修士論文の和文要旨 大学院 電気通信学研究科 氏 名 論 文 要 題 博士前期課程 根本 裕次 電子工学 学籍番号 専攻 0532065 目 電気化学堆積酸化亜鉛ナノロッドに関する研究 旨 酸化亜鉛は紫外発光、透明導電膜、ソーラーセル、電界放出素子などへの応用が期 待される物質であり近年注目を浴びている。伊崎らは酸化亜鉛を電解析出法により作 製する方法を報告した。この方法は気相でのプロセスと比較し低コストでの酸化亜鉛 薄膜の作製が可能である。 一方、アルミを陽極酸化することで形成される多孔性の酸化皮膜はポーラスアルミ ナと呼ばれ、径が 10~数 100 nm のナノホールが規則的に配列することが知られてい る。このアルミナを用いることでナノインプリントや各種物質の埋め込みなどが研究 されている。 本研究では,Si 基板上にアルミナ薄膜を蒸着し陽極酸化により作製したアルミナ細 孔をテンプレートとしたものを用い、酸化亜鉛ナノロッドの電気化学プロセスによる 作製をおこなった。 酸化亜鉛の作製では、塩化亜鉛水溶液を用いるよりも硝酸亜鉛水溶液を用いたほう が短時間に堆積ができ、また水酸化亜鉛などの堆積物も少ないものが得られることが 確認できた。水酸化ナトリウムで行うことにより、酸化亜鉛を残したまま、アルミナ の除去可能であることが確認できた。作製された酸化亜鉛ナノロッドは直径 100 nm、 長さは最大 1 μm のものが得られ、基板全面にロッドの作成とまではいかなかったが 密集したロッドを得ることがでた。 電界放出特性の測定の結果、ロッド状の構造では発光は瞬間的で常時発光して いる所は見られず、酸化亜鉛ナノロッドは短命かつ分布に偏りがあったものの、酸 化亜鉛ナノロッドからの電界放出が確認された。このときの閾電界は 10 V/μm、 最大 1.6 μA/cm2 の電流が確認できた。
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