研究者 氏名 早野 公敏 所属 横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院 役職 教授 項目 一般課題 ⑤公共工事コスト縮減対策に関するもの テーマ 凝集剤を利用した浚渫土砂処分場の受入容量拡大技術の開発 航路浚渫によって発生する土量は膨大であり、大量に発生する浚渫土砂を処分する必要がある。と ころが、土砂処分場の受け入れ容量は限界となることが見込まれており、処分場の容量拡大方策が 求められている。 研究内容の 本研究では浚渫土の凝集による受入容量拡大技術を開発することを目的とする。浚渫土砂投入時 重要性 に凝集剤を添加することにより、沈降速度を速め、堆積土砂の透水係数等が改善できることが予想さ れる。その結果、堆積した土砂の圧密係数が高まり、継続して投入される土砂による圧密沈下速度が 速くなるため、処分場の埋立て地盤高さの低い状態が継続的に維持でき容量拡大につながる。 研究内容 (1)浚渫土砂に効果的な凝集剤の仕様の選定 凝集剤には無機系、高分子系、ハイブリッド系と数多くの種類があり、また効果は添加量や浚渫土砂 の含水比・塑性指数などに依存する。そのため各種凝集剤のうち、浚渫土砂に効果がある仕様を凝集 実験により選定する。 研究計画・ (2)凝集剤を添加した浚渫土砂の圧密特性の把握 方法の妥当 凝集剤を添加した浚渫土砂の特殊圧密実験により、自重圧密応力からの広範囲な応力レベルにお 性 ける圧密定数を求める。 (3)容量拡大およびコスト縮減効果の検討 凝集剤が添加された浚渫土砂が堆積した地盤に対して、造成工程のシナリオを想定して、容量拡大 およびコスト縮減効果を検討する。 凝集剤を水質浄化や固化処理土の作製、あるいは泥土の流動特性の改質などの目的のために利 用する事例はあるが、浚渫土砂の圧密特性の改善に適用するという発想はいままでにないものであ 研究内容の る。 独創性 凝集剤を加えた泥土の圧密係数-圧密圧力の関係に絞っても、世界的にこのような知見は公表さ れておらず、新たな軟弱土砂の改良工法の原理となりうる研究開発である。 関門航路の航路浚渫によって発生する±量は約1,600万m3であり、大量に発生する浚渫土砂を処分 する必要がある。ところが、処分場のひとつである新門司沖土砂処分場は、平成20年代後半には受け 入れ容量の限界となることが見込まれており、処分場の容量拡大方策が求められている。 研究内容の 本研究開発の成果を活用することにより、継続して投入される土砂による圧密沈下速度が早くなるた 波及効果 め、処分場の埋め立て地盤高さの低い状態が継続的に維持でき容量拡大につながる。 さらに跡地利用のために行うVD(バーチカルドレーン)の打設間隔が広がり、造成工事費を縮減でき る。 前年度の助 成実績との なし 関係
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