高等学校 現代文B

発行者の
番号・略称
教科書の
記号・番号
183
第一
現B 317
教科書名
高等学校 現代文B
代表著作者 東郷克美
■編集の基本方針と編集上の留意点および特色■
1ニ∼三年生の通年履修を想定──「国語総合」履修後の二∼三年次での使用を想定して,三年
間を見通した教材配当を行いました。生徒の発達段階に応じて柔軟に学習できるよう,全体を第
Ⅰ章と第Ⅱ章に分け,教育現場の実態に即応し,体系的に読解・鑑賞方法が修得できるよう,ジ
ャンル別の単元構成にしました。二年次での教材として評価の定まっている『山月記』『ここ
ろ』は第Ⅰ章に,三年次での教材として評価の定まっている『舞姫』は第Ⅱ章に採録しました。
『舞姫』には,本文内容の理解がスムーズにできるよう,必要に応じて現代語訳をつけました。
2教材の選定──文章が明晰で,できるだけ完結性のあるまとまった作品を取り上げました。ま
た,生徒の興味・関心を呼びおこし,自己の主体的問題として取り組めるような社会性のある作
品を取り上げました。人物・内容ともに幅広い分野にわたってバラエティーに富んだものとし,
やや高度な作品も交えて,ものの見方・考え方を深められるように,評論に重点を置いた編集を
しました。さらに「実用の文章」として,記事・記録文などの実用的な文章も取り上げました。
3創作的な活動,言語活動にも配慮──「創作の楽しみ」では,短歌と俳句を取り上げ,学習活
動が行いやすいように,テーマ別に作例を配し,解説を施しました。
「言語活動」では,生徒自
らが言語活動を行えるよう,情報の探し方や報告文(レポート)の書き方などについて,具体的
な手順と方法を示しました。
4学習課題・注・レイアウトの工夫──本文の理解を深めたり,学習の手がかりを示したりする
ため,学習課題や注などに工夫をこらしました。
●「学習」
「言葉と表現」の二項目に分けて学習課題を設定しました。
「学習」では,教材理解の
ための手がかり,学習活動のポイント,発展的な課題が得られるようにしました。「言葉と表
現」では,教材中に使われている表現を自分のものとできるような課題を設定し,また,言葉
や漢字を取り上げて,語彙力や,常用漢字を基本とした多角的な漢字の力が身につけられるよ
うにしました。ほか,
「注意すべき語句」として,本文に出てくる注意するべき語句や慣用表
現などをまとめて示しました。
●注の欄には,本文を読解するうえで注意すべき事柄を,
「問」の形で掲げました。
●巻頭に「読書のしるべ」を置き,採録した教材の原典書籍を紹介しました。
●本文や注の内容を視覚的にも理解できるように,脚注欄も含めて,写真で見せることができる
資料は,写真で見せることを原則としました。
教科書の構成
<第Ⅰ章>────────────────
<第Ⅱ章>────────────────
●評論(一)
●評論(一)
「美しい」を探す旅に出よう
田中真知
写真の持つ力
長倉洋海
手の変幻
清岡卓行
未来世代への責任
岩井克人
●小説(一)
●小説(一)
山月記
中島 敦
●評論(二)
歳時記について
山本健吉
日本語史の「当たり前」
小林 隆
●詩
わたしが一番きれいだったとき 茨木のり子
ちがう人間ですよ
永訣の朝
おおるり
三浦哲郎
●評論(二)
言語が見せる世界
野矢茂樹
いのちのかたち
西谷 修
●詩
足と心
中桐雅夫
宮沢賢治
冬の日
以倉紘平
自然の背後に隠れて居る
日本人の「顔」
中西雅之
自己とは一つの物語である
榎本博明
●小説(二)
萩原朔太郎
●評論(三)
身体の個別性
浜田寿美男
目に見える制度と見えない制度 中村雄二郎
夏目漱石
●評論(四)
働かないアリに意義がある
重松 清
長谷川龍生
●評論(三)
こころ
タオル
●小説(二)
舞姫
長谷川英祐
森 鷗外
●評論(四)
メディアの豊かさ
古郡廷治
定型があってこそおもしろい
高野公彦
反アート入門
椹木野衣
句を切る
長谷川櫂
言語活動
●小説(三)
創作の楽しみ・短歌と俳句
●評論(五)
動的平衡
福岡伸一
トランス・サイエンスの時代 村上陽一郎
●小説(三)
骰子の七の目
恩田 陸
バグダッドの靴磨き
米原万里
枯野抄
芥川龍之介
檸檬
梶井基次郎
●評論(五)
現代日本の開化
夏目漱石
「である」ことと「する」こと
丸山真男
言語活動
情報の探し方
●評論(六)
報告文(レポート)の書き方
「グローバル化」の中の異文化理解 住原則也
研究発表のしかた
連帯という言葉の意味
内山 節
●実用の文章
要約のしかた
注連縄―つつましく貧しく清楚な形 柳 宗理
東京タワー―揺れる天空で決死の塗装
意見文の書き方
田中哲男
ノーベル賞VS.イグ・ノーベル賞 竹内 薫