第1学年1組 道徳学習指導案 指導者 役割演技を通して後ろめたさを

第1学年1組
道徳学習指導案
指導者
役割演技を通して後ろめたさを感じる登場人物の気持ちにせまり,うそをついたりごまか
したりしないで素直に生活しようとする心情を育てる学習づくり
1 主題名
いつも正直に
1-(4) 正直誠実,明朗
2 主題設定の理由
(1)ねらいとする価値について
内容項目1-(4)は,「うそをついたりごまかしをしたりしないで,素直に伸び伸びと
生活する」ことを主な内容としている。児童が,うそをついたりごまかしたりするのは,自
己防衛のためや,逃避行動,自己顕示の場合が多い。うそをついたり,ごまかしたりする児
童には,その動機をよく考えられるようにして,よくないことを心情に訴え,良心を呼び起
こす指導をしたい。
(2) 児童について(男子16名 女子18名 合計34名)
本学級の児童は,明るく元気である。素直に言われたことを守ろうとする児童が多い。し
かし,やってはいけないことをしたり,失敗してしまったりしたとき,おうちの人や友だち
に指摘されるとうそをついてごまかしたり,都合の悪いことに口を噤んでしまったりする児
童がいる。また,都合のよいように言い訳をしたりする。特に交友範囲が広がってくるにつ
れて,友だちの誘いを断れず,一緒に行動し,失敗をすることも多い。その結果,うそやご
まかしでその場を逃れようとする態度も見られる。うそやごまかしを言った後のうしろめた
さに気付くようにして,明るい生活をめざすようにしたい。
〈アンケート調査〉 調査日9月25日
さ と る 君 は お 母さ ん に,「 今日 の 計算 力 テ スト は , 満点 の 自 信が あ る んだ 。」と ,少 し
自慢そうに言いました。翌日,返されたテストを見ると,まちがいが2つありました。家に
帰ると,お母さんに,「昨日の計算力テストはどうだったの。」と聞かれました。
《心情》この時,さとる君は,どんな気 《判断》さとる君は,「少しまちがえちゃった。」
持ちだったでしょうか。
と言って,お母さんにテストを見せました。
1
まちがいがあったことを正直に
さとる君は,どんなことを考えていたので
言いたい。
しょうか。
2
「少しまちがいがあったよ。」
ア 正直に見せたほうが,気持ちがすっきりす
とだけ言って,テストを見せたく
る。
ない。
イ どうせわかってしまうから,見せよう。
3 怒られるから,見せないですま
ウ 怒られるからしかたがない,見せよう。
せたいな。
エ これからはテストのことは,黙っていよう。
4 「うん。やっぱり満点だったよ。」
と言いたい。
アンケートの結果,ほとんどの児童が正直にまちがいのあったことを告げたい気持ちをも
っていることがわかった。しかし,なかには自分の言葉通り,全部できたことにしたいとい
う気持ちをもっている児童もいる。最終的にお家の人にはわかってしまうであろう,ごまか
せないであろうということから見せるという行動を選んだのではないかと思われる。自分を
お家の人によく見せたい,あるいは,喜ばせたいという気持ちが強いからであろうが,心の
底では,ごまかしてしまいたい気持ちももっている。
そこで,うそをついたりごまかしたりしてしまったときの気持ちを深く考えさせることで,
素直に生活することの大切さに気付かせたい。
相関表
座席表
心情
1
2
3
4
判断
教 卓
ア
26
0
4
0
イ
0
0
0
1
ウ
3
0
0
0
エ
0
0
0
0
4イ
(3) 資料について(「どんぐり」東京書籍)
どんぐりがたくさん落ちていることを聞いたようすけは,寄り道をする。夢中になってい
たので,時の過ぎるのも忘れてしまう。うしろめたさはあるが,学校で遊んでいたとうそを
言い,さらにランドセルからこぼれたどんぐりを「こうじくんがくれた」と言う。うそがさ
らにうその上ぬりになるという内容である。これでは,明るい心で生活することができない
ということを資料を通してわかるようにしていきたい。
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3
他の教育活動との関連
事
前
生活「あきをたのしく」
4
本
時
いつも正直に
事
後
体育「ゲーム」
道徳「正直で素直な心」
本時の学習
(1) ねらい
うそをついたりごまかしたりしないで,明るい心で生活しようとする態度を育てる。
(2) 準備・資料
資料,場面絵,ワークシート
(3) キャリア教育の視点
してよいことと悪いことが分かり,「ごめんなさい。」が言える。
(人間関係形成能力:コミュニケーション能力,意志決定能力:選択能力)
(4) 展開
主な活動と発問
1
予想される児童の反応
支援と評価
今 ま で に う そ や ご ま か し ・ 友 だ ち の 悪 口 を 言 っ て し ま ○ アンケートで事前に調べて
をしてしまったことについ
ったのに,言っていないと
おく。
て話す。
言ってしまった。
○ 挙手がない場合は,紹介す
・まちがって壊してしまった
る。
ことを友だちのせいにした。
2
資料「どんぐり」を読ん
で話し合う。
○ い け な い こ と だ と 分 か っ ・ 本 当 に あ る の か 見 た か っ た ○ いけないと分かっていなが
ていながら,ようすけが寄
から。
らついついしてしまうことも
り道をしてしまったのはど ・すぐに帰れば少しくらいな
ある。どうしようかと迷った
うしてでしょう。
ら寄り道してもいいと思っ
かもしれないことにも気付く
たから。
ことができるようにする。
・どんぐりがほしいから。
・後で行ったらなくなっちゃ
うかもしれないから。
○ 遅 く な っ て 帰 る と き , よ ・ し ま っ た 。 い つ の ま に か 遅 ○ 「急いで家に帰りました。」
うすけはどんな気持ちだっ
くなってしまった。
「胸がどきどきして,いつも
たでしょう。
・お母さんに叱られる。なん
のように大きな声で言えませ
て言おうかな。
ん 。」 と い う 描 写 か ら よ う す
けの気持ちを考えるようにす
る。
○ お 母 さ ん に じ っ と 見 ら れ ・うそがばれないかな。
○ 役割演技をして,ようすけ
たとき,ようすけはどんな ・うそをついてしまったので
の気持ちを想像しやすいよう
気持ちだったでしょう。
お母さんの顔が見られない。 にする。
◎ どんぐりがころげおちて ・しまった。またうそをつい
「こうじくんがくれたんだ
てしまった。
よ 」 と 言 っ た と き , さ っ き ・ばれたかなあ。
よりもっともっと胸がどき
どきしたのはどうしてかワ
ークシートに書いて話し合
う。
○ こ の 後 , よ う す け は ど う ・ う そ を つ い て し ま っ て ご め ○ どんな発言も受容的に受け
したと思いますか。
んなさいと言う。
止めるようにする。
・黙っている。
評 お母さんに本当のことを話
・正直に言った方が気分がい
そうかどうか,葛藤するよう
いから,はっきり言う。
すけの気持ちに共感すること
・きっとお母さんは分かって
ができたか。
いるから言う。
(ワークシート・発表)
3 正直に言ってよかったと
評 正直に言ってよかった,と
思ったできことを発表する。
思ったできごとを思い起こす
ことができたか。
(発表)
4
こころのノート 28 ページ
を読む。
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