この村に水を

第4学年2組 道徳学習指導案
指導者 小 俣 真 由 美
1.主題名
「ふるさとの心」 4-(5)郷土愛
2.資料名
「この村に水を」 (出典:自作教材)
3.主題設定の理由
(1)ねらいとする価値
核家族化が進み,
地域コミュニティーの崩壊が社会的な問題になっているが,
この地域も例外ではない。
土地や家を購入し新しく住み始める人が激増している地域であり,古くからの住民と新しい住民が混在し
ている。めまぐるしい変化の中にあるこの地域であるために,児童は,この地を郷土だと認識しているの
かどうか疑問である。
しかし,自分が育った郷土は自己の形成に大きな役割を果たし,一生にわたって大きな支えとなる。今
ここにあるのは,自分たちだけの力によるものではなく,先人(代々ここに暮らしてきた人々)の苦労と
努力があるということを知ることによって,地域に対する愛着や,地域との結びつきを大切にしようとす
る気持ちが芽生えるのではないだろうか。さらには,地域を知って愛する心や守ろうとする心が育つこと
によって,自分の地域をよりよくし未来につなげようとする心が育っていくもとになるであろう。
そこで,具体的に地域素材を取り上げ,郷土を支えてきた先人の業績を理解させながら,自分の生活が
多くの人々の苦労や努力の上に成り立っていることに気付かせたい。自分の地域の歴史を知り,そのよさ
やすばらしさを知ることは,自分の地域を誇りに思うだけでなく自分自身の誇りとなり,自尊感情を育て
ることになると考える。
本時の授業は,社会科の「昔のくらしとまちづくり」の単元と関連させて扱う。社会科の学習において,
歴史的背景や地理的事柄を理解できるようにして,道徳の時間である本時は,道徳的価値である郷土愛を
確実に捉えることができるように留意する。
(2)ねらいにかかわる児童の実態
3年生の時から構成的グループエンカウンターを取り入れるなどして仲間づくりを行ってきている。4
年生になってからは,国語科「つづけてみよう」でバースディカードを作って,友達の誕生日にプレゼン
トする活動も続けている。文章力の伸長ばかりではなく,友達によいところを書いてもらったり励ましの
言葉をもらったりすることで自分のよさに気付き,
自尊感情の高まりにつながってきている。
係活動では,
クラスをよくするために一人一人が知恵と力を出し合って成果を出し,少しずつ自信をつけている。
本時の内容にかかわっては,大多数の児童は核家族で,昔から双葉の住民である児童はごくわずかであ
り,地域のことを知らない児童が多い。そこで,春の遠足で楯無堰を訪ねたり,総合の的な学習の時間で
は「双葉もの知り博士になろう」の活動をしたりすることによって,徐々に地域に目を向け,地域を知る
ようになってきた。
(3)資料について
本資料は本校図書委員会作成の紙芝居「たてなしせぎとためいけ-この村に水を-」を,道徳教材とし
て改編したものである。楯無堰づくりに生涯をかけた野村宗貞の話を素材として,宗貞と村人たちの発展
を願う姿に共感させながら,ねらいに迫りたい。
(4)道徳的価値の自覚及び自己の生き方について考えを深め,道徳的実践力を育成するために活用した手立て
<自作教材と地域人材の活用について>
本時の道徳的価値の自覚をより深めるために,
自作教材を用いながら郷土についての先人の苦労を知り,
郷土に対する思いを抱く機会を設定する。また,授業の終末には地域の方をお招きし,かつての双葉町の
様子や水にかかわる苦労などの話を実際に聞くことによって,自己の生き方として郷土をよりよくしよう
とする思いをもつことができるようになると考える。
4.本時のねらい
郷土のために尽くした先人の業績と苦労から,郷土を大切にすることについての考えを深める。
5.展開
過
学習活動と主な発問
学習の様子を見取る視点
指導上の工夫・留意点
程
導 1 春の遠足時に訪ねた楯無堰の写真を見な ◇楯無堰について感じたこ ○遠足時の拡大写真を提
入
示する。
がら楯無堰の様子を想起する。
とを思い起こせた。
○発表者用名札カードを
用いて,児童の発言意
欲を促す。
展 2 本時の課題を知る。
開
○「ふるさとの心」とは,どんな心だと思 ◇「ふるさと」について連 ○連想することが難しい
前
ようであるならば,
「ふ
いますか。
想する言葉を思いつい
段
るさとをどのように思
た。
うことだろう」と投げ
かけてみる。
3 資料「この村に水を」を読んで話し合う。
○野村宗貞はどんな気持ちから堰作りをし ◇堰作りをしようとしたわ ○挿絵を拡大して,イメ
けを考えられた。
ージの助けとする。
たのでしょう。
○児童用資料を配布す
る。
○堰作りが難しくなったときの宗貞たち ◇「心メーター」に表すこ
の気持ちを「心メーター」で表し,その
とができる。
わけを考えてみましょう。
○「心メーター」の活
用
○宗貞たちの気持ち
を,
「続ける」と「あ
きらめる」のどちら
かで表すことができ
るか投げかける。
☆期待する姿が見られなかった場合の指導
・自分だったらどうするか,登場人物になったつもりで考えさせる。
○村人達は堰が完成したときどんな気持ち ◇堰が完成したときの村人 ○挿絵を拡大して,イメ
達の気持ちになれた。
ージの助けとする。
だったでしょう。
展 4 これからの双葉地区をよくするために頑 ◇これからの双葉地区をよ ○自分の考えを明らかに
くするために頑張りたい
開
して発表しやすくする
張りたいことを考え,発表する。
ことを考えた。
後
ために,心メモに記入
○これから先の双葉地区のために何かでき
段
させる。
ることがありますか。
終 5 地域の方の話を聞く。
末
◇地域の方の思いにふれる ○学習のまとめとしての
ことができた。
話であることを理解さ
せる。
6.本時の評価(期待する姿)
・先人の苦労や地域の方の思いにふれて,郷土を大切にすることについて考えを深めている。
(授業中の発言・心メーター・心メモの記述)
7.継続する事後指導
・心のノートを活用したり,社会科や総合的な学習の時間とも連携したりしながら,継続して地域の中で
の生活を意識する場面をつくっていく。