Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン アジア 2016年4月7日 円ドル相場108円台。その理由 2014年後半から日米の金融政策の方向性の違いなどを背景に急速に進行した円安・ドル高は、2016年年初頃から 反転し、足元、円高ドル安傾向となっています。今、改めて何が円高・ドル安の要因となっているのかを考えます。 東京円相場:110円を割り込み、108円台へ 約1年5ヵ月ぶりの円高水準 東京外国為替市場の円相場は1ドル=108円台の円高水準 で推移しています(2016年4月7日、図表1参照)。米国で6日 に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で は、新たな材料には乏しかったものの、利上げを急ぐことに 慎重な意見が多いことが確認されています。円が108円台で の取引となるのは概ね1年半ぶりで、日銀が追加の金融緩 和を決めた2014年10月末頃以来の水準となります。 どこに注目すべきか: 量的金融緩和、マイナス金利、経常収支 130 円/ドル 120 円(対米ドル) 円高 ピクテ投信投資顧問株式会社 図表1:円(対米ドル)レートの過去3年の推移 (日次、期間:2013年4月8日~2016年4月7日、日本時間午後) 円安 2014年後半から日米の金融政策の方向性の違いなどを背 景に急速に進行した円安・ドル高は、2016年年初頃から反 転し、足元、円高ドル安傾向となっています。今、改めて何 が円高・ドル安の要因となっているのかを考えます。 まず、日米の金融政策の方向性の違いが縮小した点です。 2014年10月、米国は量的金融緩和第3弾(QE3)を終わらせ、 金融引き締めを強化する一方で、日本は日銀が2014年10 月末に「量的・質的金融緩和拡大」を公表し、例えば長期国 債保有残高の年間増加ペースを約50兆円から約80兆円へ 引き上げるなどの金融緩和拡大策を公表しました。 では、現状はどうか。米国は資源価格の下落やドル高など を受け利上げペースを後退させるとの見方が強まっていま す。依然金融引き締めを模索してはいますが、積極性にか ける印象です。また日銀の場合も金融緩和を拡大する意思 はあるものの、手詰まり感が見られます。例えば、日銀の 長期国債購入は日銀の財政状況(長期国債保有リスク)な どを考えると早晩限界に近づくとの指摘も聞かれます。量 的金融緩和の代替として期待されるマイナス金利政策です が、他国から「通貨安競争」を示唆されたことなどを受け市 場では、日銀が当面はマイナス金利の拡大に慎重になると の見方が増えたことも円高を後押しする要因と見られます。 次に、短期的に、為替介入実施への期待も低下しています。 主要7ヵ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)などの国際会議 が予定される、4月から5月は為替介入が手控えられるとの見 方が優勢となっていることも円高要因と見られます。 経済指標の一部にも円高ドル安を後押しするものも見られま す。日本の景気回復は鈍く多くは円安要因ですが、経常収支 などは黒字化しており、円高要因と見られ(図表2参照)、2014 年頃の経常赤字が定着(通貨安要因)するとの懸念から変化 が見られます。なお、4月8日に2016年2月の経常収支を公表 予定ですが、市場では2兆円程度の大幅な黒字が予想されて おり、黒字の定着を確認する内容が見込まれます。 程度は縮小したものの、日本の金融緩和、米国の引き締めと いう金融政策の方向性に変化がないと見られることから、この 先円安・ドル高傾向に戻る可能性も考えられます。しかし、円 はリスク回避で買われる局面なども想定されるため、短期的 にオーバーシュートも視野に入れる必要があると見られます。 110 100 90 13年4月 14年4月 15年4月 16年4月 図表2:日本の経常収支額の推移 (月次、期間:2006年4月~2016年1月、兆円) 4.0 兆円 3.0 2.0 1.0 0.0 -1.0 -2.0 06年4月 経常収支 悪化傾向 経常収支 09年4月 12年4月 16年2月は約2兆円 黒字予想 15年4月 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。
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