Flyer re Title - みずほ投信投資顧問株式会社

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インベストメント・ストラテジー & エコノミクス
チーフ・エコノミスト シェーン・オリバー
Viewpoint
2016 年 7 月 5 日
豪州準備銀行が政策金利を 1.75%に据え置き
豪州準備銀行(RBA)は、7 月 5 日(火)に開かれた定例理事会において、市場予想通り政策金利を引き続き過去最低の
1.75%に据え置く決定を行いました。
これまでのところ、多くの市場が Brexit 国民投票の結果にもかかわらず効果的に機能し続けており、英国以外の世界の経済
活動に及ぼす影響を判断することは難しいかもしれないとしています。RBA の金利据え置き決定に対する声明における見通
しの大半は、ほとんど前回から変更がありませんでした。
さらに RBA は、今後 2 年間において特に集合住宅が大量に市場に供給されることから、最近住宅価格が再び上昇している
ことについて、容認する姿勢を示しています。 これは過度の住宅価格上昇についての懸念が更なる金融緩和の制約とはなら
ないことを示唆しています。
より重要な点は、 声明の最終パラグラフに対する変更であり、中立的な立場をやや和らげて、一段の緩和を示唆する内容と
なっています。特に、「更なる情報を待つ」としている最後のセンテンスに、今後見通しを更新する可能性があるとする一文が
新たに追加され、「適切と思われる政策スタンスに変更することを許容する」としています。おそらく 7 月後半に発表される 4-6
月期のインフレ指標を指していると見られ、より広範には、Brexit や豪州総選挙の影響、また RBA が豪州経済の鉱業ブーム
終焉後の調整を複雑にしていると見ている豪ドル高に関するリスクを精査することに対する言及であろうと思われます。金利
引き上げは想定しにくいことから、RBA が言及している「変更」とは、金利引き下げを意味しています。
弊社では、RBA は年末までに再度金利引下げを行うと見ています。外部要因としては世界規模で低インフレ傾向となってい
ること、そして国内要因としては、過去最低の賃金成長率となっていることから、物価上昇リスクは見当たりません。世界、そ
して豪州の経済成長は(Brexit と、混乱の様相を見せている豪州総選挙により)減速傾向にあり、米連邦準備制度理事会
(FRB)の金利引き上げ観測が後退していることから、更なる豪ドル高が進む可能性があります。
これらのことから、弊社では今年あと 2 回の 0.25%の金利引き下げを想定しており、4-6 月期のインフレデータの発表後、経
済予測を見直し、8 月に次の金利引下げが行われると見ています。
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