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東京大学(前期)【日本史】解答例
第1問
A
唐が領域を拡大するなど東アジア情勢が変動するなかで,律令国家が蕃夷である蝦
夷を服属させる帝国であることを内外に示した。
B
度重なる征討事業によって国家財政が圧迫され,民衆に多大な負担を強いることで
その疲弊化を招いた。一方,東北地方は物産供給地となり,太平洋側の海上交通は発
達した。また,軍事的官職の存続は平将門の乱や前九年の役などを通じ武士団形成に
つながった。
第2問
A
承久の乱後,東国武士が西国への地頭に補任されると,在地支配をめぐり所領紛争
が増加し,六波羅探題に紛争解決が委ねられた。
B
弘安の役後も幕府は蒙古襲来に備え,九州御家人に対する異国警固番役への動員を
継続した。そこで幕府は鎮西探題を設置して九州の御家人指揮や裁判判決に当たらせ,
御家人を番役に専念させた。
第3問
A
長男の相続が原則であったが,長男に不都合がある場合は次男が,子がいない場合
は弟が,男性がいない場合には女性が相続した。
B
村請制のもと年貢は村に課せられるため,年貢を負担する本百姓の家を維持しなけ
ればならず,家に男性がいない場合,女性が相続して当主の代理となり,男性相続人
へのつなぎの役割を果たした。
第4問
A
陸軍の横暴によって西園寺公望内閣が総辞職し,陸軍出身の桂太郎が首相に就任す
ると,
「閥族打破・憲政擁護」を唱えた第一次護憲運動は桂を辞職に追い込み,政党政
治の実現への気運を高めた。
B
英米との協調関係や軍縮の機運のなか,緊縮財政を進める浜口内閣が条約締結を進
めたことは,統帥権干犯を問題として軍部や右翼・立憲政友会の反発を招き,浜口首
相狙撃などの事件も誘発した。