*グローバル投資環境 No.855* ご参考資料 髙木証券投資情報部 米エネルギー情報局の短期エネルギー見通し~ 2015年の原油価格見通 しを下方修正 2015年1月14日作成 米国エネルギー情報局(EIA)は13日、「短期エネルギー見通し」の1月号を発表した。 WTIの原油先物価格については、12月8日に発表した12月号において2015年通年の平均を11月号の1 バレル=77.75ドルから62.75ドルに引き下げていたが、今回これをさらに1バレル=54.58ドルに下方 修正した。また、今回初めて2016年の見通しを公表、通年のWTI先物価格の平均を1バレル=71ドルと 見込んでいる。 2015年のWTI先物価格の見通しを四半期ごとにみると、第1四半期が1バレル=46.33ドル、第2四半 期が同51ドル、第3四半期が同57ドル、第4四半期が同64ドルと予想しており、12月号での予想(第1 四半期=60.33ドル、第2四半期=58.33ドル、第3四半期=65ドル、第4四半期=67.33ドル)に比べて 全体的に下方修正されている。今回の下方修正は、どちらかというと12月号での大幅な下方修正にも かかわらず、その後の想定以上の価格下落を受けたアジャスト(調整)という印象が強いが、結果的 にEIAの予想に基づくWTI先物価格のボトムは、12月号での第2四半期から、今回の予想では第1四半期 に前倒しされた上で、その後は緩やかな価格上昇を見込んでいることになる。 《WTI先物価格の見通し》 (米ドル/バレル) 2015年 2016年 通年 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 2015年 2016年 12月号 60.33 58.33 65.0 67.33 - - - - 62.75 - 1月号 46.33 51.0 57.0 64.0 68.0 72.0 72.67 71.33 54.58 71.0 (出所:EIA) また、EIAは「現在の先物価格とオプション契約は価格見通しの高い不確実性を示している」と 述べ、2015年4月の価格が95%の確率でおさまるレンジは1バレル=34~76ドル、2015年末では同じ く28~112ドルという幅広いものになっていることを指摘している。 原油価格の下落は世界経済にとってポジティブであるとされながらも、原油安が加速するたびに 市場心理が悪化、世界的に株価が下落する傾向が続いているが、EIAが指摘する先に述べた不確実 性も市場が理屈ではなくセンチメント主導で動いていることを示唆しており、市場心理の改善には、 原油価格下落の好影響がまず米国などの石油の輸入国の経済にとってポジティブな影響を与えてい ることを示す経済指標がそのきっかけになる可能性があろう。 ところで、世界的に「原油安=株安」という構図になって いるのは先に述べた通りだが、こうした中で異彩を放ってい るのがトルコの株式市場であり、イスタンブールナショナル 100指数は足下で2013年5月以来の高値を付けている。IMFは 昨年12月22日に発表した「最近の原油安に関する7つの疑 問」において、原油価格の下落は、石油の純輸入国の中でも 新興国により大きな恩恵を与えることを指摘しているが、ト ルコはそうした国の一つだと考えられ、トルコのように原油 安がプラスに働く国の株式や通貨を買う動きが横に広がるか 否かも市場心理を占う上での一つのポイントになろう。 (出所:Bloombergのデータより髙木証券作成) (文責:勇崎 聡) 当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資の最終決定はご自身でなさるようお願いいたします。当資料は信頼できると思われる各種 データに基づいて作成されていますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。株式への投資は、価格の変動や発行者の信用状況の悪化等により 投資元本を割り込むおそれがあります。信用取引、先物・オプション取引をご利用いただく場合は、所定の委託保証金または委託証拠金をいただきます。また、信 用取引ではその損失額が差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。国内株式取引の委託手数料は、約定代金に対して最大(税込)1.19664%【2,700 円に満たない場合は2,700円(現物取引買付および信用取引売買)】になります。株式を募集等により取得する場合には、購入対価のみをお支払いいただきます。 外国株式を委託取引により購入する場合は、所定の委託手数料をいただきます。外国株式の委託手数料は国や市場により異なります。外国株式を店頭取引によ り購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。債券をご購入いただく場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。(経過利子をお支払いいただく 場合があります)。債券は、市場の金利水準の変動等により価格が変動しますので、損失が生じるおそれがあります。また、発行体の信用状況や財務状況によっ ても価格が変動し、利金や償還金の支払遅延や不履行となる場合があります。また、倒産等により元本損失が生じる場合があります。投資信託は、主に国内外の 株式や債券を投資対象としているため、基準価額は組み入れた株式や債券の動き、為替相場の変動等の影響により上下しますので、これにより投資元本を割り 込むおそれがあります。投資信託はファンドごとに設定された購入時手数料をご負担いただきます。また、投資信託を保有期間中に間接的にご負担いただく費用 として、ファンドごとに設定された運用管理費(信託報酬)のほか、運用成績に応じて成功報酬をご負担いただく場合があります。外国株式や外国債券、外国投資 信託への投資は、上記に加え為替相場の変動等により損失が生じる場合があります。また、通貨発行国の国情の変化により投資元本割れや途中売却ができなく なるおそれがあります。当社で取り扱う商品等へのご投資には、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、お客様向け資料等をよく お読みください。 商号等:髙木証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第20号加入協会:日本証券業協会【広告審査済】 髙木証券インターネット ホームページ:http://www.takagi-sec.co.jp/
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