PowerPoint プレゼンテーション

*グローバル投資環境
No.1013*
ご参考資料
髙木証券投資情報部
ECB理事会~景気に自信示す一方、量的緩和の完遂を強調
2015年6月4日作成
ECBは6月3日に理事会を開催、政策金利である主要借換金利を
0.05%、中銀貸出金利を0.30%、中銀預金金利を▲0.20%でそれ
ぞれ据え置いた。
ECBは3月9日から開始した資産買入プログラムについて、「順
調に進んでいる」とした上で(ECBが1日に公表したデータによる
と、資産買入のうち5月の国債の買入額は516億ユーロで4月の477
億ユーロから増加しており、このことは夏場の流動性低下に備え
て、5月から6月にかけて買入の前倒しを行うことを示唆した5月
19日のクーレ理事の発言を裏付けている)、4月15日の前回理事
会時に続いて「資産買入は少なくとも2016年9月まで継続し、2%
のインフレ目標達成に向けた持続的な調整を確かなものとするた
めに必要な場合には延長する」ことを確認した。量的効果の効果
についてECBは、「幅広い金融情勢の緩和、インフレ期待の回復、
企業や家計のより好ましい借入環境に貢献している」と自己評価
している。
第1四半期が前期比0.4%成長となったユーロ圏の経済について
ECBは、「国内需要、とりわけ個人消費が現在進行中の回復の原動
力になっており、5月に関する最近の調査データは第2四半期も緩
やかな回復が続いていることを示唆しており、我々は経済回復の
拡がりを見込んでいる」と述べている。なお、ECBは新たな経済見
通しを示しており、ユーロ圏の2015年の成長率を1.5%、2016年
を1.9%、2017年を2.0%と予想、2015年と2016年については3月
時点の予想を据え置く一方、2017年を0.1ポイント下方修正した。
また、1月には前年同月比▲0.6%まで低下していたヘッドライ
ンインフレは5月の速報値で+0.3%まで持ち直しているが、先に述
べた経済見通しでは2015年のインフレ見通しを3月時点の0.0%か
ら0.3%に上方修正、2016年は1.5%で据え置いたが、2017年につ
いては1.7%から1.8%に小幅に引き上げた。
《ECBによる国債買入額》
3月
473.56
4月
477.00
5月
516.23
(単位:億ユーロ)
《ECBの経済見通し》
成長率
インフレ率
3月時点
今回 3月時点
今回
2015年
1.5%
1.5%
0.0%
0.3%
2016年
1.9%
1.9%
1.5%
1.5%
2017年
2.1%
2.0%
1.7%
1.8%
インフレ見通しの引き上げを受けたユーロ圏のソブリン債市場
では理事会後に利回りが上昇、連れて通貨ユーロが買われたが、
ECBが量的緩和を粛々と進めていることから利回りの持続的上昇は
想定しにくい一方、4月にみられたドイツの10年国債利回りのマイ
ナスが視野に入るような状況は行き過ぎとみられるため、利回り
低下トレンドへの回帰も考えにくいことから、債券市場のボラ
ティリティの低下に伴って通貨ユーロの値動きも小さくなること
が見込まれよう。
(文責:勇崎 聡)
(出所:ECB及びBloombergデータより髙木証券作成)
当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資の最終決定はご自身でなさるようお願いいたします。当資料は信頼できると思われる各種
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