心理学研究法Ⅰ 小島弥生 授業概要 心理学の研究対象は非常に幅広い。そのため、研究方法にも実験法・調査法・観察法・面接法・フィールドワー ク・検査法など、さまざまな方法がある。この授業では、多種多様な研究方法のうち特に実験法に関する説明を 中心に授業を行う。実験法と他の研究法との比較を交えながら、実験法の特徴を理解してほしい。そして、様々 な研究法を用いることによって、人間の行動や精神活動のどのような側面が明らかにできるのかを理解するこ とを授業の目的とする。 さらに、心理学研究をすすめていく上で留意しなければならない問題点(倫理的配慮・データの一般化、等) についても触れる。これらの問題を意識しながら研究を行うことの重要さを理解してほしい。 授業計画 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回 第11回 第12回 第13回 第14回 第15回 第16回 ガイダンス(授業の進め方・成績評価、など) 「研究」とは何か:心理学における研究のあり方について 研究法の種類について(1)(各方法の特長の比較を含む) 研究法の種類について(2)(前回のつづき) 研究計画について(文献の調べ方を含む) 心理学研究における実験法(1)実験にかかわる概念と実験の種類について 心理学研究における実験法(2)因果関係を検討するためのしくみについて 実験の実際(1)幾何学的錯視を利用して実験を行う 実験の実際(2)データのまとめ方について(分散分析の実習を含む) 実験の実際(3)報告書の書き方について 実験を実施する際に注意すべきこと:倫理的問題について 中間まとめ:心理学における実験法の意義について(兼.中間レポートの提出) 研究テーマと研究法の対応関係について(研究法の種類の復習) 実験法と関連の深い研究法:観察法・検査法について データの記述と一般化:実験法の目的と意義を振り返る / 全体のまとめ 定期レポートの提出 到達目標 心理学の多様な研究方法について、概要を理解する。 実際に実験を実施し、実験レポートを(中間レポートとして)執筆することと、実験レポートの添削結果を 振り返ることにより、心理学における研究成果の報告方法を理解する。 履修上の注意 ・詳しい注意事項は第1回の授業において説明する。第1回の授業には必ず参加すること。特に実験レポート の執筆には授業時間外にもかなりの負担を要するため、注意すること。 ・秋期に「心理学研究法Ⅱ」の受講を希望する学生は、この授業を先に履修する必要があるので注意してほしい。 ・実際に実験を行う週(第8回から第 10 回)は、教室を変更して実施する可能性がある。その場合は前週に予 告し、かつ掲示板に掲示を出すため、連絡事項に注意してほしい。また、実験は参加者の協力によってはじ めて成立するものである。したがって受講するのであれば、真剣に受講してほしい。特に、実際に実験を行 う週は、理由のない欠席や遅刻は他の受講生の迷惑になるため、そのようなことがないように努めてほしい。 予習復習 特に予習は必要ないが、なるべく事前に授業プリントを配布するので、目通ししておくとよい。また、中間 レポートの作成にあたっては授業時間外にも多くの作業をすることになるので覚悟すること。 評価方法 評価の内訳は、平常点(授業態度、提出物に関する約束事の遵守の程度)が4割、レポート(中間レポート、定 期レポート)が6割である。第1回の講義で、評価方法の詳細を説明する。 テキスト テキストは指定しない。授業プリントを用意し、それに沿って授業を進める。参考書は授業中に紹介する。
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