Pictet Global Market Watch

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ピクテ・グローバル・マーケット・ウォッチ 2016年4月19日
グローバル
Pictet Global Market Watch
世界の投資環境(2016年4月)
国際通貨基金(IMF)は2016年の世界経済の成長率見通しを下方修正しました。依然として世界の金融市場は不
透明な状態が続いていますが、足元では原油価格に回復の兆しが見られるほか、米国の利上げペースの後退が
示唆されるなどの変化も出てきており、金融市場の下支え要因になると思われます。
国際通貨基金(IMF)による
主要国の経済予想
図表1: 主要国・地域の2016年の経済成長率予想
前年比
国際通貨基金(IMF)は2016年の世界経済成長率予
想(2016年4月時点)を+3.2%成長とし、2016年1月時
点の予想であった+3.4%成長から0.2%下方修正しま
した(図表1参照)。先進国、新興国ともに成長率予想
は下方修正されています。
9%
2016年1月予想
2016年4月予想
6%
3.4%
3%
6.3% 6.5%
4.3% 4.1%
3.2%
2.1% 1.9%
米国の2016年のGDP(国内総生産)成長率予想は
+2.4%と、2016年1月時点の+2.6%から0.2%下方修 0%
正されました。ドル高が米国の製造業へ影響を与えて
いるほか、原油価格の下落によってエネルギー部門の -3%
投資が低下していることが主な背景としています。
2.6% 2.4%
1.7% 1.5%
1.0%
0.5%
-3.5% -3.8%
日本の2016年のGDP成長率も2016年1月時点の
-6%
世界 先進国 米国 ユーロ圏 日本 新興国 中国 ブラジル
+1.0%の予想から+0.5%に大幅に引き下げられました。
IMFは2016年前半の円高と新興国経済の需要の弱さ
図表2:主要国・地域の2017年の経済成長率予想
が日本経済に影響を与える点を指摘しています。また、 前年比
2017年については同年4月に予定されている消費税
の増税を理由にマイナス成長を見込んでいます(図表
7%
2参照)。
2016年1月予想
6.0% 6.2%
一方、新興国では明暗が分かれました。ブラジルなど
の資源輸出国や産油国のGDP成長率は資源価格の
下落などを背景に下方修正されましたが、中国が
+6.3%から+6.5%に0.2%上方修正されるなど、資源輸
入国の中には資源価格の下落がプラス要因となり、上
方修正された国もあります(図表1参照)。
6%
4%
4.7% 4.6%
3.6%
3.5%
3%
2.6% 2.5%
2.1% 2.0%
2%
1%
現時点では、年初からの市場の混乱に落ち着きがみら
0%
れるため、IMFの見通しにはやや悲観的という印象も
ありますが、IMFは現在は一時的安定の可能性もある -1%
と指摘しており、注意は必要と見ています。
<次ページに続きます>
2016年4月予想
5%
1.7% 1.6%
0.3%
0%
-0.0%
-0.1%
世界
先進国
米国 ユーロ圏 日本
新興国
中国
ブラジル
出所:国際通貨基金(IMF)のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
(※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が
変更される場合があります。)
記載のデータは、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありま
せん。
ピクテ投信投資顧問株式会社
巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。
1
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グローバル
米国:利上げ開始。
利上げペースが次の焦点に
図表3:米国政策金利の推移と利上げのペース
日次、期間:1990年1月2日~2016年3月31日
2015年12月に米連邦準備制度理事会(FRB)が利上
げを開始し、今後の利上げのペースに注目が集まって
います。過去の利上げを見てみると、1年で6~8回程
度のペースで利上げを行っています(図表3参照)。た
だ、現在の米国の経済成長率は過去の利上げ時と比
較して相対的に低い水準で推移しており、同じペース
で利上げできるかは不透明な状態です(図表4参照)。
また、利上げは長期金利の上昇要因となりますが、利
上げのペースが非常に緩やかなものになると、長期金
利への影響も限定的になる可能性もあります。実際、
2004年6月から2年間にわたって行われた利上げでは、
長期金利は緩やかな上昇にとどまりました(図表3青丸
部分参照)。
米国:利上げペースを占う上で
注目のデータ
①
10%
7回
1 2ヵ月
8%
②
6回
1 1ヵ月
③
17回
2 4ヵ月
利上げ局面
米政策金利
米10年国債利回り
6%
4%
2%
0%
90年1月
95年1月
00年1月
05年1月
10年1月
15年1月
①1994年2月~1995年2月②1999年6月~2000年5月③2004年6月~2006年6月
図表4:米国の実質GDP成長率の推移
四半期、期間:1990年1-3月期~2015年10-12月期
10%
インフレ率は利上げペースを考える上で重要なデータ
8%
の1つですが、米国のインフレ率は原油価格の下落等
6%
によって非常に低い水準で推移しており、利上げペー
4%
スを抑える要因となることが考えられます(図表5参照)。
2%
ただ、今後米国の賃金が上昇する傾向が続くようであ
0%
ればインフレ率が徐々に上昇する可能性には注意が
-2%
必要です。
なお、現在の米国経済は内需が堅調に推移しているこ -4%
ともあって回復基調にありますが、ドル高の影響により -6%
輸出が落ち込みを見せており、内需と外需で二極化の -8%
-10%
様相を呈しています(図表6参照)。
米実質GDP成長率(四半期、年率)
12四半期移動平均
90年3月
95年3月
00年3月
05年3月
10年3月
15年3月
図表5:米国のインフレ率(消費者物価指数)の推移
月次、期間:1990年2月~2016年2月
<次ページに続きます>
図表6:米国の個人消費(内需)と輸出(外需)
月次、期間:2011年3月~2016年1月
(個人消費は四半期ベース)
4%
3%
米実質GDP個人消費変化率(前年同期比、左軸)
米輸出(前年同月比、右軸)
2%
1%
0%
7%
6%
5%
4%
30%
3%
2%
20%
1%
0%
10%
-1%
0% -2%
-3%
90年2月
-10%
米消費者物価指数(前年同月比)
12ヵ月移動平均
95年2月
00年2月
05年2月
10年2月
15年2月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
-1%
11年3月
-20%
12年3月
13年3月
14年3月
※実質GDP個人消費変化率は2015年12月まで
ピクテ投信投資顧問株式会社
15年3月
(※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が
変更される場合があります。)
記載のデータは、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありま
せん。
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グローバル
米国:外部要因に不安はあるが
基本的に回復基調維持
図表7:米国の交易条件
月次、期間:1999年12月~2016年3月
米国経済はドル高や軟調な新興国経済など外部要因
に不安は残るものの、内需を中心に回復基調を維持し
ています。利上げによるドル高が製造業を中心とした
輸出企業の業績を下押しする懸念もありますが、輸入
物価の下落による消費の下支えなどプラスの要因にも
なります。実際、米国の交易条件(輸出品と輸入品価
格の交換比率)は足元改善してきており、米国景気の
下支え要因になるとも考えられます(図表7参照)。また、
エネルギー価格の下落や良好な雇用環境は個人の購
買力の増加要因となり、消費を押し上げる効果を期待
できます(図表8参照)。
米国:利上げペースが次の焦点に
欧州中央銀行(ECB)と日銀はマイナス金利の拡大に
はやや消極的となる可能性もありますが、量的金融緩
和はある程度拡大が見込まれます。一方、既に利上げ
に踏み切った米連邦準備制度理事会(FRB)は将来的
に量的金融緩和による国債保有の縮小(引き締め)時
期の模索が想定されます(図表9参照)。
ただし、米連邦公開市場委員会(FOMC)が示唆したよ
うに、当面利上げペースは緩やかな展開が想定されま
す。そのため、市場と当局が想定する利上げペースの
差は縮小しています(図表10青丸部分参照)。
0
米国の交易条件
-5
-10
-15
-20
-25
-30
99年12月
図表10:FOMC参加者による政策金利予測
時点:2015年12月、2016年3月
09年12月
14年12月
図表8:米国の小売売上げの伸び率内訳とガソリン
価格の推移
月次、前年同月比、期間:2009年1月~2016年2月
12%
米ドル/ガロン
4.5
8%
4.0
4%
3.5
0%
3.0
レストラン・飲食店(左軸)
ガソリンスタンド(左軸)
自動車ディーラー(左軸)
その他の小売店(左軸)
ガソリン価格(右軸)
-4%
-8%
-12%
09年1月
<次ページに続きます>
04年12月
2.5
2.0
1.5
11年1月
13年1月
15年1月
図表9:各中央銀行のマネタリーベースの推移と
今後の予想 月次、期間:2007年12月~2016年3月(実績)、
2016年4月~2016年12月(予想)
550
4%
3%
参考:2016年3月末時点の市場予想
2016年3月時点の予測
2015年12月時点の予測
年0.9%の上昇
2.4%
年1.0%の上昇
2%
1%
1.4%
年1.0%の上昇
0.9%
0.4%
500
3.3%
450
400
3.0%
年1.1%の上昇
1.9%
350
300
2007年12月末=100として指数化
日本
米国
ユーロ圏
日本(予想)
米国(予想)
ユーロ圏(予想)
250
200
150
年1.0%の上昇
100
50
07年12月
0%
2015年
2016年
2017年
2018年
(※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が
変更される場合があります。)
記載のデータは、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありま
せん。
ピクテ投信投資顧問株式会社
09年12月
11年12月
13年12月
15年12月
※FRBのマネタリーベース予想は、保有債券の満期償還分は全額再投資されると
想定。ECBのマネタリーベース予想は、2015年1月の定例理事会で決定した月間
600億ユーロの資産購入と2016年3月の定例理事会で決定した月額200億ユーロ
の増額を仮定。日銀のマネタリーベース予想は、年間80兆円の資産買取を行う日
銀目標に従い計算。 ※米国のマネタリーベース予想は2016年3月~2016年12
月 ※政策金利の予測値は、各参加者の予測の中央値
出所:ブルームバーグ、日本銀行、各種報道、FOMC関連資料のデータを使用しピ
クテ投信投資顧問作成
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グローバル
ユーロ圏:経済は金融緩和の下支えで
緩やかながら回復
図表11:ユーロ圏製造業景況感と消費者信頼感の推移
月次、期間:2006年1月~2016年3月
ユーロ圏経済は堅調な内需などにけん引され、緩やか
な回復を維持する見込みです。ギリシャ債務危機以降、
落ち込みを見せていた消費者マインドと製造業景況感
は足元では改善傾向にあります(図表11参照)。また、
ドイツなどの失業率が歴史的な低水準となるなど雇用
にも回復が見られます。
銀行貸出(特に企業向け)は量的金融緩和により拡大
する傾向があり、量的金融緩和政策拡大に伴い貸出し
の増加が期待されます(図表12参照)。銀行貸出と雇
用の回復はユーロ圏経済を下支えする要因となり、内
需拡大にも貢献すると考えられます。一方、中国など
新興国向け輸出は軟調になることも懸念され、製造業
の今後の動向に注視が必要と見ています。
0
80
-5
70
-10
60
-15
50
-20
40
-25
30
-30
20
ユーロ圏消費者信頼感指数(左軸)
ユーロ圏製造業PMI(右軸)
-35
-40
06年1月
08年1月
10年1月
12年1月
14年1月
10
0
16年1月
図表12:ユーロ圏信用の伸びの寄与度
月次、期間:2012年1月~2016年2月
ユーロ圏:ECBの金融緩和政策、
インフレ率とユーロ安
ECB量的金融緩和
2015年1月 開始を表明
2015年3月 開始
0.8%
景気減速が懸念される中国向け輸出の回復は鈍化傾
向です(図表13参照)。欧州中央銀行(ECB)の追加金
融緩和によるユーロ安への効果は限定的です。原油
価格は以前に比べれば落ち着きは見られますが、
ユーロ圏インフレ率は低水準での推移が続いています
(図表14参照)。
マイナス金利政策の拡大は銀行収益への悪影響など
もあり、今後は慎重姿勢が想定されます。今後は貸し
出しの促進策などが主体となることが想定されます。
0.6%
企業向けローンの寄与度
0.4%
家計向けローンの寄与度
0.2%
0.0%
-0.2%
-0.4%
-0.6%
-0.8%
12年1月
13年1月
14年1月
15年1月
16年1月
<次ページに続きます>
(※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が
変更される場合があります。)
図表13:ドイツの輸出総額に占める国別割合の推移
月次、12ヵ月移動平均、2006年1月~2015年11月
図表14:ユーロ圏の消費者物価指数の推移
月次、前年同月比、期間:2010年12月~2016年3月
3.5%
ユーロ圏消費者物価指数
3.0%
2.5%
2.0%
ECBのインフレ目標=2%を上回ら
ない範囲で、その近辺
1.5%
1.0%
0.5%
0%
-0.5%
11%
10%
9%
8%
中国向けは下向き
7%
6%
英国
5%
フランス
オランダ
4%
米国
3%
中国
2%
06年1月 08年1月 10年1月 12年1月 14年1月
出所:ブルームバーグ、CEICのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
-1.0%
10年12月
11年12月
12年12月
ピクテ投信投資顧問株式会社
13年12月
14年12月
15年12月
記載のデータは、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありま
せん。
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4
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グローバル
日本:景気回復の鈍化傾向が
続く日本経済
図表15:日本のGDP成長率と寄与度の推移
2015年10-12月期の日本のGDP成長率は個人消費
が軟調であったことなどを受けて前期比年率マイナス
1.1%と再びマイナス成長となりました(図表15参照)。
日本の景気や物価動向は賃金の伸びが左右する展開
を想定していましたが、春闘を見渡しても賃金の伸び
は期待を下回りました(図表16参照)。グローバル経済
の先行きに不透明感があるため、賃金の伸びが抑制
された状況と考えられます。賃金の伸びが軟調なこと
から、今後は政策への期待が高まる展開が想定され
ます。
日銀が導入したマイナス金利の景気への効果はいま
だに不透明な部分も多く、財政政策など他の政策を組
み合わせることができるかが今後の注目点になると見
ています。
四半期、前期比年率、季節調整後、期間:2012年4-6月期~
2015年10-12月期
10%
4.6%
2.2%
5.2%
5%
1.4%
0%
-5%
-10%
-15%
-20%
2012年
4-6月期
民間在庫
純輸出
-7.9%
公共投資
政府消費
設備投資
住宅投資
個人消費
GDP成長率
2013年
4-6月期
-2.5%
2014年
4-6月期
-1.4%
-1.1%
2015年
4-6月期
図表16:日本の消費者物価指数と
給与の伸び率の推移
<次ページに続きます>
月次、前年同月比、期間:2010年10月~2016年2月
4%
3%
3%
消費者物価指数(左軸)
毎月勤労統計現金給与総額(右軸)
2%
2%
1%
1%
0%
0%
-1%
-1%
-2%
-2%
-3%
10年10月
11年10月
12年10月
13年10月
14年10月
15年10月
出所:ブルームバーグ、内閣府のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
(※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が
変更される場合があります。)
記載のデータは、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありま
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グローバル
中国:構造的な変化に直面する中国、
投資から消費へ
中国政府は投資(住宅や設備投資など)や輸出主導の
経済成長から、消費を主体とした緩やかな経済成長へ
転換させる構造改革を継続しており、過去と比較すると
経済成長率は今後緩やかなものになると見込まれま
す(図表17参照)。中国の小売と輸出を見てみると、小
売売上高の伸び率が相対的に安定して推移している
のに対して、輸出は比較的変動が大きくなっています
(図表18参照)。今後は構造的な輸出の低下傾向の継
続が見込まれるうえに、短期的には世界経済の先行き
が不透明なため、輸出の変動が見込まれます。
図表17:中国の経済成長率の推移
四半期、期間:2005年10-12月期~2015年10-12月期
20%
16%
1600
兆円
中国名目GDP(円率、円換算、右軸)
中国実質GDP成長率(前年比、左軸)
1400
1200
1000
12%
800
8%
600
400
4%
200
0%
0
05年12月
07年12月
09年12月
11年12月
13年12月
15年12月
図表18:中国の小売売上高と輸出の伸び率の推移
月次、前年同月比、期間:2006年2月~2016年2月
中国:短期的に金融緩和など政策によ
る下支えも必要
60%
中国小売売上高
50%
中国輸出
40%
30%
預金準備率の引き下げや利下げ、資金供給オペ等に
20%
より、中国当局は緩和的な金融政策を実施しています
(図表19参照)。今後も金融緩和による景気支援は続く 10%
0%
ものと見られ、2015年夏のような中国経済の過度の悲
観論には修正も見られます。また、金融緩和に加えて、 -10%
住宅取得を促進するための規制緩和により、大都市の -20%
-30%
不動産価格に上昇が見られますが、地方の不動産は
-40%
全般的に下落しています(図表20参照)。
06年2月
08年2月
10年2月
12年2月
14年2月
16年2月
5ヵ年計画(16年~20年)の詳細を審議する全国人民
※小売売上高は2012年以降の1月、2月分は公表されていないため、
代表大会(全人代、3月5日開催)を受け財政政策拡大
参考値として前年の12月分を使用
は期待されますが、過剰債務などへの対応も必要で、
図表19:中国の預金準備率とM2の推移
政策運営は綱渡りの状態となっています。
月次、期間:2007年1月~2016年2月、預金準備率は6ヵ月先行
<次ページに続きます>
35%
図表20:中国の大都市の住宅市況
30%
月次、期間:2014年2月~2016年2月
M2前年比伸び率(左軸)
預金準備率(6ヵ月先行、右軸、逆目盛り)
25%
90%
80%
0%
5%
10%
20%
住宅価格が上昇した都市の割合
15%
15%
70%
60%
20%
10%
50%
5%
07年1月 09年1月 11年1月 13年1月 15年1月
40%
30%
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
20%
(※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が
変更される場合があります。)
10%
0%
14年2月
25%
14年8月
ピクテ投信投資顧問株式会社
15年2月
15年8月
16年2月
記載のデータは、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありま
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6
8
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グローバル
商品:原油価格に
底打ちの兆しは見られるが
図表21:原油生産量と原油価格(WTI)の推移
日次、期間:2013年1月1日~2016年3月31日(生産量は月次)
120
ドル/バレル
万バレル/日
2014年以降、原油価格が下落傾向であったにも関わ
らず、サウジアラビアなどOPEC(石油輸出国機構)諸 100
国や非OPECであるロシアの原油生産量に大きな変
化が見られなかったことから、今後産油国間で原油の
80
減産を模索する動きが続くと思われます(図表21参照)。
ただ、米国は採算性の低い新規石油採掘計画の縮小
60
など独自路線で生産量を調整する姿勢を示しています。
40
そのため、米国の石油掘削装置は減少を続けており、
米国の原油生産ペースは過去1年でみると横ばいの動
20
きとなっています(図表22参照)。
13年1月
14年1月
15年1月
16年1月
最近の原油価格に落ち着きが見られますが、これは原
イラク生産量(左軸)
ロシア生産量(左軸)
油の減産の合意を模索する動きが要因の1つと考えら
サウジアラビア生産量(左軸)
原油価格(右軸)
れます。
※原油価格:WTI原油先物
今後の原油価格については、産油国間での本格的な
減産合意の可否と景気回復による需要回復が注目点
になると思われます。
<次ページに続きます>
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
※生産量は2月まで
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
図表22:米国の石油掘削装置の稼動数と原油
生産量の推移 週次、期間:2011年3月4日~2016年3月25日
1,800
基
万バレル/日
1,200
1,500
1,000
1,200
800
900
600
石油掘削装置の稼動数(左軸)
600
400
原油生産量(月次、右軸)
200
300
11年3月
12年3月
13年3月
14年3月
15年3月
16年3月
※原油生産量は月次ベース、2月まで
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
(※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が
変更される場合があります。)
記載のデータは、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありま
せん。
ピクテ投信投資顧問株式会社
巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。
7
8
ご参考資料
Pictet Global Market Watch
グローバル
資源国:主な資源国の経済
図表23:オーストラリアの経済成長率の推移
四半期、前年同期比、期間:2005年1-3月期~2015年10-12月期
資源国経済は商品市況の動向と連動する傾向があり、
商品市況が景気を左右する展開が想定されます。
6%
オーストラリアGDP成長率
5%
主要な資源国の1つであるオーストラリア経済は、内需
は比較的健全で、低金利政策により住宅、個人消費は
底堅く、同国経済をある程度下支えすると見ています。
足元のオーストラリア経済の成長率は改善傾向を示し
ており、インフレ率も若干回復の兆しを見せています
(図表23参照)。
オーストラリア消費者物価指数変化率
4%
3%
2%
1%
0%
一方、ブラジル経済は足元ではマイナス成長になって
05年3月
08年3月
11年3月
14年3月
おり(図表24参照)、国際通貨基金(IMF)によると2016
年もマイナス成長の継続を見込んでいます(1ページ目
図表24:ブラジルの経済成長率の推移
図表1参照)。ブラジル経済は高いインフレ率にも苦し
四半期、前年同期比、期間:2005年1-3月期~2015年10-12月期
んでおり、インフレ抑制のために今まで利上げ路線を
12%
維持してきました(図表25参照)。しかし、ブラジルの経
10%
済成長率は低迷しており、ブラジル中銀は政策金利を
8%
14.25%の据え置きへと転じました。高インフレ抑制か
6%
ら景気重視へ政策の舵を切った形ですが、問題は山
4%
積みで、本格的な回復には時間がかかる見込みです。
2%
0%
-2%
-4%
-6%
-8%
05年3月
商品市況下落の影響で通貨が下落している資源国は、
インフレ抑制のために金融引き締めを余儀なくされて
いる状態となっています。一方、原油価格の下落に
よって物価抑制が進んだ国(インド、中国、オーストラリ
アなど)では逆に利下げ余地が出てきています。また、
トルコなど国内の政治が不安定なことを背景に金融政
策などの動向が不透明な国も見られます。
ブラジルGDP成長率
ブラジル消費者物価指数変化率
08年3月
11年3月
14年3月
図表25:主な新興国・資源国の政策金利の推移
日次、期間:2006年12月末~2016年3月31日
資源国経済は当面商品市況との戦いが続く見込みで 18
すが、商品市況の低迷が長期化する可能性もあり、今 16
後の経済動向には注視する必要があると考えます。 14
ブラジル14.25
12
ロシア11.0
10
トルコ7.5
8
(※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が
変更される場合があります。)
南アフリカ7.00
インドネシア6.75
6
インド6.75
4
中国4.35
2
オーストラリア2.0
0
07年1月
09年1月
11年1月
13年1月
15年1月
記載のデータは、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありま
せん。
※図表25:中国は貸出基準金利(1年)を使用、トルコは2010年5月20日から、
ロシアは2013年9月13日から2016年3月31日まで
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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