第1学年3組 道徳学習指導案 指導者 1.主題名 「たすけてくれてありがとう」 2-(3)友情・助け合い 2.資料名 「くりのみ」 (出典: 「みんなのどうとく」 1年 学研) 浅 川 妙 子 佐 野 弘 子 3.主題設定の理由 (1)ねらいとする価値 子どもにとって楽しい学校生活を送るためには,友達は欠かすことのできないものである。よい友達関 係を築いていくには,様々な学習活動や生活を通して互いに相手を認め合い,理解しあって,信頼感や友 情を育てていくことが重要である。そのような信頼感や友情は,日々の活動の中で,身近な友達と助けあ ったり共に喜んだり,時には対立したりしながら,はぐくまれていくと考える。 本時では,相手を信じ,思いやることで信頼関係が築かれるということに,資料中の人物の行動や心情 を追いながら気付かせていきたい。また,自分の体験を振り返ることで,友達と助け合おうとする心情を 育てていきたい。 (2)ねらいにかかわる児童の実態 たいへん元気な,パワーあふれる子どもたちである。他人のやっていることに興味をもち,関わろうと する子が多い。一方で,低学年の子どもにありがちな自己中心的な言動も多い。自分のことを話したがる が,人の話は聞かないという場面も見られる。 15の幼稚園・保育園から入学してきている。そのうち9人は,同じ幼稚園・保育園からきた仲間がい ない。また,さまざまな課題をかかえ,多様な家庭環境の中で育ってきている子どもたちであり,友達関 係をこれから築いていくという状態で1学年がスタートした。そのため,入学してまもない時期には,仲 間との交流をはかるため,友達関係を築くためのソーシャルスキルを身につけさせる活動「ともだちふや そう」を行った。 教科学習の中では,自分の意見を発言したり,友達の意見を聞いたりしながら,話し合い活動をする場 面を作ってきた。例えば算数科では,新しい考えを見つけ出す学習で,意見交換をする場面を意図的に仕 組んできた。同じ考えに賛同する意見や反対意見などが出されるようになってきている。まちがいから学 ぶことを大事にし,質問をしたり意見を言い合ったりすることで,お互いを認め合い,自尊感情をもって 生活できるようになると考える。 (3)資料について きつねとうさぎが登場する物語である。食べ物をさがしにいったきつねは,たくさん見つけて,落ち葉 の下にかくしておく。さらにうさぎに会って「なにもなかった」と言ってしまう。一方うさぎは,2つ拾 ったくりのみを1つきつねに分け与える。うさぎの行為にぽろっと涙をこぼしたきつねの気持ちを追って いくことによって,人間のもつ弱さや優しさについて考えさせたい。また,困っている友達に親切にして あげることによって,お互いに助け合い,友情を深めていけるだろうということを考える場としたい。 (4)道徳的価値の自覚及び自己の生き方について考えを深め,道徳的実践力を育成するために活用した手だて ≪言葉を生かし考えを深める工夫≫ <役割演技の活用について> 道徳の時間は,資料中の登場人物に身を置いて追体験的に問題を考える共感的な追求が中心となる。子 どもたちができるだけ登場人物などに自己を関わらせ,自分の問題として考えることができるように,役 割演技を行うことにした。即興的な表現活動を行うことによって,一人一人の率直な考えを引き出すこと につながると思われる。また,演じる人と見る人と,両方からの視点で考えることによって,話し合い活 動をより深めていくことができると考える。 自分の考えをはっきりさせるために,そして,それを記録しておくために,ワークシートも活用する。 4.本時のねらい 役割演技をしながらきつねの気持ちを考えることを通して,友達と仲良くし,助け合おうとする気持ち を育てる。 - 40 - 5.展開 過 学習活動と主な発問 学習の様子を見取る視点 指導上の工夫・留意点 程 導 1 黒板に提示したきつねとうさぎの絵を見 ◇興味を持って学習に臨も ○物語を場面ごとに区切 って提示していく。 うとしている。 て,ふたりの関係を予想する。 入 ○きつねとうさぎは,どんな友達でしょう。 ◇おなかをすかせて食べ物 を探しに行く場面をつか ○食べ物を探しに行くきつねとうさぎは, もうとしている。 どんな気持ちだったでしょうか。 ○友達の意見を聞いて, 展 2 資料「くりのみ」の物語を聞きながら 自分の考えが変わって きつねの気持ちについて考える。 開 もいいことを伝えてお ○おなかがいっぱいになったきつねは,ど ◇きつねの気持ちになって 前 く。 うして残ったどんぐりをかくしたのでし 考えようとしている。 段 ょう。 ○きつねはどんな気持ちで「なんにもなく て,はらぺこです」と言ったのでしょう。 ○きつねが涙をぽろっとこぼしたのは,ど うしてでしょう。 3 役割演技をしながら,きつねの心 の内を想像する。 ◎きつねは,このあとどうしたでし ょう。 ◇ワークシートに自分の 考えを記入している。 ◇演技をしたり見たりす ることで,人物の心情を 考えようとしている。 ○一人一人に考えさ せるために、記述 をさせる。 ○自分の考えと比べ ながら見るように させる ☆期待する姿が見られなかった場合の指導 ・きつねがしてきた行為を振り返って,もう一度考えさせる。 ・配役を交代し,何組かに役割演技をさせて,比較しながらきつねの気持ちを考えさせる。 展 4 自分の生活を振り返る。 ○自分が困っているときや悲しいときに, ◇ふだんの自分の生活につ ○何人かに発表をさせ 開 る。 いて,振り返っている。 友達からやさしくしてもらったり,逆に 後 優しくしてあげたりしたことがあります 段 か。そのときは,どんな気持ちでしたか。 ○本時の感想をワークシ 終 5 学習の感想を書く。 ートに記入させる。 ○きょうの学習で感じたことや考えたこと ◇自分の思いを書こうとし 末 ○指名して発表させる。 ている。 を書きましょう。 6.本時の評価(期待する姿) ・登場人物の気持ちになって考えようとしている。 (話し合いの様子) ・友達と仲良くし,助け合おうとする気持ちをもとうとしている。 (ワークシート) 7.継続する事後指導 ・心のノート「ともだちパワーをあつめよう」を記入して,振り返る機会を多くする。 ・帰りの会での「ありがとうをいいたい」コーナーを継続する。 - 41 -
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