HLA 対立遺伝子およびサイトカイン遺伝子多型が重症血友病 A 患児のイ

Abstract: H. Pergantou, et al.
Abstract (Clinical haemophilia )
HLA 対立遺伝子およびサイトカイン遺伝子多型が重症血友病 A 患児のイ
ンヒビター発生に及ぼす影響
Impact of HLA alleles and cytokine polymorphisms on inhibitors development in
children with severe haemophilia A
H. Pergantou, I. Varela, O. Moraloglou, M. Economou, K. Spanou, Z. Kapsimali, N. Constantinidou and H.
Platokouki
ヒト白血球抗原( HLA )対立遺伝子,サイトカイ
生から保護する可能性:DRB1*11( p = 0.011 )
,
ン遺伝子多型,および第 VIII 因子( FVIII )遺伝子
ることを目的とした。イントロン 22 逆位の検出に
DRB1*11:01( p = 0.031 ),DQB1*03( p = 0.004 ),
DQB1*03:01( p = 0.014 )。サイトカインの解析か
ら,インヒビターの検出力が高かったのは,IL-10
遺伝子多型のハプロタイプ ACC および ATA のホ
。
モ接合体のみであることが認められた( p = 0.05 )
よって,HLA 対立遺伝子およびサイトカイン遺伝
子多型は,FVIII インヒビター発生に重要な役割を
果たすことが立証される。一方,イントロン 22 逆
位,およびこの逆位が FVIII インヒビター発生に及
は広範囲 PCR 法を,また HLA-A,B,C,DRB1,
ぼす影響については,統計的に有意な結果が得られ
DQB1 対立遺伝子の遺伝子型検出には PCR-SSP 法
および PCR-SSO 法を実施し,サイトカイン( TNFα,TGF-β1,IL-10,IL-6,IFN-γ )遺伝子多型につ
なかった。
変異型は,重症血友病 A( HA )患児のインヒビター
発生の素因に挙げられる。本試験は,専ら遺伝子組
換え型濃縮製剤による治療を受けている,ギリシャ
人重症 HA 患児 52 名の FVIII インヒビター発生リ
スクに関し,
( 1 )FVIII 遺伝子のイントロン 22 逆位,
( 2 )HLA 対立遺伝子およびハプロタイプ,( 3 )特
定のサイトカイン遺伝子多型間の相関を明らかにす
いても検出した。統計解析には,カイ二乗検定およ
びフィッシャーの直接確率検定を用いた。インヒビ
ター発生患児は 28 名( I 群)で,そのうち 71.4% が
ハイレスポンダーであった。24 名はインヒビター
。II 群に比し,I 群のイン
を発生しなかった( II 群)
トロン 22 逆位の発現率は,統計的に高値であると
。2 群間の HLA 対
は認められなかった( p = 0.5 )
立遺伝子頻度を比較したところ,次の遺伝子型が統
インヒビター発生を促進:
計的有意差を示した。
(1)
DRB1*01( p = 0.014 ),DRB1*01:01( p = 0.011 ),
DQB1*05:01( p = 0.005 )。( 2 )イ ン ヒ ビ タ ー 発
Haemophilia (2013), 19, 706–710
© 2013 John Wiley & Sons Ltd
27
Abstract: H. Pergantou, et al.