F 経営情報システム

平成28年度
F
○
中小企業診断士第1次試験
経営情報システム
【総評】
昨年の出題内容と比べると今年度は難易度がやや増している。この科目単独で60点以上
の確保はかなり困難であり、突破するには知識とテクニックを総動員する必要がある、厳
しい内容であった。特徴を列挙すると、①時事問題・最新の内容が多い。②従来と同じ用
語を問うにしても、実務的・技術的に詳細な内容が多い。②経済産業省やIPA(情報処
理推進機構)、民間団体等から発行されている各種ガイドラインや指針からの出題が多く
みられる。④計量分析技法(主に統計)に関して、方法の特徴といった前提知識からの出
題となっている。正解すべき問題、適切・不適切な選択肢について、基礎知識をフル活用
しつつ、選択肢間の関係も視野に入れて選択・削除できる力が求められる。問題数は25で
各配点は4点。おおよそ、前半(第1問∼第12問)が情報通信技術に関する基礎的知識で
難易度がやや低く、後半(第14問∼第25問)が経営情報管理の出題で難易度の高い問題が
高かった。前半の正解率が合否に深く影響するだろう。
(情報通信技術に関する基礎的知識)
以前から得点源となっていた、ハードウェア・ソフトウェア分野は今回も確実な正解が
求められる。第1問(ハードウェアの構成)、第3問(記憶領域管理)、第4問(ソフト
ウェアの分類)、第5問(表計算ソフト)、は基本問題である。
ネットワーク分野(LAN、インターネットなど)のうち、第6問(認証技術)、第11
問(無線LAN)、第12問(電子メール)も確実に正解したい。
(経営情報管理)
以前から出題数の多い、情報システム開発分野は、出題数が減少するとともに、開発モ
デルや開発方法論がほとんど出題されていない。第17問(要求と結果のギャップ)は、そ
の場で相対的に判断できる問題であり、何とか正解したい。
政府などから発表されているガイドラインや指針からの出題である第14問(ORiN2)、
第18問(ⅰコンピテンシ・ディクショナリ)、第21問(ITSMS等)は、出典資料をあ
たっていないと解答が困難な問題ではあるが、設問文や基礎知識から何とか絞り込みたい。
統計分野は、例年通り2問の出題であった。うち、第25問(3社の平均重量の比較)は、
何とか正解したい。
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