安井校長式辞 - 相愛中学校 相愛高等学校

式 辞
穏やかな陽光があふれ、桜花爛漫の春となりました。
本日ここに 2016(平成 28) 年度相愛中学校、相愛高等学校入学式を挙行いたしました
ところ、浄土真宗本願寺派
霍野
廣紹
総務様をはじめ、大学副学長、各学部長、同窓
会ならびに育友会、敬愛会、後援会各会の会長様のご臨席を賜り、学園長、理事長ともど
もにありがたく感謝を申し上げます。
中学校新入生 56 名、高等学校新入生 132 名のみなさま
相愛学園にご入学、おめでとうございます。
本日ご列席をくださいました保護者のみなさま、お嬢様のご入学心よりお祝いを申しあ
げます。おめでとうございます。ご立派に成長され、真新しい制服に身を包み今日の入学
式をお迎えになられましたこと、お慶びもひとしおのことと拝察いたします。
さて新入生のみなさまにまずお尋ねいたします。
『かけがえのない私』という表現をお聞きになったことがおありですね。
「目の中に入れて
も痛くない」の思いで大切にお育ていただき、今日のあなた方がいらっしゃるだろうこと
は間違いありません。従ってあなたの、いやあなたの“いのち”の大切さこそ『かけがえ
のない存在』であるところから『かけがえのない私』と表現され、それをご両親さまや祖
父母さまから耳にされたのでしょう。
では別の角度からお尋ねしてみましょう。
ご自身でこの『かけがえのない私』を自覚している方はどれ程の人数でしょうか?何か自
慢をしているようで気恥ずかしいなどと言わないでください。これはとても大事なことな
のです。結論を先に申しますと、あなた方お一人おひとりが『かけがえのない私』であり、
そのことをまた自尊心としてあなたの中にしっかりと築かれるようお願いをいたします。
さて『かけがえのない』の意味を考えましょう。あなたに代わる人は誰もない―という
意味ですね。誰かと比較して代わりが見つからない、という程度の選択がこの表現をとら
せたと思うならそれは間違いです。比べようもない存在、代わりを考えることすら許され
ない程特別重要な存在だとお考えください。なぜなら、もしあなた一人の存在が欠けたと
したら、この世の中のつながり、関係性は成り立たないからです。これを仏教的には縁起
と呼びます。私たちの生きている世界は縁起の世界なのです。この私が生きているからこ
そ成り立っているととらえるのが仏教的世界観なのであります。
仏教には「インドラの網」というたとえ話があります。インドラとは古代インドのヒン
ドゥー教の神様の名、仏教では帝釈天と呼ばれます。その神様の宮殿を飾っているのが「イ
ンドラの網」で結び目が無数にありますが、一つひとつに宝石の珠が結わえられておりそ
れがちょうど合わせ鏡のように互いが互いを映し合っています。どれか一つの宝石をつま
みあげればその他すべての珠がつながって引っ張られるという状態なのです。あなた方の
存在、そしてあなたの“いのち”はその結び目の珠にあたります。結び目が一つ欠けたら
…と想像してみてください。網は穴があいてもう網ではなくなるのです。
このたとえでお解りいただけたかと思うのですが、あなたは「すべての存在にとってな
くてはならない大切な私」であること、言い換えればあなたの存在、
“いのち”は数限りな
いつながりの中で成り立っているということなのであります。『かけがえのない私』とはそ
の意味を表す言葉なのですよ。
相愛は建学の精神に「當相敬愛」を掲げております。あなたも私とおなじだけ『かけが
えのない存在』であります。それぞれが如来の一子(阿弥陀仏の子ども)として“いのち”
を大切にする生き方を学ぶ学校、
「生きる意味」について人間の一番深いところから考える
学校。ここが相愛であります。
この相愛学園で過ごす三年間、六年間があなた方のこれからの生き方を決める土台づく
りの期間となりますよう、私たち教職員はお手伝いすることをお約束して私の式辞といた
します。
ご入学おめでとうございます。
2016(平成 28)年 4 月 6 日
相愛中学校高等学校 校長
安井大悟