経営理念の確認(確立) 1. 経営理念の策定 2. 経営ビジョンの設定 3

阿久津公一税理士事務所 MAS 事業部
経営理念の確認(確立)
1.
経営理念の策定
事業を行っている目的、存在価値など社長様の思いを伺います。経営理念は一般的に、企業
の目的・目標、存在意義、普遍的価値観、経営姿勢などを表したものと言われます。組織は
異なる人生や価値観を持った人間が、ある目的・目標のもとに集い、共同してその目的を達成
したい時に形成されますので、経営理念により目的・目標を明確にし、組織に浸透しなければ
色々な場面で社員の判断や行動にばらつきが生じます。現実的には経営理念は経営者が起業
した時の思い・頑張る理由(例えば“よい生活をしたい”)から始まり、会社が成長するのに
伴って、「お客様の為に」「社員の為に」と変化していくものです。従って、最初から崇高な理
念を掲げる必要はなく、経営理念は「昇華するもの」と考えてください。大切なことは、昇華
する理念を「毎期確認し」
「組織に伝える」こと、さらには社員がどういう基準で判断・行動す
ればよいかという「行動規範に具体化すること」にあります。
2. 経営ビジョンの設定
3 年~5 年先の売上、経常利益、従業員数、その他経営の状態について目標像を考えます。
経営理念が企業の目的であるならば、期限を区切った具体的目標(目指すべき峰)がビジョ
ンです。ビジョンが不明確だと社員は何を目標に動いているのか、いつまでにそれを達成する
のかがイメージできません。また日々の行動がどう関連付けられるのかもわかりません。夢や
目標を持ち、いきいきと働けるような組織作りのためにビジョンを策定します。
3. 現状の経営分析
財務状態や組織の強み・弱み、経営環境などをヒアリングし、改善点を抽出します。
3-1.
経営環境の分析
経営計画を立案するためのはじめの作業は現状分析であり、それは外部環境と内部環境に分
けて行います。これは後に経営戦略を立案する際のインプットとして大変重要な作業です。企
業は「環境適応業」ですから、自社を取り巻く経営環境を確認し、どのように適応していくの
かという構想を練らなければなりません。
3-2.
財務状態の分析
財務状態の分析は上記の財務分析で行います。
3-3.
経営課題の抽出
3-3-1. 財務状態からのアプローチ
財務分析は数値分析だけでは完結しません。そこから経営上の問題点を抽出し、改善活動を
起こすことによって結果が良くなります。財務分析により抽出された問題点をリスト化し、原
因・対策・改善目標を社長とともに考えます。
3-3-2. 経営体質からのアプローチ
財務の結果は経営の各機能の良し悪しによって生まれてきます。自社の経営体質を分析する
ことにより、内部の強みと問題点(弱み)を正しく認識し、改善課題を抽出します。
3-3-3.
経営戦略からのアプローチ
ディシジョンチェック(営業構造、商品力)をコーチング形式(質問形式)で実施し、アイデ
アの整理を行います。
3-4.
経営課題の整理
これまで実施した”経営診断”の結果、抽出された経営課題を一覧表にして整理します。経
営課題をリストアップし財務構造・営業構造・商品力強化・管理改善・組織改善に分類しま
す。この課題が経営計画の行動のテーマとなります。
1 .経営戦略の立案
経営戦略
4.
目標を達成するための営業戦略や商品戦略など具体的な目標達成方法を考えます。
4-1. 商品- 市場マトリクス
経営診断の結果や戦略アイデアを売上高のマトリクスにまとめて表現します。事業分野の選択
と集中の必要性を考え、重点的に取組む事業領域を明確にします。
4-2. マーケティング政策
企業の“売れる仕組み”を商品政策、ターゲット、販路政策、販促政策(営業改善)ごとに分
けて詳細に検討します。
5.
活動計画の策定
戦略の中から、経営活動の重要テーマを選定し、活動計画を立てて頂きます。目標達成のため
のテーマを確実に推進できるように、行動計画を作成します。それぞれのテーマについて「何
故、何の為に」「誰が(誰と)」「解決策(どのように)」「いつまでに」「どこで」「どの位」を話し
合い記載していきます。
6.
財務数値の予測
経営戦略・活動計画を財務数値に反映し、予想損益計算書・予想貸借対照表・資金繰り表に
表します。
7.
9
売上計画・回収サイト
9
仕入計画・支払サイト
9
経費計画
9
設備投資計画
9
借入・返済計画
戦略・活動の見直しと数値
予想財務資料を確認して頂き、戦略・活動を見直し、財務数値を改定して目標を確定します。