統計学 講義 第 12 回 標準正規分布 Part-2 2016 年 5 ⽉ 27 ⽇(⾦)1 限 担当教員: 唐渡 広志(からと・こうじ) 研究室: 経済学研究棟4階432号室 email: website: [email protected] http://www3.u-toyama.ac.jp/kkarato/ 1 お知らせ 中間試験 ⽇時と場所:5⽉31⽇(⽕)3 限,13:00 – 14:30, D11教室 持ち込み:⾃筆のノート(A4の紙1枚,表裏),電 卓(平⽅根が計算できるもの) パソコンや通信機器の使⽤は禁⽌ 範囲:第 2 回から第 12 回まで 配布物と演習問題 ホームページからダウンロード 2 講義の目的 代表的な確率分布である正規分布の特徴につい て理解します。 keywords:正規分布,標準正規分布,臨界値,有意 な値 参考書 ⽩砂 pp.115 – 125 ⿃居 pp. 77 – 92 ⼤屋 pp. 116 – 126 3 【復習】正規分布の標準化 X を標準化 Z X すると, 必ず Z ~ N 0,1 0.2 0.3 標準化 0.1 N 0,1 N 10, 4 0.0 f(x) 0.4 0.5 0.6 「標準」正規分布と普通の正規分布 -10 0 10 20 30 x ⾯積はどちらも 1 4 【復習】標準正規分布表 確率 Pr (0 ≦ Z ≦ A) あるいは Pr (0 < Z < A) を⽰した表 例.Z が0以上1.73以下である確率 N(0,1) 標準正規分布 Standard Normal Dis tribution -4 -2 0 2 4 z 5 例 3 : Pr Z 1.96 0.025 1 : Pr 0 Z 1.96 0.4750 -4 -2 0 2 4 -4 -2 0 z 4 4 : Pr Z 1.96 0.025 2 : Pr Z 1.96 0.975 -2 2 z z -4 0 2 4 -4 -2 0 2 4 z 6 練習問題 (1) 1 Pr 1.96 Z 1.96 2 Pr 1.75 Z 0.56 7 練習問題 (2) [1] X ~ N 30, 32 とする。Pr 25.95 X 28.05を求めなさい。 [ 2] X ~ N 30, 32 とする。Pr X 26.25を求めなさい。 8 臨界値と有意な値 (1) 例題. X ~ N 170,49 とする. Pr X C 0.025 を満たす C はどのような値か ? ⾯積(確率) = 0.025 (2.5%) Pr X C Pr Z 1.96 0.025 なので C 170 Pr X C Pr Z より 7 C 170 1.96 であるから, 7 C 170 1.96 7 183.72 150 160 170 180 190 C 183.72 Pr Z 1.96 0.025 -4 -2 0 2 4 1.96 (上側2.5%臨界値) 9 臨界値と有意な値 (2) 臨界値と確率 「きわめて稀な値」であると判断される境界の値のことを臨界値(Critical Value)とよぶ。 臨界値より⼤きい値は,分布においてきわめて⼤きな値である. したがって,臨界値を定めている確率(きわめて稀であると判断される確 率)は⾮常に⼩さな値である(5%, 2.5%, 1%, 0.1%など) 有意な値 分布の右裾において,(上側)臨界値より⼤きい値のことを有意な値とよ ぶ。 分布の左裾において, (下側)臨界値より⼩さい値のことを有意な値とよ ぶ。 そのようにめったに起こらないほど⼤きい値であることを「有意に⼤き い」と表現する。または,「有意である」と表現する。 10 0.4 臨界値と有意な値 (3) 0.04 0.2 0.3 N 0, 1 -2 0 2 C = 183.72 0.00 0.1 0.0 1.96 -4 0.02 0.025 N 170, 7 2 4 140 150 160 170 180 190 200 X Z = 0.42 は有意でない (めずらしくない値) Z = 2.86 は有意である (めずらしい値) 有意な値 X = 173 は有意でない (めずらしくない値) X = 194 は有意である (めずらしい値) 有意な値 分布の左裾においても同様に有意な値を考えることができる。 11 臨界値と有意な値 (4) 例題. X ~ N 170,49 とする。 Pr X C 0.025 を満たす C はどんな値か ? Pr X C Pr Z 1.96 0.025 なので 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 C 170 1.96 7 156.28 Pr Z 1.96 0.025 f(x) C 170 Pr X C Pr Z より 7 C 170 1.96 であるから, 7 -4 ⾯積(確率) = 0.025 (2.5%) -2 0 2 4 x −1.96(下側2.5%臨界値) 12 練習問題 (3): 臨界値 C を求める X ~ N 10,4 とする。 Pr X C 0.025 を満たす C の値を求めなさい。 X ~ N 0,9 とする。 Pr X C 0.025 を満たす C の値を求めなさい。 13 練習問題 (4) X ~ N 20, 9 とする。 Pr X C 0.975 を満たす C の値を求めなさい。 X ~ N 200, 10 2 とする。 Pr X C 0.025 を満たす C の値を求めなさい。 14 練習問題 (5) X ~ N 20, 9 とする. Pr a X b 0.95 を満たす a, b の値を求めなさい。 X ~ N 10, 4 とする. Pr a X b 0.95 を満たす a, b の値を求めなさい。 15 練習問題 (6) 先⽇ある公務員の採⽤試験が⾏われ,採⽤予定⼈数が 25 名のとこ ろ1000 名の受験者があった。試験は筆記と⾯接を合わせて600点満 点であり,採点の結果,平均点が 365 点,標準偏差が 50 点で,得 点の分布はほぼ正規分布をしていることがわかった。 [問]合格者を25名とするときの合格最低点は何点か? 16 N (365, 502) において1000人中25番目の人の点数 0.004 0.006 X ~ N 365, 50 2 0.000 0.002 2.5% (1000⼈中25⼈) 0 100 200 300 x 400 500 600 365 + 50×1.96 = 463 [点] 17 練習問題 (7) T⼤学理系学部の⼤学⼊試は,受験室を確保するためにセン ター試験の⾜切(⾨前払い)を実施する。3000⼈の受験者の うち2次試験を⾏うのは600⼈である。センター試験は 900 点 満点であり,志願者の平均は 659 点,標準偏差は 83 点であっ た。分布はほぼ正規分布であるという。 [問]⾜切の点数は約何点になるか。 18 中間試験について 試験の項⽬ 演習問題 データの記述統計 2, 3 データの変換 4, 5 階級別データ 6 確率変数の期待値と分散 8 ⼆項分布 7 正規分布 10, 11 そのほか 宿題1 19
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