校長便り54「公開授業に係る学習指導案作成に寄せて1」 平成27年9月10日(木) 11月の公開授業に向けては、8月末日を目途に、学級活動と道徳の学習指 導案が作成されたと思います。そこで、学習指導案の最終確認をされる際の参 考になればと考え、今回の校長便りから5回にわたり、主に次の3つの項目に ついての資料をお届けすることにしました。(道徳シリーズについては、一旦 お休みしたいと思います。) 1 学習指導案における小中一貫教育を踏まえた表記について 2 本来的な学級活動の指導の在り方について 3 本来的な学級活動の指導の在り方について・・・学級活動指導構想 4 本来的な道徳指導の在り方について 5 公開授業のもつ意味について 今回は、 「学習指導案における小中一貫教育を踏まえた表記について」です。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ ◇ 1 学級活動と道徳に関する学習指導案における小中一貫教育に係る表現・例 (1) 学級活動指導案(例)「第4学年 学校をきれいにしよう」 【題材設定の理由】 本題材は、学級活動(2)の(イ)「基本的な生活習慣の形成」に基づいて設 定されたものである。 基本的な生活習慣は、児童が日常生活を営むにあたって身に付けておか ねばならない最も基本的な行動様式である。しかし、中学年にもなると、 自分の持ち物ばかりではなくみんなで使うものについても、自他の立場や 便利さを考えた整理整頓が望まれるようになる。この期に、再度自分の整 理整頓について振り返らせ、よりよい生活を送るための整理整頓について 主体的に考え実践させることは、学校集団の一員としての自覚を高めると ともに、基本的な生活習慣の形成を図る上で意義がある。 また、「持ち物の整理整頓」は、個々に応じて実践されることの多い問 題である。しかし、このような問題においても、集団活動を中心とした児 童の実践活動を取り入れ、児童が主体的にそれに取り組む工夫をし、活動 の結果が一人一人に生かされていくよう支援することが重要である。さら に、活動の結果を受けての日常活動の中で、児童相互に励まし合ったり支 え合ったりするための共通の場を設定することが必要である。そこには、 児童相互の繋がりが深まり本指導で「整理整頓」を取り上げる意義ある。 このような視点での指導は、児童が「生きる力」を身に付け、将来的に 様々な問題に対応し、自立していくことができるようにするキャリア教育 に繋がるものである。つまり、児童が集団活動により課題を解決していく 過程で、話合い活動や実践活動に取り組み、コミュニケーションや豊かな 人間関係を築いていく「コミュニケーション能力」、さらには「課題解決 能力」を高めることができると考える。 中学年での本指導は、高学年でのより充実した自主的・実践的な活動の 基盤となるものであり、さらには、中学校における人間としての生き方に ついての自覚を深め、自己を生かす能力を養う特別活動の充実に資するも のである。 (以下 略) (2) 道徳学習指導案(例)「大切な約束 (資料名・手品師)」 【主題設定の理由】 本主題は、内容項目1-(4)「誠実に、明るい心で生活する。」をね らいとしている。本内容は、低学年における「うそをついたりごまかしを したりしないで、素直に伸び伸びと生活する。」、中学年における「正直 に、明るい心で元気よく生活する。」の内容を受け、発展的に指導される ものである。また、中学校における指導内容1-(3)「自律の精神を重 んじ、自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任を持つ。」に発展し ていくものである。 なお、1-(4)については年間2単位時間計画しているが、本主題は その2時間目にあたり、主題のねらう道徳的実践力を、主として道徳的心 情の側面から育成する。これは、1学期指導資料「心のししゅう」を受け て、資料をかえて繰り返しての指導として設定したもである。年間2単位 時間のねらいは次のとおりである。 「楽しい生活」 ・ 6月1週 誠実に、明るい心で楽しく生活しようとする態度を養う。 「大切な約束」 ・ 資料 心のししゅう 資料 手品師 10月3週 常に誠実に、明るい心で生きようとする心情を育てる。 (*年間指導計画の考え方は、意図的に作成) 誠実とは、相手があってのことながら極めて自分自身の問題として強い 意味をもつ。つまり、時に他に対してうそをついたり自分をごまかしたり すれば、自分自身の苦しみが、残るということである。誠実とは、自他を 偽らないこと、真心をこめて他に接することである。そこには、互いに信 頼し合える人間関係が成立し、さらに自分自身の心も充足して常に明るい 気持ちで過ごせる。誠実は、道徳的価値の基盤であると言える。誠実な生 き方こそ、自他を尊重する人間尊重の精神に基づいた生き方なのである。 この期の児童は、集団の中の自分の位置が気になり出す。自分をごまか して自分を必要以上に誇示したり、過ちを犯しても弁解して責任を他へ転 嫁したりしようとすることがある。正直であること、真心をもって行動す ることの大切さはわかっているものの、実際には様々な動機からそれが発 揮されないでいる。自分に対する誠実さが一層求められるとともに、他に 対しての誠実な言動が必要である。この考えに基づき指導することは、児 童に明るく楽しい生活を築かせる上において意義がある。 (以下 略)
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