PowerPoint プレゼンテーション

*グローバル投資環境
No.1504 *
ご参考資料
髙木証券投資情報部
「大半の参加者は、比較的早い時期の利上
米国FOMC(11/1~2)議事録~げが適切になるという見方を表明した」
2016年11月24日作成
米国の中央銀行にあたるFRBは23日、今月1日から2日にかけて開いたFOMCの議事録を公表し
た。当該FOMCでFRBは、政策金利であるFFレートの誘導目標を、7会合続けて0.25~0.50%で据
え置くことを決定している。また、投票権を有する10名のメンバーのうち、カンザスシティー
連銀のジョージ総裁とクリーブランド連銀のメスター総裁が9月20~21日開催の前回FOMCに続
いて25ベーシスの利上げを主張したが(ジョージ総裁はそれ以前にも3月、4月及び1回飛んで7
月のFOMCでも利上げを主張)、前回は金利据え置きに反対したボストン連銀のローゼングレン
総裁は多数意見に戻っている。
【新旧声明文比較】(抜粋)
9/20~21
7月の会合以降に入手した情報は、経済活
動は今年の上期にみられた控えめなペース
から上向いたことを示している
労働市場は引き続き強まった。ここ2~3ヶ月
の失業率はほとんど変わらなかったが、雇用
の伸びは平均すると堅調だった。
11/1~2
9月の会合以降に入手した情報は、経済活
景気の現状認識
動は今年の上期にみられた控えめなペース
から上向いたことを示している
労働市場は引き続き強まった。ここ2~3ヶ月
労働市場
の失業率はほとんど変わらなかったが、雇用
の伸びは堅調だった。
インフレは今年の早い時期以降いくらか上昇
以前のエネルギー価格の下落と非エネル
したが、以前のエネルギー価格の下落と非エ
ギーの輸入価格の値下がりを一部反映して
ネルギーの輸入価格の値下がりを一部反映
2%という我々の長期目標を引き続き下回っ
して我々の長期目標を引き続き下回って推
物価
て推移した。市場ベースのインフレ指標は引
移した。市場ベースのインフレ指標は上向い
き続き低く、ほとんどの調査に基づく長期の
たが引き続き低く、ほとんどの調査に基づく
期待インフレは結局のところここ数ヶ月余り
長期の期待インフレは結局のところここ数ヶ
変わっていない。
月余り変わっていない。
金融政策スタンスの緩やかな調整により、経
済活動は緩やかなペースで拡大するととも
金融政策スタンスの緩やかな調整により、経
に、労働市場関連の指標はいくらか強まるこ
済活動は緩やかなペースで拡大するととも
とを見込んでいる。早い時期のエネルギー価
に、労働市場関連の指標はいくらか強まるこ
格の下落を一部反映してインフレは短期的
とを見込んでいる。過去のエネルギー価格及
には低位にとどまるとみられるが、過去のエ
び輸入価格下落の一時的効果の消失と労働
景気と物価の先行き ネルギー価格及び輸入価格下落の一時的
市場のさらなる改善により、インフレは中期
効果の消失と労働市場のさらなる改善によ
的に2%に向けて上昇するだろう。経済見通
り、インフレは中期的に2%に向けて上昇す
しに対する短期的なリスクは概ねバランスし
るだろう。経済見通しに対する短期的なリス
た。我々は引き続きインフレの動向とグロー
クは概ねバランスした。我々は引き続きイン
バル経済と金融の変化を注視する。
フレの動向とグローバル経済と金融の変化を
注視する。
決定した政策等
これらを背景に、FF金利の目標レンジを0.25
~0.50%で維持することを決定した。FF金利
引き上げの論拠は強まったと判断している
が、当面は目標に向けて進展を続けているさ
らなる証拠を待つことにした
これらを背景に、FF金利の目標レンジを0.25
~0.50%で維持することを決定した。FF金利
引き上げの論拠は引き続き強まったと判断し
ているが、当面は目標に向けて進展を続け
ているさらにいくつかの証拠を待つことにした
このFOMCについては、市場の見方は利上げなしでほぼ一致していたが、イエレン議長の会見
がないため、FRBのスタンスを読み解く上での唯一の手掛かりである声明文を読解する上での最
大の注目点は、12月13~14日の次回FOMCでの利上げを示唆する文言が盛り込まれるか否かであ
り、結論としては具体的な言及はなされなかった。しかし、9月FOMCの議事録に新たに記された
「FF金利引き上げの論拠は強まった」という表現に「引き続き(continued)」という一語を付
加したほか、こちらも9月FOMC声明文の「当面は目標に向けてさらなる進展を続けているという
さらなる証拠を待つことにした」という記述のうちの、「さらなる証拠(further evidence)」
を「さらにいくつかの証拠(some further evidence)」に変更しており、この点については議
事録にも声明文と全く同じ記述がみられるほか、議事録では「大半の参加者は、今後の指標が
我々の目標に向けた進展に対するさらにいくつかの証拠を提供するのであれば、比較的早い時期
の利上げが適切になるという見方を表明した」ことが明記されている。
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最終頁の「ご注意いただきたいこと」を必ずお読み下さい。
髙木証券投資情報部
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また、声明文段階でのもう一つの特徴は、インフレに関
する記述が総じて、2%の目標達成に向けた自信の強まり
を感じさせるものに変ったことが挙げられるが、議事録
ではこの点について、「ここ1~2ヶ月のヘッドライン及
びコアCPIは予想よりもいくぶん高かった。これを参加者
は、ヘッドラインインフレが中期的に当局の目標である
2%に上昇することと矛盾しないポジティブなものと受け
止めている」と述べている。その上で、「参加者は、当
局のインフレ目標が予想よりも早期に達成されることが、
政策金利の道筋に対する市場予想の見直しを促し、長期
金利が急に上昇し、さらにドル高が進む可能性を含む、
インフレ見通しを取り巻くリスクの、政策に対して有り
得るインプリケーションについて議論した」ことを明ら
かにしている。
ところで髙木証券では、11月4日に発表された10月の
雇用統計を、利上げを正当化する「有力な証拠」だと判
断、12月2日発表予定の11月雇用統計が大崩れしなけれ
ば、大統領選挙の結果にかかわらず、12月のFOMCで利上
げが再開される可能性が高いと考えていた。一方、市場
関係者の見方は大統領選挙の前後で迷走、トランプ氏の
当選が確定した直後には12月の利上げに対して否定的な
向きが増えたが、足下では12月利上げに対する市場関係
者の確信は選挙前よりも高まっているようであり、17日
の議会証言における「今後明らかになる経済指標がFOMC
の目標に向けて前進を続けているさらなる証拠を示せば、
比較的早期の利上げが適切になる可能性が十分にある」
という、イエレンFRB議長の発言も、前述した利上げに対
する思惑と整合的だと思われる。最近の米国債券利回り
の上昇と為替市場における米ドル高も、利上げの織り込
みが強まっていることを反映しているように思われるが、
こうした状況において利上げが実際された場合、髙木証
券では、声明文と同時に公表されるFOMC参加者の「経済
見通し」と「ドットチャート」が来年を占う上で重要に
なると考えている。9月のFOMC時の「ドットチャート」
は、年内1回、来年2回の利上げを示唆していたが、次回
のFOMCで示される「経済見通し」において、来年の成長
率が、2%を若干下回るとみられる今年を上回ることが予
想されるとともに、9月のコアPCEは1.7%であったが、イ
ンフレについても今年を上回る見通しが示されれば、12
月のFOMCで利上げが行われるとの仮定した場合、来年に
は今年の1回を上回る回数の利上げが行われると考えるの
が普通であり、このことは、中期的な米国債券利回りを
緩やかな押し上げと、それに伴う米ドルの上昇につなが
ると思われる。
FOMC参加者の経済見通し(9/21発表)
GDP
失業率
PCEインフレ
Core CPE
9月予想
6月予想
9月予想
6月予想
9月予想
6月予想
9月予想
6月予想
予想中央値
2016 2017 2018 2019 長期
1.8 2.0 2.0 1.8 1.8
2.0 2.0 2.0 n.a.
2.0
4.8 4.6 4.5 4.6 4.8
4.7 4.6 4.6 n.a.
4.8
1.3 1.9 2.0 2.0 2.0
1.4 1.9 2.0 n.a.
2.0
1.7 1.8 2.0 2.0
1.7 1.9 2.0 n.a.
FOMC参加者の金利見通し(9/21発表)
2017年末
「中央値」
2016年末 1.125%
「中央値」
0.625%
(文責:勇崎
聡)
(出所:FRB、Bloombergのデータより髙木証券作成)
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