PowerPoint プレゼンテーション

*グローバル投資環境
米国FOMC議事録~
No.1350 *
ご参考資料
髙木証券投資情報部
6月利上げの可能性を指摘。5月の雇用
統計が重要な判断材料に
2016年5月19日作成
米国の中央銀行にあたるFRBは18日、4月26日から27日にかけて開いたFOMCの議事録を公表し
た。当該FOMCでは、政策金利であるFFレートの誘導目標を3会合連続で0.25~0.50%で据え置
いている。
【声明文のポイント】
FOMCの終了直後に公表された声明文
3/15~16
4/26~27
の段階で、3月15~16日開催のFOMCか
1月の会合以降に入手した情報は、ここ数ヶ
3月の会合以降に入手した情報は、経済活
らの変化は二点あり、その一つ目は、景
月のグローバル経済や金融の動向にもかか
景気全般
動の伸びは減速したようにみえるが、労働市
気の現状全般に関する表現が、 「ここ
わらず、経済活動が緩やかなペースで拡大
場はさらに改善したことを示唆している
数ヶ月のグローバル経済や金融の動向に
したことを示唆している
ここ数ヶ月間で上向いたが、エネルギー価格
もかかわらず」という但し書き付きでの
以前のエネルギー価格の下落と非エネル
の下落と非エネルギーの輸入価格の値下が
「緩やかに拡大した」から、 「労働市
ギーの輸入価格の値下がりを一部反映して
りを一部反映して我々の長期目標を引き続
場はさらに改善した」ことをあえて強調
我々の長期目標を引き続き下回って推移し
き下回って推移した。市場ベースのインフレ
しつつ「経済活動は減速したようにみえ 物価
た。市場ベースのインフレ指標は引き続き低
指標は引き続き低く、調査に基づく長期の期
る」へ下方修正されたことであり、この
く、調査に基づく長期の期待インフレは結局
待インフレは結局のところ余り変わっていな
のところ余り変わっていない。
点は声明文公表の翌日に発表された第1
い。
四半期GDPの速報値が前期比年率0.5%
金融政策スタンスの緩やかな調整により、経
金融政策スタンスの緩やかな調整により、経
の低成長にとどまったことと符合してい
済活動は緩やかなペースで拡大するととも
済活動は緩やかなペースで拡大するととも
る。この点について議事録は、「参加者
に、労働市場関連の指標は引き続き強まる
に、労働市場関連の指標は引き続き強まる
は、中期的な経済見通しに関する評価は
とみられるが、グローバル経済と金融の動向
とみられる。早い時期のエネルギー価格の下
3月会合時から本質的には変わっていな
が引き続きリスクである。早い時期のエネル
落を一部反映してインフレは短期的には低
いことを示唆、第1四半期にみられた支
ギー価格の下落を一部反映してインフレは短
景気と物価の先行き
位にとどまるとみられるが、エネルギー価格
出の明白な軟化が根強くなさそうなこと
期的には低位にとどまるとみられるが、エネ
及び輸入価格下落の一時的効果の消失と労
ルギー価格及び輸入価格下落の一時的効
を多くの要因が示唆していることを議論
働市場のさらなる改善により、インフレは中
果の消失と労働市場のさらなる改善により、
した」と述べた上で、「近年の例からも
期的に2%に向けて上昇するだろう。我々は
インフレは中期的に2%に向けて上昇するだ
明らかなように、第1四半期GDPの低い
引き続きインフレの動向とグローバル経済と
ろう。我々は引き続きインフレの動向を注視
伸びは、計量上の問題を反映している可
金融の変化を注視する。
する。
能性があり、もしそうであれば、続く四
半期にはより強いGDPの伸びがみられる
経済情勢が極めて緩やかなFF金利の引き 経済情勢が極めて緩やかなFF金利の引き
上げに限って正当化される形で改善され、FF 上げに限って正当化される形で改善され、FF
だろう」との見解を示している。
フォワードガイダンス
金利はしばらくの間、長期的に有効とされる
水準を下回って推移するだろう。しかしなが
ら、FF金利の実際の道筋は今後のデータに
よる経済見通しに依存する。
金利はしばらくの間、長期的に有効とされる
水準を下回って推移するだろう。しかしなが
ら、FF金利の実際の道筋は今後のデータに
よる経済見通しに依存する。
3月FOMCの声明文からの変化の二
点目は、景気と物価の先行きについて
記述したパラグラフから、「グローバ
ル経済と金融の動向が引き続きリスクをもたらしている」という表現を削除したことである。
議事録では、「複数の参加者が、今や経済見通しに関するリスクはほぼバランスしていると判
断したが、他の多くは、国内支出の減速が継続するかも知れないことや、グローバルな経済と
金融の見通しに対する懸念が残ることによるダウンサイドリスクが引き続きみられることを表
明した」と述べた上で、「幾人かはグローバル金融市場が、英国のEU残留の可否を問う来たる
べき国民投票に対して過敏になる可能性があることを主張した」ことを明らかにしている。
ところで、「経済情勢が極めて緩やかな(only gradual)FF金利の引き上げに限って正当化され
る形で改善され、FF金利はしばらくの間、長期的に有効とされる水準を下回って推移するだろ
う。しかしながら、FF金利の実際の道筋は今後のデータによる経済見通しに依存する」を根幹
部分とするフォワードガイダンスについては、3月のFOMC声明文から全く変わっていなかった
が、議事録が、「大半の参加者は、今後入ってくるデータが、第2四半期に経済成長が上向き、
労働市場が引き続き力強さを増 し、インフレが委員会の目標である2%に向けて進展している
状況と一致すれ ば、FF金利誘導目標のレンジを6月に引き上げるのが適切だと判断した」こ
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最終頁の「ご注意いただきたいこと」を必ずお読み下さい。
髙木証券投資情報部
ご参考資料
FOMCメンバーの金利見通し(3/16発表)
とを明記している点にはやや意
外感があるが、FOMC関係者の
最近のコメントが総じて「タカ
派」であることとは整合する。
議事録は一方で、6月のFOMCま
でにそうした状況になり得るか
どうかについては意見が分かれ
ていることも明らかにしている。
2016年末
「中央値」
=0.875%
髙木証券では、実際に6月のFOMC
での利上げが現実的な選択肢として
大きく浮上するか否かの鍵を握るの
は6月3日に発表される5月の雇用統
計だと考えている。非農業部門雇用
者増加数の4月までの3ヶ月間の平均
は、労働市場堅調の目安とされる20
万人ちょうどだが、5月の雇用増が
20万人を上回る、言い換えれば、雇
用増の3ヶ月平均が20万人を維持す
れば(もちろん過去の雇用者数変化
の修正の影響も考える必要はある
が)、米国債券利回りの上昇及びそ
れを背景にした為替市場における米
ドルをさらに下支え要因になるとみ
られる。なお、その場合には、結果
的に利上げが見送られても、FF金利
の先物が年内1回の利上げすら十分に
織り込んでいない状況が続いてきた
だけに、「25ベーシスの利上げが年
内に2回」という、3月FOMC時点で
のFRBのメインシナリオが変らなけ
れば、米ドルを売り直す材料にはな
りにくいと思われる。
(文責:勇崎 聡)
《年内のFOMC開催日程》
議長会見
6/14~15 有り
7/26~27 無し
9/20~21 有り
11/1~2 無し
12/13~14 有り
《FOMC以降の関係者の主な発言》
日付 発言者
要旨
経済が現在のトレンドの上にあれば、次回の会合での利上げが支持できるだろう。私の見方で
サンフランシスコ連銀
5月3日
は、我々が議論してきたことの全てを踏まえれば、次のステップに進むことが適切だと思われる。
ウィリアムス総裁
しかし、これから6月までの間には多くのことが起こり得る
(FF金利先物が織り込む次回FOMCでの利上げ確率が12%しかないことに関する質問に対して)
実際の選択肢としてその確率はもっと高いだろう。今から6月の半ばまでの間のFOMC参加者とメ
アトランタ連銀 ンバーの発言は、次回の会合で予想される展開を、現実的な範囲で市場に準備させようとするも
5月3日
ロックハート総裁
のになろう。金融市場と当局者が適度に協調していることが望ましい。市場を驚かせることにより
ボラティリティを高めることは建設的ではない。さらなるデータを確認するまでは、6月の利上げに
傾いたり、反対したりしないが、年内2回の利上げはもちろん可能だ
6月のFOMCは利上げが有り得る『ライブ』の会合であり、3月に比べると豊富なデータが得られる
セントルイス連銀
5月4日
だろう。米国の経済が利上げを正当化するかどうか、先入観を持たずに(an open mind)臨むとい
ブラード総裁
う姿勢に変わりはない
1~2月にかけてのグローバルなボラティリティーはいくぶん和らぎ、より最近の経済指標は「程よ
サンフランシスコ連銀
5月5日
いグローバル成長」に一致する。我々は年内の数回を含む、今後2年間に及ぶ緩やかな緩和撤
ウィリアムス総裁
廃の途上にあり、年内2~3度の利上げは合理的な見方だろう
4月の雇用統計は予想よりも少しだけ厳しい内容だったが、私自身の経済見通しに影響を与える
NY連銀
5月6日
要素としてはさほど重視しない。Fedが年内に2回の利上げを実施するとの見通しは引き続き合理
ダドリー総裁
的だ
米国経済のファンダメンタルズは良好であり、金融政策に関しては「wait and see」の姿勢が適切
シカゴ連銀
だ。米国のファンダメンタルズは引き続き健全であり、今年の遅くには政策金利引き上げの緩や
5月9日
エバンス総裁 かな再開が許容されるだろう。2016年の残りの期間、米国は2.5%程度のペースで成長し、失業
率はさらに4.75%まで低下するだろう
今後の経済指標が、労働市場の改善とインフレが我々の目標である2%に近づくことを裏付ける
のであれば、金利の緩やかな正常化を続けることが適切になるだろう。4月の雇用統計は市場の
ボストン連銀
予想をやや下回ったが、多くのエコノミストが米国経済が完全雇用に近づいていると考える状況
5月12日
ローゼングレン総裁 で、相対的にはなおも強い雇用の伸びを反映している。市場はなおも米国のファンダメンタルズ
の強さに対してなお余りにも悲観的だが、金融緩和が解除される可能性は金融市場が現在織り
込んでいるものより高いだろう
私はより正常なレベルに向けての短期金利の漸進的な調整を支持するが、私の見方では、今日
カンザスシティー連銀
5月12日
の経済情勢にとって、現行水準は低過ぎる。金利変動に敏感なセクターが低金利に反応して過
ジョージ総裁
剰な債務を背負って急成長し、その後に混乱を伴いつつ巻き戻すことになりかねない
(出所:FRB、米国労働省、Bloombergのデータより髙木証券作成)
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