小野博督 二次元ガウス密度に対する二段階一様格子量子化器

修 士 論 文 の 和 文 要 旨
大学院電気通信学研究科
氏
論
要
名
文
題
目
博士前期課程
小野 博督
情報通信工学
学籍番号
専攻
0530011
二次元ガウス密度に対する二段階一様格子量子化器
旨
ベクトル量子化は入力信号ベクトルを多次元空間の中で離散化
し,スカラー量子化に比べて高性能なデータ圧縮を実現する.高
解像度の場合に, 入力データが従う既知の確率密度に対して期待歪
みを最小化する量子化を漸近的最適量子化と呼ぶ.本稿では, 固定
レート最適量子化器に付随する符号器・復号器の計算の複雑さを大
幅に低減させる, 漸近的最適量子化器と類似性のある二段階量子化
法を扱う. この方法は始めに第一段階量子化器を用いて空間を調和
クラスタと呼ばれる領域に分割し,各調和クラスタに対しては圧延
器を用いて一様量子化を行うものである.特に二次元の二段階量子
化法では, 等角写像を圧延器として用い正三角格子により格子量子
化を行う. 各圧延器には回転自由度を与えることができる. 本研究
では, データの分布する空間上で圧延器により導かれる幾何を導入
し, 各調和クラスタ領域内に分布する量子点配列の回転位相を導出
する. ガウス密度に従う入力データを対象に, 全ての調和クラスタ
の境界線上の一点で回転位相の接続を整合化する第一段階量子化器
の設計理論を提案する. また, 各境界の始点から終点までを結ぶ戦
場で隣接クラスタ間に生じる量子点配列の位相差を最小化するよう
に各圧延器の回転位相を設計する手法を提案する.