にインフレ期待は乏しく、日銀 はコアインフレ2%の達成に向けた金融緩和姿勢が揺るぎない ことから、長期金利はマイナス水準が継続するものと予想され ます。ただし、海外各国の金利変動には注意が必要と考えます。 予想範囲 2016年 2016年 2017年 6月末 9月末 3月末 -0.22 -0.25 -0.25 単位:% 2016年度(※) -0.50~0.00 ※2016/7~2017/3 短期金利は、2%のインフレターゲット達成に向けて、日銀の ディスインフレ脱却に向けた金融緩和姿勢は長期継続していく 公算とみられ、低位安定が想定されます。 予想 実績 10年国債利回りの推移 (%) 0.8 10年国債利回り 0.6 0.4 0.2 0.0 -0.2 -0.4 14/3 14/9 15/3 15/9 16/3 (年/月) ※期間:2014年3月末~2016年6月末 (出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成) ※当資料は、将来の市場動向等を示唆・保証するものではありません。※当資料は、DIAMが信頼できると判断した情報に基づき作成していますが、 情報の完全性、正確性を保証するものではありません。※当資料の内容は作成時点のものであり、今後予告なく変更される場合があります。※巻末の ご注意事項等を必ずご確認ください。 商 号 等 / DIAMアセットマネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第324号 加入協会/ 一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 1/4 マーケットレポート 外国株式 情報提供資料 米国の低水準の金利や商品価格の安定などが下支えとなる展開を想定 外国株式市場の動向と見通し 米国は、今後発表される主要企業の決算内容が当面の注目材料 になるとみられます。特に金利低下が常態化し、業況改善が期 待しにくい金融セクターが下振れ要因として意識されます。ま た、米国大統領選挙などの政治リスクも意識され、調整局面に 入る可能性には注意が必要と考えます。ただし、世界的な金融 緩和効果や低水準の米国金利、米ドルの安定が米国や新興国の 株式を下支えする構図は継続し、高値圏での推移を維持すると 予想されます。 NYダウ 新興国は、中国の財政・金融両面の緩和策効果は、同国内での 構造調整圧力で相殺されると考えられます。ただし、台湾や韓 国などでも財政・金融緩和に舵を切り始めたことや、米国の金 利低下や商品価格の安定が下支えとなり、米国と同様に企業の 決算内容を確認しながらレンジ推移を維持するとみられます。 予想範囲 2016年 2016年 2017年 6月末 9月末 3月末 17,929.99 17,000 18,600 単位:ドル 2016年度(※) 15,500~ 19,250 ※2016/7~2017/3 NYダウの推移 欧州は、英国のEU(欧州連合)離脱決定による影響は経済・ 政治両面ともにみられ、当面は政治リスクの拡大懸念やマイナ ス金利の常態化による金融業の業況悪化といった悪材料や、金 融緩和策の浸透や商品価格の安定といった好材料を織り込みな がら、下値を模索する展開が想定されます。 予想 実績 (ドル) 19,000 NYダウ 18,000 17,000 16,000 15,000 14/3 14/9 15/3 16/3 (年/月) 15/9 ※期間:2014年3月末~2016年6月末 外国債券 米国やドイツの長期金利は低位安定を想定 外国債券市場の動向と見通し 英国でEU(欧州連合)離脱に向けての可否を問う国民投票で 想定に反し、離脱票が過半数を占めたことが、市場全体のリス ク許容度を低下させやすくしており、主要国では当面は流動性 を潤沢に保つ必要性が高まり、緩和寄りの金融政策が続くと考 えられます。特に経済の先行き不透明感が高まる中、FRB(米 連邦準備制度理事会)の政策運営は金利正常化のペースを緩め る方向にシフトさせており、米国の長期金利はこれまで以上に 上昇しにくい地合いに転じています。 米国は、日本やドイツでマイナス金利が進行する一方、各年限 の名目金利がプラスを維持しており、債券が選好される局面で は、利回り狙いの買いが米国債市場に入りやすい環境は長期化 すると想定されます。ただし、年初からの原油価格の反騰を受 けて年後半からはインフレ上昇観測が高まりやすいとみられ、 低金利の環境下、潜在的な社債発行ニーズが強いことから需給 面には注意が必要と考えられます。 ユーロ圏は、周縁国での債務問題や金融セクターに火種を抱え る中、英国がEUから離脱することによる圏内経済への影響は 不透明であるため、ECB(欧州中央銀行)の金融緩和は長期化 すると予想されます。ただし、米国と同様に年後半以降のイン フレ上昇観測や需給面での調整リスクには注意が必要と考えら れます。 予想 実績 米10年国債 利回り 独10年国債 利回り 予想範囲 2016年 2016年 2017年 6月末 9月末 3月末 1.47 1.50 1.75 1.00~2.00 -0.13 -0.13 -0.25 -0.38~0.13 2016年度(※) ※2016/7~2017/3 単位:% 10年国債利回りの推移 (%) 3.0 米10年国債利回り 独10年国債利回り 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 -0.5 14/3 14/9 15/3 15/9 16/3 (年/月) ※期間:2014年3月末~2016年6月末 (出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成) ※当資料は、将来の市場動向等を示唆・保証するものではありません。※当資料は、DIAMが信頼できると判断した情報に基づき作成していますが、 情報の完全性、正確性を保証するものではありません。※当資料の内容は作成時点のものであり、今後予告なく変更される場合があります。※巻末の ご注意事項等を必ずご確認ください。 2/4 マーケットレポート 為替相場 情報提供資料 当面はドル安が継続するが、次第に下値を固める展開を想定 為替相場の動向と見通し 日本は、2016年1月のマイナス金利導入決定後も、円高や個人 消費の低迷によりインフレ期待は乏しく、金融緩和姿勢を継続 しています。欧州は、2016年3月の信用供与に踏み込む追加金 融緩和策実施後もデフレ懸念がくすぶり、英国のEU(欧州連 合)離脱決定による欧州の政治不安から追加緩和姿勢を維持す ることが想定されます。米国は、雇用や所得環境の改善速度の 鈍化に加え、同国の大統領選挙を控え利上げを慎重に行うとみ られます。米国と日本・欧州の金融政策の格差は拡大が限定的 と想定され、為替はドル高に向かいにくい展開が予想されます。 ユーロ/ドルは、米国の金融政策正常化への歩みが緩やかにな るものの、英国のEU離脱決定をきっかけとした域内の地政学 リスクの高まりから、金融緩和姿勢は当面、継続するとみられ 下値固めに向かうとみられます。また、域内の独立機運の高ま りなどによるEU分裂危機の加速や、テロの増大などの地政学 リスクには注意が必要と考えます。 (ご参考)コモディティ 予想範囲 2016年 2016年 2017年 6月末 9月末 3月末 ドル/円 103.20 100.00 106.00 ユーロ/ドル 1.11 1.15 1.15 単位:円(上段)、ドル(下段) ドル/円は、日銀と政府による財政支出・追加金融緩和がセッ トで実施されることが見込まれるものの、米国の金融政策正常 化への歩みが緩やかになる中、さらなる円高を試す展開も想定 され、ドル/円の上値は重いと想定されます。ただし、政府の 財政支出姿勢は明確であり、中長期的には円高圧力は逓減する と予想されます。また、米国景気の自律回復の強まりなどによ るインフレ懸念の台頭から米国の金融引き締め姿勢が強くなる リスクには注意が必要とみられます。 予想 実績 2016年度(※) 90.00~ 110.00 1.05~1.25 ※2016/7~2017/3 為替レートの推移 円安 ドル高(円) ドル安 ユーロ (ドル) 高 ユーロ/ドル(右軸) ドル/円(左軸) 130 1.5 125 1.4 120 1.3 115 1.2 110 1.1 105 1.0 100 円高 14/3 ドル安 14/9 15/3 15/9 0.9 ドル高 16/3 ユーロ (年/月) 安 ※期間:2014年3月末~2016年6月末 【原油】価格の底打ち感はあるものの、レンジ圏で推移する展開を想定 【金】米国の利上げ観測の後退や地政学リスクにより先高観測が継続 コモディティ価格の推移 【原油】 4~6月期は、主要産油国による増産の凍結期待の後退などが 下落要因となったが、一方では供給過剰に対する過度な懸念が 後退したことやナイジェリアで武装勢力による石油パイプライ ンの破壊などが上昇要因となり、WTIは一時1バレル=50ドル 台まで上昇しました。 価格の底打ち感はあるが、米国のシェールオイル産出コストの 低下と原油価格の上昇による生産の再開懸念や、イランの経済 制裁解除に伴う原油輸出再開などで中東産油国の供給減は見込 めないこと、加えて原油の消費量の伸びが供給量を下回る状況 に変化はないことなどを背景に原油価格の反発は限定的とみら れ、当面は1バレル=40ドル台~50ドル台半ば程度のレンジ圏 での推移が予想されます。 【金】 4~6月期は、米国の利上げ観測の後退や、英国のEU(欧州連 (ドル/バレル) 120 100 80 60 40 20 12/3 13/3 (ドル/トロイオンス) 14/3 15/3 16/3 (年/月) NY金先物価格 2,000 1,800 1,600 合)離脱に伴う金融市場の混乱、および地政学リスクなどを背 景に上昇しました。 1,400 利益確定売りが出やすい状況にあるものの、米国の金融政策正 1,000 常化への歩みが緩やかになることや、各国の中央銀行が金融緩 和姿勢を継続し流動性を供給すること、および地政学リスクな どから先高観測が継続する展開が予想されます。 WTI原油先物価格 1,200 12/3 13/3 14/3 15/3 16/3(年/月) ※期間:2012年3月末~2016年6月末 (出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成) ※当資料は、将来の市場動向等を示唆・保証するものではありません。※当資料は、DIAMが信頼できると判断した情報に基づき作成していますが、 情報の完全性、正確性を保証するものではありません。※当資料の内容は作成時点のものであり、今後予告なく変更される場合があります。※巻末の ご注意事項等を必ずご確認ください。 3/4 マーケットレポート 情報提供資料 ◆日経平均株価(日経平均)は、株式会社日本経済新聞社によって独自に開発された手法によって算出される著作物であり、株式会社日 本経済新聞社は、日経平均自体及び日経平均を算定する手法に対して、著作権その他一切の知的財産権を有します。◆Standard & Poor‘s®並びにS&P®は、スタンダード&プアーズ・ファイナンシャル・サービシーズLLC(以下「S&P」)の登録商標です。Dow Jones® は、ダウ・ジョーンズ・トレードマーク・ホールディングズLLC(以下「ダウ・ジョーンズ」)の登録商標です。これらはS&P ダウ・ ジョーンズ・インデックスLLCに対して使用許諾が与えられており、DIAMアセットマネジメント株式会社に対しては特定の目的のために 使用するサブライセンスが与えられています。NYダウ(ダウ・ジョーンズ工業株価平均)はS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスLLCが 所有しており、DIAMアセットマネジメント株式会社に対して使用許諾が与えられています。S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスLLC、 ダウ・ジョーンズ、S&Pおよびその関連会社は、DIAMアセットマネジメント株式会社の商品を支持、推奨、販売、販売促進するものでは なく、また投資適合性についていかなる表明をするものではありません。 160721情報市場環境見通し-1 4/4
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