*グローバル投資環境 ECB理事会~ No.1521* ご参考資料 髙木証券投資情報部 QEの期間を9ヶ月延長する一方、来年4月以降の 買入規模を月額600億ユーロに減額 2016年12月9日作成 ECBは12月8日に開催した理事会において、政策金利で ある主要借換金利を0.00%、中銀貸出金利を0.25%、同 預金金利を▲0.40%でそれぞれ据え置くとともに、後述 する資産買入の終了後も、これらを相当程度の期間にわ たって現状またはそれ以下に保つというフォワードガイ ダンスを維持した。 《ECBの最近の政策変更》 そして、その資産買入であるが、2015年の3月に月額 600億ユーロでスタートし、同年12月の理事会において、 当初は2016年の9月までとしていた期間を2017年3月まで に延長(期間についてはプログラム開始の当初から必要 であれば延長することを担保している) 、さらに今年3 月の理事会では規模を月額800億ユーロに拡大していたが、 昨日の理事会では、期間を2017年12月まで延長する一方、 4月以降の規模については月額600億ユーロに減額、つま り今年の3月以前の水準に戻すとともに、プログラムのス ムーズな遂行のために、来年の1月以降、買入債券の最低 残存期間を従来の2年から1年に短縮すること及び必要な 場合には、中銀預金金利(▲0.4%)を下回る利回りの債 券の買入を許容するというパラメーターの微修正を行う ことを決定した。なお、見通しが好ましくなくなったり、 金融情勢が持続的なインフレ調整に向けたさらなる改善 にそぐわなくなった場合には、プログラムの規模と期間 の双方またはいずれかを拡大する可能性があることを声 明文は明記している。 ECBはまた、最新の経済見通しを発表、成長率、インフ レともに9月時点の予想から大きく変わっていないが、今 回新たに予想が示された2019年までの期間内にインフレ が目標の2%に達することは想定しておらず、とりわけ 2017年のインフレ予想は僅かに上方修正されたとはいえ、 1.3%にとどまることは、資産買入期間のさらなる延長の 可能性を示唆しているように思われる。 ここで主要中銀の政策の方向性を比較すると、ECBは緩 和規模の縮小の第一歩を踏み出したものの、量的緩和そ のものは長期化する可能性があり、日銀も当分の間は現 状の金融政策を続けるとみられる一方、米国のFRBは今月 13~14日のFOMCで利上げを再開する可能性が高いと考え られ、来年も年を通して緩やかな引き締めが行われる公 算が高いことを考えれば、為替市場ではユーロ、円双方 に対する米ドルの緩やかな上昇基調が続くと思われる。 中銀預金金利 政策金利 中銀貸出金利 資産買入期間 資産買入規模 2015/12/3 2016/3/10 2016/12/8 ▲0.2%→▲0.3% ▲0.3%→▲0.4% ▲0.4%で不変 0.05%で不変 0.05%→0% 0%で不変 0.3%で不変 0.3%→0.25% 0.25%で不変 2016/9→2017/3 2017/3までで不変 2017/3→2017/12 600億ユーロ/月で不変 800億ユーロ/月に増額 600億ユーロ/月に減額 【ECBの経済見通し】 (%) 成長率 インフレ率 9/8発表 12/8発表 9/8発表 12/8発表 2016年 1.7% 1.7% 0.2% 0.2% 2017年 1.6% 1.7% 1.2% 1.3% 2018年 1.6% 1.6% 1.6% 1.5% 2019年 1.6% 1.7% (文責:勇崎 聡) (出所:ECB及びBloombergデータより髙木証券作成) 《ご注意いただきたいこと》当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資の最終決定はご自身でなさるようお願い いたします。当資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、その正確性・完全性を保証するものではありませ ん。株式、債券、投資信託等は、価格の変動や発行者の信用状況の悪化等により投資元本を割り込むおそれがあります。また、当資料の いかなる部分も一切の権利は髙木証券に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転 送等を行わないようお願いいたします。 当社で取り扱う商品等へのご投資には、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、お客様向け資料等をよく お読みください。 商号等:髙木証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第20号 【広告審査済】 加入協会:日本証券業協会 髙木証券インターネットホームページ:http://www.takagi-sec.co.jp/
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