砺波市農業再生協議会水田フル活用ビジョン

砺波市農業再生協議会水田フル活用ビジョン
1 地域の作物作付の現状、地域が抱える課題
富山県西部に開けた砺波平野のほぼ中央部に位置し、全耕地面積に占める水田の割合は99%
で、基盤整備率がほぼ100%と圃場整備が進んでいる。
水田面積に占める主食用米の割合は、62%で転作作物には大麦、大豆等の戦略作物並びに
チューリップ球根やたまねぎ等の地域振興作物の占める作付面積が多く、土地利用型作物の担
い手への集積が進んでいる。
しかし、年々主食用米の需要が減少する中、大麦、大豆ばかりでなく、他の作物に転換を進
めることで、水田面積の維持を図っていく必要がある。
また、担い手への農地集積が進む一方で、農業者の高齢化が進んでいることから、地域ぐる
みの集落営農組織も数多く設立されているが、今後一層、水田の有効活用と効率的な農業経営
を行う必要がある。
2 作物ごとの取組方針
市内の約4.7千haの水田について、適地適作を基本として、産地交付金を有効に活用しなが
ら、作物生産の維持・拡大を図ることとする。
また、土地利用率の向上を図るため、麦、大豆等の戦略作物と地域振興作物による二毛作を
推進する。
(1)主食用米
高品質・良食味の売れる米づくりの徹底によって、米の主産地としての地位を確保・維
持するため、前年の需要動向や集荷業者等の意向を勘案しつつ、米の生産を行う。また、
中食・外食の実需者ニーズに対応した業務用米の生産と安定取引の推進を図る。
(2)非主食用米
ア 飼料用米
地元の畜産農家との結びつきを強化し、麦・大豆等の畑作物の不適作地を中心に生産拡
大を図っていくこととする。
イ WCS用稲
地元の畜産農家が自らの畜産経営に供するための自家利用を中心に、現行の作付面積を
維持する。
ウ 加工用米
県内外の実需者等との結びつきを強化し、生産拡大を図っていくこととする。
エ 備蓄米
主食用米の需要が減少する中、米による転作作物の一つとして位置づけ、国からの産地
交付金(追加配分枠分を含む)を活用し、現状の約160haの作付面積を維持する。
(3)麦、大豆、飼料作物
転作作物の中心的作物である麦・大豆については、品質と単収の向上を図るため、圃場
における額縁排水や弾丸暗渠等による排水対策に取り組みながら、ブロックローテーショ
ン等による団地化と担い手への集積、土地の高度利用による作付面積の維持・拡大を図
る。
また、種子産地の地域においては、県内の六条大麦の作付拡大や大豆品種の需要に対応
した作付を進める。
一方、飼料作物は地元の畜産農家が自らの畜産経営に供するための自家利用を中心に、
現行の作付面積を維持する。
(4)そば
地域の実需者との契約に基づき、中山間地域を中心として現行の栽培面積を維持する。
(5)その他地域振興作物
ア 野菜
「たまねぎ」等の地域振興作物の作付拡大を図る。また、団地化や担い手への土地利用
集積、土地の高度利用等を推進する。
イ 花き
「球根」を地域振興作物として、現行の栽培面積を維持する。
ウ 地力増進作物
水田の有効活用に伴う水田の地力低下を防ぐため、土づくりを目的として地力増進作物
の作付けに継続して取組む。
(6)不作付地の解消
不作付地の解消を図るため、調整水田(H25:約10ha)に今後生産数量目標の外数の扱い
となる米穀等の作物作付けの拡大を図り、2割程度の解消を目指す。
3 作物ごとの作付予定面積
平成25年度の
作付面積(ha)
作 物
主食用米
飼料用米
WCS用稲
加工用米
備蓄米
麦
大豆
飼料作物
そば
その他地域振興作物
たまねぎ
その他野菜
球根
その他花き
果樹
3,097
35
1
18
141
448
747
77
23
131
36
43
32
0
1
17
地力増進作物
.2
.8
.5
.9
.6
.0
.3
.1
.8
.6
.5
4
.3
.9
.0
.5
平成27年度の
作付予定面積(ha)
2,953
47
2
47
161
(28.9) 502
(177.5) 808
(41.7) 84
(6.3) 16
(40.2) 151
51
44
32
1
1
20
平成28年度の
目標作付面積(ha)
.0
.6
.2
.4
.5
.6
.5
.1
.7
.4
.6
.6
.7
.5
.0
.0
2,992 . 0
50 . 0
2 .5
60 . 0
142 . 0
500 . 0
710 . 0
78 . 0
19 . 0
192 . 3
65 . 0
45 . 0
30 . 0
1 .3
1 .0
50 . 0
4 平成28年度に向けた取組及び目標
取組
番号
対象作物
麦
1
分類
指標
平成27年度
(予定)
平成28年度
(目標値)
473ha
405ha
603ha
627ha
610ha
45ha
42ha
45.5ha
10ha
18ha
14ha
231ha
291ha
237ha
44ha
27ha
72ha
123ha
165ha
95ha
飼料作物
31ha
40ha
33ha
そば
8ha
6ha
7ha
実施面積
団地化(1ha以上)
又は担い手による
たまねぎ
イ
土地利用集積(1ha
以上)
実施面積
大豆
戦略作物及
び地域振興
作物
麦
3
平成25年度
(現状値)
391ha
団地化(2ha以上)
又は担い手による
イ
土地利用集積(3ha
以上)
飼料作物
2
取組
大豆
担い手の経営体
質強化に向けた
二毛作
イ
実施面積
地域振興
25ha
34ha
30ha
作物
※取組番号3については、担い手の土地生産性の向上を図るための二毛作の推進が目的であり、二毛作全体として目標設定する。