*グローバル投資環境 No.1332 * ご参考資料 髙木証券投資情報部 ユーロ圏の第1四半期GDP速報値~昨年第1四半期以来の高い伸び 2016年5月2日作成 欧州連合統計局は4月29日、ユーロ圏の第1四半期 GDPの暫定推計値を発表した。前期比の成長率は 0.6%増で、昨年第4四半期の実績である0.3%増、 市場予想の0.4%増をともに上回って昨年第1四半期 以来の高成長となった。 前期比 +0.6% 前年同期比 +1.6% ちなみに、ユーロ圏のGDPについては、従来は当 該の四半期の終了からおよそ45日後に発表される 速報値が第一報だったが、今回から約30日後の発 表に前倒しされているため、域内全ての国のデータ はまだ出揃っていないが、現時点では、スペインが 昨年第4四半期に続いて0.8%増と高い伸びを示した ほか、フランスが昨年第4四半期の0.3%増から 0.5%増へ加速したことなどが目立っている。 また、ユーロ圏の前年同期比の成長率は1.6%増 であり、こちらは昨年の第2四半期以降、同じ伸び が4四半期続いている。 成長率の堅調さの一方で、同じ日に発表された4 月のCPIが前年同月に比べて0.2%低下するなど、相 変わらず弱いインフレはECBにとって悩みの種であ る。ちなみに、ECBは政策判断において、自らの 「経済見通し」、とりわけインフレ予想を重視して おり、昨年12月と今年の3月の理事会ではインフレ 見通しの下方修正にあわせる形で追加緩和を実施す る一方、今年の1月及び4月21日の直近理事会では、 経済見通しの発表がなく、政策の変更は行っていな い。4月21日の理事会でECBは、「2%のインフレ 目標を達成するために必要であれば、我々の責務の 範囲内で、利用可能な全ての手段を用いて行動する 用意がある」ことを改めて確認しているため、 新 たな「経済見通し」が公表される6月2日の次回理 事会での政策変更は理屈の上では十分に有り得よう が、3月時点で従来の1.0%から0.1%に引き下げら れた2016年のインフレ見通しにはかなり保守的な 印象もあり、インフレ見通しを矢継早に再下方修正 する必要性は低いとみているため、現時点では、次 回理事会でのもう一段の緩和拡大はメインシナリオ ではないと考えている。 (文責:勇崎 聡) 《ECBによる2015/12/3と2016/3/10の追加緩和策》 2015/12/3 2016/3/10 中銀預金金利 ▲0.2%→▲0.3% ▲0.3%→▲0.4% 政策金利 0.05%で不変 0.05%→0% 中銀貸出金利 0.3%で不変 0.3%→0.25% 資産買入期間 2016/9→2017/3 2017/3までで不変 資産買入規模 600億ユーロ/月で不変 800億ユーロ/月に増額 買入対象 地方債を追加 事業債を追加 その他 満期証券の再投資 TLTROⅡ実施 【ECBの経済見通し】 成長率 インフレ率 12/3発表 3/10発表 12/3発表 3/10発表 2015年 1.5% 0.1% 2016年 1.7% 1.4% 1.0% 0.1% 2017年 1.9% 1.7% 1.6% 1.3% 2018年 1.8% 1.6% (出所:欧州連合統計局、ECB及びBloombergデータより髙木証券作成) 《ご注意いただきたいこと》当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資の最終決定はご自身でなさるようお願い いたします。当資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、その正確性・完全性を保証するものではありませ ん。株式、債券、投資信託等は、価格の変動や発行者の信用状況の悪化等により投資元本を割り込むおそれがあります。また、当資料の いかなる部分も一切の権利は髙木証券に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転 送等を行わないようお願いいたします。 当社で取り扱う商品等へのご投資には、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、お客様向け資料等をよく お読みください。 商号等:髙木証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第20号 【広告審査済】 加入協会:日本証券業協会 髙木証券インターネットホームページ:http://www.takagi-sec.co.jp/
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