修 士 論 文 の 和 文 要 旨 DD方式超高精度歯車測定機の開発 現在

修 士 論 文 の 和 文 要 旨
大学院 電気通信学研究科 博士前期課程 知能機械工学専攻
氏
論
要
名
文
題
青木 朗子
学 籍 番 号 0434001
目 DD方式超高精度歯車測定機の開発
旨
現在,(社)日本歯車工業会では,
歯形精度の検定方法の確立を目的にNC方
式の超高精度歯車測定機を開発しており,この測定機は現在,全歯形誤差
で約 1 μ m 程度の不確かさを持っている.この不確かさは,JIS 歯車規格の
すべての歯車を評価するにはまだ不十分である.この測定機の測定誤差の
一つの大きな要素が,駆動系の運動誤差であり,すなわちステッピング
モータ,ウォームギヤ及びボールねじを使うことによる誤差であることが
これまでの研究結果で確認されている.
本研究は,歯車測定機の現状に着目し,エアベアリング支持で,DD(ダ
イレクトドライブ)方式の新しい駆動系を用いたサーボシステムを開発す
ることにより、従来の歯車測定機よりも高精度な歯車測定機を開発するこ
とを目的としている.
本論文では先に試作された,歯形測定に必要な直動軸と回転軸の実験機
を改良して,DD方式の試作測定機を完成させた.また歯形測定において,
高い測定精度を実現させるためには多軸の同期制御すなわち軌跡制御の精
度を向上させる必要がある.そこで直動軸と回転軸について,駆動実験を
行い制御系について検討した.さらに得られた制御則を適用して歯形を測
定し,次のような成果を得た.
(1 )DD 方式で試作された実験機を元に,D D 方式の試作測定機を完
成させた.
(2)追従特性実験により,これまでよりも高い駆動精度を得た.
(3)試作機で実際に歯形の測定を行い,超高精度機よりも速い測定にお
いて,測定誤差が低減している事を確認した .
(4)歯形の測定値に , 高い繰り返し性を確認した .