金融市場 国際班 • 全体の前提 「ゼロ成長から自律的成長へ向けて、有 効活用されていない資金を見る」 定義 • 需給ギャップ (GDPギャップ) • 潜在成長率 ↓ 経常収支 資本収支 概略(詳細) スラックス=成長トレンドと潜在成長率のギャップ ↓ 日本の生産性・資本効率の悪化 資本収益率 (低)日本≠(高)アメリカ (長期金利) ↓ IS-LM-BPモデル 資本流出・円安化e↑ i 資本収支不均衡CA<0 国際収支不均衡BP<0 5-6% 投資資金の減少 収益性の低い投資は実行されないI↓ ↓ 為替調整・円高化e↓ 2% IS=LM 資本収益率(低)日本=(高)アメリカ ↓ 為替レート不安定化 ↓ 経常収支不安定化NX↓ ↓ 成長率不安定化・低下Y↓ ↓ スラックス=需給ギャップの拡大 BP=0 ↑円高化 ↓円安化 Y 概略 資本収支 GDPギャップ 為替レート 金利 資本係数 投資 需給ギャップ (GDPギャップ) GDP 経常収支 為替レート <為替レートの決定要因> ・長期 購買力平価 ・中期 マンデル・フレミングモデル 長期 購買力平価 国際的な一物一価の法則 購買力平価=日本の物価(円)/アメリ カの物価(ドル) 円/ドルレートと購買力平価 中期 e=e*+(1/θ)[(i*-Π*)-(i-Π) -β] e*:ETRD=PPP θ:PPPとの乖離を埋める調整速度 Π:予想(期待)インフレ率 *外国の実質金利高は円安要因 名目・実質為替レート 300 250 実質実効 為替レート 200 150 名目為替 レート 100 50 00 20 98 19 96 19 94 19 92 19 90 19 88 19 86 19 84 19 82 19 19 80 0 経常収支 経常収支黒字=スラックス 内需が少なく、 国内の供給を支えきれない →外需を求める 超短期(経常収支) Jカーブ効果 円安→経常収支黒字減少 円高→経常収支黒字増加 経常収支黒字化 円安 時間 円高 経常収支赤字化 短期・中期 (経常収支) 経常収支(NX)は実質為替レート(eP*/P) と内外の需要(Y,Y*)によって決まる NX=X(eP*/P,Y*) (+) (+) -(eP*/P)M(eP*/P,Y) (-)(+) NX=NX(eP*/P,Y,Y*) (+)(-)(+) (X:輸出, M:輸入) 日本の経済状況と経常収支 デフレ→実質為替レート円安化 →経常収支黒字化 内需低迷→輸入減少 →経常収支黒字化 ITバブル崩壊・外需低迷→輸出減少 →経常収支赤字化 構造的な経常収支黒字減少 国際競争力の低下・産業空洞化 →海外生産・海外から輸入 →経常収支赤字化 データ(経常収支と内需) 内需低迷→経常収支黒字化 経常収支と実質成長率 経常収支 実質成長率 180000 6 160000 5 4 140000 3 120000 2 1 80000 0 60000 -1 40000 -2 20000 -3 0 -4 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 % 100000 データ(経常収支と為替レート) 円安→経常収支黒字化 経常収支と実質実効為替レート 経常収支 実質実効為替レート 180000 160 160000 140 140000 120 120000 100000 80 80000 60 60000 40 40000 20 20000 0 0 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 年 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 円/ドル 100 為替レートの変動と経常収支1 NX=NX(eP*/P,Y,Y*) (+)(-)(+) NX ↓ ← 円高↓ NX ↑ ← 円安↑ NX:経常収支, eP*/P:実質為替レート Y:内需, Y* :外需 為替レートの変動と経常収支2 1.輸出・輸入業種別格差の拡大 円安化した場合 ◎自動車、精密機械 ○半導体、家電、工作機械、造船、医薬 △電力、鉄鋼、化学 ×石油、紙・パルプ、住宅、食品、旅行、 百貨店、外食、アパレル 為替レートの変動と経常収支3 2.輸入代金が変動し、円安でも経常収支黒字 は増加しにくい (NX:経常収支, eP*/P:実質為替レート Y:内需, Y* :外需, X:輸出, M:輸入) NX=X(eP*/P,Y*) (+) (+) -(eP*/P)M(eP*/P,Y) (-)(+) NX↓←円安時↑ 為替レートの変動と経常収支4 3.円安→輸入インフレ デフレ払拭の期待あり 総供給が減少(サプライショック) →物価上昇+生産減少 スタグフレーションの懸念あり 長期(経常収支) 経常収支は内需と供給によって決まる NX=(S-I)+(T-G) (NX:経常収支, S:貯蓄, I:投資, T:課税, G:政府支出) 貯蓄超過経済の日本は経常収支が黒字 ライフサイクル仮説:少子・高齢化 →低貯蓄率化 →経常収支赤字化 経常収支の論争 エコノミストの中には、経常収支黒字 が3年から7年程でなくなると予想し ている人もいる。 しかし、長期的に見れば貯蓄超過であ る限り経常収支黒字は続くため、当面 経常収支黒字がなくなる可能性は低い と思われる。 金利 資本係数 1単位の産出量を生産するのに必要とされ る、最小資本投入量 資本係数=粗資本ストック/実質GDPの比率 資本係数(出所:「日本経済の罠」) 背景 設備投資のGDP比率(1980〜2001年) 資本係数 上昇トレンド 投資の生産効果が急激に小さくなってい る ↓ 日本では投資をしない 資本収支 資本収支 0 -2000 -4000 -6000 -8000 -10000 -12000 2001年 1999年 1997年 1995年 1993年 1991年 1989年 1987年 -16000 1985年 -14000 資本収支 資本収支赤字=スラックス 資本収支赤字であると外国に資本が 流出している CA =CA (r, r*, e ) (+) (-) (-) CA=資本収支 r=日本の利子率 r*=海外の利子率 ・ 金利 利子率=収益性 利子率が高い国へ資本が移動する 日本は現在他国と比べて低い=資本流出 ・ 為替 為替=収益性 円安=資産減価=資本流出 資本収支赤字=資本の流出 ↓ 日本企業の設備投資に 資金が回らない ↓ 投資減少 全産業の設備投資 • 棒グラフ ・・・合計 投資額 • 折れ線グラフ ・・・前年比 投資額 投資は減少傾向 経常収支黒字 ↓ 輸出・大 輸入・小 ↓ 外需・大 内需・小 ↓ 企業の投資=減少 概略まとめ 資本収支赤字 潜在成長率↓ 為替レート 金利↓ 資本係数↑ 投資↓ 需給ギャップ ↑ (GDPギャップ ↑) GDP↓ 経常収支黒字 結論 経常収支黒字 + 資本収支赤字 ↓ 資金流失=国内投資減少 ↓ 需給ギャップ拡大 (GDPギャップ) 潜在成長率の低下 参考文献 • • • • • • • • • • 国際金融入門(岩田規久男、岩波新書) マクロ経済学(吉川洋、岩波書店) 入門マクロ経済学(中谷巌、日本評論社) 日本経済の罠(小林慶一郎・加藤創太、日本経済新 聞社) マンキュー経済学マクロ編(N・グレゴリ−・マンキュー) ゼミナール経済学入門(福岡正夫) バイブル経済原論(早稲田公務員セミナー) 日本経済新聞 ゼロ金利と日本経済(深尾光洋、吉川洋) デフレの経済学(岩田規久男) データの出所 • • • • • 内閣府経済社会総合研究所 日経マクロデータ 外務省 総務省 日本銀行
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